『ナンバMG5』のドラマ化がどう転ぶかはわからないが原作は面白いから是非読んで
小沢としお氏の名作『ナンバMG5』がドラマ化されるそうじゃないですか。続編の『ナンバデッドエンド』も併せて、他のヤンキー漫画とは一味も二味も違う衝撃作。1クールくらいでどれだけ描けるのか不安はありますが、あの名作をより多くの人に知ってもらういい機会でしょう。
しかし、もしドラマがつまらなくても、お願いだから原作は読んで! 大人が読んでも子供が読んでも面白いし、ヤンキー漫画が好きでも嫌いでも、いろいろ考えさせられてキャラクターたちと一緒に一喜一憂できる名作だから!!!
まずちょっとあらすじを。
『ナンバMG5』『ナンバデッドエンド』の物語の深みは、この設定によるところが大きいでしょう。この漫画は、基本姿勢としてヤンキーを賛美していません。
主人公の剛が生まれ育った町は、作中で明言はされていないものの、かなり治安の悪い地域です。そこで当然のように育ってきた彼ですが、喧嘩して誰に勝ったの誰が強いのだけの生活に虚しさを感じ、いわゆる「普通の」生活を送りたくて、家族にも地元の仲間にも秘密で逆高校デビューするわけです。
最初、この流れはギャグ調で描かれました。しかし物語が進むにつれ、剛が二重生活を送ることの後ろめたさに焦点が当たっていきます。彼はヤンキー人生はうんざりですが、ヤンキー一色の家族や仲間たちを否定したいわけではないのです。寧ろどちらも大事だからこそ、秘密の二重生活を送っているのです。
この作品は、よくあるヤンキーエリート二元論では描かれません。ヤンキーは馬鹿だけど裏表のないいい奴、エリートは陰で悪さをする嫌な奴というようなことも、その逆もありません。ヤンキーかどうかは関係なく、どちらにも他人に迷惑をかける悪い奴と、自分の人生にまっすぐ向き合う良い奴がいます。――こういう人間観が、私は本当に好きなんですけど!
剛の二重生活を知ったうえで仲間になる伍代と大丸ももちろんすごくいいキャラなのですが、剛の高校の美術部の先輩や中学時代の同級生・関口、恩師の長谷川先生なんかは、もう、聖人かと! 個人的には、こういった非ヤンキーのキャラにも注目してほしいところ。もしドラマで描かれなかったら、是非原作を読んでね!!!!!!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?