新・幻想小話
烏の沈黙①
山が燃えているようだった
暁の焔が木々の階段を登ってゆくように
黒絵の間から艶めいた灯りが揺らいでいた
どーん
どーん
腹に響く太鼓の音
開けた途端に雨音
背中に冷たい風が吹いた
からから
ごとごと
風に転がされる何か
酷く悪い寝起き
来たのは歳神に非ず

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