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「帰らじの雲」


茨城のちんけな村の山と、因幡の国や伊福部氏と何か関係はあるのか全く不明


その横穴墓群は丘陵地にあり、登るためとは言え、かなりの急斜面に石階段や柵のような簡易な単管で遊歩道が設けられている
「伊福部岳の雷神」
と言う、常陸風土記に残る説話がある

私はこの話が好きじゃない

違和感と言うより、なんでだよ?どんな意味があるのかわかねぇ

昔、伊福部岳には雷神が住んでいた(風土記編纂のため、いるとされた)

伊福部岳の麓の田んぼでは、兄と妹がどちらが田植えが早く終わるか競争をしていた

兄がおっとり系の妹に、遅いほうに伊福部岳の雷神の罰が下される、と言ってしまったばかりに…

伊福部岳に穴掘って昼寝しているくせに、地獄耳の雷神はそれを聞いていた

夕方になっても終わりそうにない妹の上に雷雲を湧かし、わざわざ出て行って妹を蹴り殺してしまった

(雷雨降らせて、妹を家に帰らせるとかならまだしも、なぜに蹴り殺す面倒を起こすのだろう)

伊福部岳の穴(横穴墓群)に戻った雷神に、絶対の復讐を誓って兄の雷神探索が始まる

雷神のネグラを知らない兄
(この横穴墓群が伊福部岳とやらの頂上なら、かなり地盤が低くなったのね、と思う。岳と言うくらいなら、そこそこ尖って急稜な山なのではと考える)

兄の肩に雉が降り立ち、雷神のネグラを教える
(この雉は雌。メス…)

兄はこの後いとも簡単に雷神に刃を突き付け降参させる
(私は兄によって雷神は殺されたと記憶していたが、あまりの弱っちさにより兄が呆れ、雷神は伊福部岳から逃げて行ったとある)

神でありながら人間に脅されて、ビビッて逃げるのも情けないし、力の弱い女である妹を殺すのも、現代にもそういう奴いるよな、と頷いてしまう

兄が雷神を問答無用で殺したあたりは、神をも殺せる力を持っているのだから、この兄にも神の血が流れているのではないかと思ったりしたものだ

ただ伊福部岳の下の田で農作業する兄妹としかなく、なんとも肉付けが薄くてつまらない

更に道案内の雉こそが祀られてしまう

彼の予言獣ばりに恐ろしいが、我らを粗末にしたり食ったりしたら一族の者たちは病気になるとかなんとか…

そのような訳で「雉神社」「雉明神」と言うのが村に出来た

雉は帰じ、とも言うそうで…

雷神に蹴り殺された妹の化身なのか…

仕事が遅いからって粗末にすると大変なことになるんですね…






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