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キラキラアイドルVtuber・心羽白ぬいの(UniVIRTUAL)を全力で語る

 UniVIRTUAL非公式wiki管理人のらうーるです。

はじめに

 さて、少し前にUniVIRTUAL全体の紹介記事を投稿させていただきました。
 1週間ほどかけて書いたかいがあって、多くの方にご覧いただき、2024年7月31日時点で400ビューというnote書き始めの人間としては過分な成果をいただきました。ご覧いただいた皆様に改めて感謝を申し上げます。
 しかし、この記事に関して大きな後悔が一つ。筆者の最推し・心羽白ぬいのの紹介が全然上手くまとめられなかったのです。

「かわいい」だけではダメ?

  心羽白ぬいのというVtuberの魅力を月並みな一言で表すならば『かわいい』に尽きます。先の記事でもそこを強調しましたが、この言葉でまとめることに違和感を拭いきれませんでした。
 以前、筆者はふとした興味から、『「かわいい」のちから 実験で探るその心理』 (DOJIN選書・入戸野宏 著)という本を読みました。同氏の主張の一部が以下のweb記事にまとめられているので引用します。

 日本語の「かわいい」は感情であるが、英語の「cute/cuteness」は対象の属性を表している。「かわいい」は感じるものだが、「cute」は知覚するものである。「cute」にはベビースキーマのような正解があるが、「かわいい」には正解がない。ある対象を「かわいい」と感じるかどうかは、その対象と自分との関係性によって変わる。だから、人それぞれであり、状況によっても異なる。「かわいい」は自分で発見するものであり、他者に押しつけられるものではない。

「かわいい」ってなんだろう:実験心理学の研究で分かったこと(入戸野宏)
https://www.nippon.com/ja/japan-topics/g00755/?pnum=2

 これを前提にすると、『このVtuber、かわいいんですよ!』と言ったとしても、それは紹介ではなく、感情の表明でしかないわけです。
 では、「かわいいもの」の紹介はどうあるべきか。それは、筆者が「かわいい」という感情に至った理由を分解し、各要素を客観視することで、他者が「かわいい」の気付きを得られるようにすることではないでしょうか。

 というわけでこの記事では、UniVIRTUALに出逢うきっかけとなったVtuberであり、今も心の希望である最推し『心羽白ぬいの』について、なぜ彼女を「かわいい」と思うのか/なぜ推したいと思うのかを分析する体をとって、全力でオタク語りをしていきます。
 なお、分析冷静を装いつつ感情の赴くままに書き連ねているため、論理の破綻やドン引きレベルの気持ち悪い発言などが多数あるかと思いますが、何卒ご容赦ください。

ビジュアルに見るアイドルストーリー

 月並みではありますが、まずは彼女の容姿面について語っていきます。
 デザインを手掛けたのはASG先生。Vtuber関連を挙げると、にじさんじの『倉持めると』などのデザインを担当し、ホロライブ『獅白ぼたん』のカバーソングMVイラスト、同事務所6期生holoXのコンセプトカフェイベントイラストなど。
 そんな大手事務所からも重用される人気イラストレーターから生み出されたビジュアルは、メインカラーがパステルピンクなのは見ての通りですが、サブカラーとして異色を放つのが『黒』の要素です。エナメル質感のコルセットスカート、袖やソックスのリボン、ヘアアクセサリ、前髪のメッシュなどに見ることができます。
 また、顔や身体のステッチ(縫い目)やシャープな目元、時折見せる大人びた表情なども、対極的なアクセントが散りばめられています。
 これらの要素を破綻なく溶け込ませたASG先生には感服するしかありませんが、素人ながらに考察すると、このビジュアルは、アイドルという存在に対する二つの正反対の観点――『少女』への回顧/『大人』への憧憬を詰め込んだものではないでしょうか。
 現代のアイドル像は『未完成』を前提として『成長』する物語とともにあり、その成長を見守り、応援したいとするファン心理があることはよく語られているところです。心羽白ぬいののビジュアル面における、庇護欲をかきたてる少女性に混じるモノトーンなどの要素は、この『未完成』からの『成長』を目指す同様のストーリーを想起させるのではないでしょうか。

Vsingerとして多彩な表現力

 心羽白ぬいのというVtuberの活動を語るうえで、絶対に外せないのが『歌』です。
 2022年8月22日に個人勢としてデビューし、2023年5月1日に音楽を主軸とするVtuber事務所UniVIRTUALに加入した彼女ですが、歌枠を活動の中心としているのはデビュー当時から変わっていません。
 当然ながら、彼女は高い歌唱力を持っています。しかしながら、この記事では『Vsinger界トップクラスの実力』とは書きません。上には上の歌唱力の怪物がいるのです。
 それでも、彼女の歌枠は毎回200人前後の同時接続者数を記録し、チャット欄も弾幕が途切れることがありません。その背景には、確かな歌唱力もさることながら、先述のビジュアルを活かしつつ使い分ける多彩な表現力にあると筆者は考えています。
 大きな括りで言えば、盛り上がる曲では幼さを強調させた声色、バラードでは芯のある淑やかな声で歌っており、一つの曲の中でも使い分けることもあります。そして、この表現力を最大限に活かして、ジャンルの異なる700曲以上のレパートリーを持ち、多いときでは月に約20曲程度の新曲を覚えて披露するのも彼女のスゴいところ。リスナーを飽きさせない歌枠を常に模索しています。

『理想と現実』を魅せる世界観

『朝活ぬいらじっ』での1コマ。どこかゆるい雰囲気のコーナーと、
UniVIRTUALメンバーの最近の出来事を紹介する『ゆにばーちゃるニュース』を配信している。

 『どりーーーーーーむ!』

 心羽白ぬいのの配信でしばしば聴くことができる言葉です。事前知識なく言葉だけ見ると何のことやらかと思われるでしょうが、端的に表現するとすれば『ミス(PON)をなかったことにする魔法の呪文』です。別のネットスラングに置き換えるのであれば忘れろビームが近いかもしれません。
 これに象徴されるように、心羽白ぬいのの配信は少し特殊なアイドルの世界観を有しています。有り体に言えば、地下アイドルに片足を突っ込んでいる感覚でしょうか。観客にとっての夢の空間(=理想)をアイドルとしてしっかり体現しています。
 その一方で、彼女はリアルな人間性を隠していません。ゲームで上手くいかなければ舌打ちだってしますし、暴言だってはっきり言います。なかなかに赤裸々な内容も話していてリスナーとしてはちょっと心配になったりもしますが、それも上手くギャップとして機能しています。
 また、本来見えない小さな努力を魅せるのも巧いところ。例えば、歌枠リレーでは「次の曲は〇〇分に歌い始めます」とはっきり口に出して言っています。『ちょっと余裕がある』『予定より遅れている』と話すVtuberは多いですが、具体的な時間を出すことで努力している姿をより効果的にしています。そして、その結果完璧なタイムキープを成功させます。歌という舞台(=理想)と裏での努力(=現実)を接続することで、ギャップによるインパクトを与えながら一体としての世界観を表しているのです。

『くしゃみ積立金』に潜むポテンシャル

 「かわいい」の要素とは少し違いますが、心羽白ぬいのへの期待を示すエピソードとして外せないのが『くしゃみ積立金』です。

「どれだけあればくしゃみを聞かせてくれるの?」
「……100万円かな」

 心羽白ぬいのはくしゃみを絶対にミュートする主義です。ふとした配信中のチャットとのやりとりをきっかけに、リスナーの悪ノリで始まったスーパーチャット(以下「スパチャ」と略します。)の方式が『くしゃみ積立金』です。目標100万円『積立』と宣言さえすれば金額の多寡にかかわらず加算されていくシステムで、2023年12月1日から始まり、2024年7月31日現在の総計は53%(53万円)を越えています。
 『スパチャで遊ぶな』と言われるかもしれませんが、「そのうち皆忘れるだろう」と心羽白ぬいの本人すらも思っていた積立金がこれほどまでに長く続いていることは驚くべきことでしょう。
 『純粋にくしゃみを聴きたい』『本人の反応が面白い』というのもその理由かもしれませんが、心羽白ぬいののポテンシャルへの期待というのがリスナーの根底にあるのではないでしょうか。
 彼女の配信環境はお世辞にも整っているとは言い難く、ウォークインクロゼットの中からギリギリのネット回線で配信していることはリスナーにもよく知られており、これまでの活動経歴も順風満帆というわけではなかったかもしれません。それにも負けず、地道に模索と努力を継続する姿に『心羽白ぬいのは絶対に伸びる』という確信を得て、スパチャでの金銭を伴う応援をしたいと考えるリスナーは多くいたのではないでしょうか。
 しかしながら、実際にスパチャを送るとなると、高額になると送る側も勇気が必要ですし、少額にしても何かしらのきっかけがないと送りづらいのがリスナーの心理の一端にあるのだと思います。
 こうしてスパチャを躊躇っていたリスナーにとって、『くしゃみ積立金』は特に理由なく少額のスパチャでも送ることができる、まさに渡りに船の制度だったのではないでしょうか。
 『実際にくしゃみの代金になる』と考える方はあまりいないでしょう(もしかしたらいるかもしれませんが)。貯まったお金は、配信環境を整えるなり、コンテンツの制作費用にするなり、配信活動に役立つように使ってもらえるのであればよいのです。2024年6月2日の配信にて『オリジナル曲の作成に充てる』という方向性が示されたものの、その意思を尊重しながらもいまだに『くしゃみ目的』と主張し続けるファンが多いのは、この気楽さを重視しているからではないかと考えています。
 大手事務所以外だと見つけてもらうのはなかなか難しいVtuber業界ではありますが、心羽白ぬいのというVtuberはその機会さえあれば爆発的に伸びるというポテンシャルを秘めている――そんな期待を、ちょっと歪んだ形かもしれませんが、積立金という形に託しているのです。
 さて、もし100万円の積立金を達成したらどうなるのか。筆者は自信を持って答えます。

 「知らんのか。次の積立が始まる。」

終わりに

 非常に乱雑な文章となってしまいましたが、まだまだ書き足りない部分はたくさんあります。また、筆者自身も昨年秋に彼女というVtuberに出逢ったばかりなので、デビュー当時からのファンにとっては物足りない部分は多々あるでしょう。それでも、少しでも心羽白ぬいのというVtuberに興味を持っていただいたのあれば、筆者としてこれ以上の喜びはありません。
 ここまで書いておいて書くのも野暮ですが、百聞は一見に如かず。是非心羽白ぬいののチャンネル登録のうえ、配信をご覧ください。きっと「かわいい」と思ってもらえるはず。彼女のチャンネルを再掲します。

 ぬいぐるみの国で出逢えることを、1リスナーとして楽しみに待っています!