「なにより青い」
今より10歳若いっていいよね
戻りたい
捨てられて泣いてばかりいた歳
歳だけは戻ったらうれしいかな
青い空、見上げては
「わたしは元気です」
迎えにも来ないあの人に
涙をいっぱい目に溜めて
ひとりぼっちの空、眺めてた
透明だった涙の粒をおぼえてる
*
会えないのに想ってる
終わった恋より置いて来た恋
あの人の笑顔と寂しそうな顔だけ
いっぱい浮かんでくる
怒った顔はなかったこと
今日会えなかったら明日も会えないの確定
「空綺麗~」
五層の薄いパステル画の空に心踊る
精神年齢だけはマイナス10
遠距離恋愛って悪いばっかじゃない
「寂しくないの?」
誰かに聞かれたら
恥ずかしそうに、でもはっきりと
「うん、寂しい」
って言う
少し急ぎ足
水溜まりに映った月がサッとわたしを抜いた
見上げたらもう高いところに月がいた
月のニセモノみたいな生き物が
待ち伏せしてたらどうしよう
触れたら終わりの果実なの
味わうことも出来ない果実を隣に積んで
食べた瞬間だけを夢想する
食べてすっかりなくなった後のことは、考えてる?
旬を過ぎ根ブクれて、朽ちるだけ
食べなれないもの敬遠さる
*
きっともう誰にも恋しない
二人で誰よりも苦労を分かちあった
その記憶がわたしを支えてる
本当に誰かを愛したことがあるかなんて
誰にも自分でもわからない
目に見えて比較出来るならね
言葉なんていくらでも吐ける
なのに伝えなくては通じやしない
届かないより届けたほうがいい
でも今は
晴れた夜の空の星に訊いてみる
ひとり、闇に安堵する
風、唸る
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