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【全然わくわく出来ない島】澁澤龍彦艦長の船

天使と言えば澁澤龍彦
悪魔と言えば澁澤龍彦
怪物と言えば澁澤龍彦
荒俣宏先生だろ!
とも言いたいが
「ソフトな肌触りのほう」を求めるなら澁澤龍彦をお薦めする
少女が裸体で肌掛け布団にくるまり
その羽毛のようなくすぐったさと
季節の変わり目や体調が敏感だったりで
ピリピリと刺激されて寝付けない感じとかが、澁澤龍彦っぽいからだ
わたしの澁澤龍彦のイメージは乙女なのだ
そして一角獣
澁澤龍彦は乙女で
一角獣でもある

「ある日、澁澤先生は夢の中でレビアタンに帆船を貰った」
レビアタンは海と同じ面積をしているらしい
レビアタンは背中に帆船を乗せて航海させてやろうと言う
澁澤先生は病気してたし、なんかつまらなかったから話に乗った
気がついたら、海の精霊とか風の精霊とかいろいろ
勝手に帆船に乗っていた
その数はどんどん増えていく
帆船も舵取りがいないのに勝手に進んでいく

澁澤先生は喉が渇いてしまっていた
ここはどうやら東シナ海
小さな島を見つけた
無人島に違いないだろうが、野生の果物が一年中たわわになっているはずだ
レビアタンは背中に乗せている帆船を島に着けた

澁澤先生はさっそく、白い桃のようなものがなっている木を見つけた
遠くからでもたくさんなっているのがわかったので、とても大きな果物だと期待した

「ああ・・そんな・・ことが・・ばかな・・」
澁澤先生は自分の目を疑った
「この果物は・・・」
ふいに
『わくわく』
と言う声がして、その実が一つ地に落ちた
『わくわく』
と、また声がして、もう一つ実が落ちた
3、4個
5個6個くらい落ちただろうか
『わくわく』
「あっ、実がしゃべった!」
(ごっ!べちゃっ!)
顔面ダイブした

『わくわく』と言って地に落ちた実は、長い黒髪の愛らしい女の顔をしていた
なんでもレビアタンの話では
成人になると、自然に木から落ちると言う
熟れたら木になっている女の首だけの実が落ちて死ぬ

ただそれだけの生態

『わくわく島』

「俺・・帰れるだろうか・・」

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