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「天井の赤いシミ」その後

それはやはり、朝のことだった

昨日の今日、ということもある

今朝の朝食と昼食のサンドウィッチには

ハムとキュウリにレタスが加わっていた

「天井の赤いシミ」

朝食用の1つを持って、カウンターの上の天井を見る

これは・・なんだ・・?

赤いシミに赤い何かが重なりつつあるところだった

少しだけ足が収まりきるのが遅かったのか

見た時は丸い赤いシミに少しズレ気味に

三角っぽい形と目のような模様をしていた

ちょうど自分と同じ色のものを見つけて

それで・・・

と言うような感じだった

見てはいけなかったような

そんな気もしたが

柔らかなパンと、シャキシャキのキュウリとレタス

溢れるマヨネーズ

ハムで全体の味が引き締まるところが、パンから溢れ出しそうで、俺は黙ってカウンターを離れた

無糖のアイス珈琲で口の中はすっきりし

俺はまたタイムリーに玄関を飛び出した

はるやは明け方夢を視ていて

朝陽を浴びるのをよく忘れる

代わりに俺はよく飯を作って食う

帰ってきた時は夕刻だが、まだ外は明るい

赤いシミは

赤ではなかった

はるやはキッチンが好きではない

仏壇があるからだ

そもそも外の景観も好きではないらしい

チンゲン菜とえのきと肉を炒めながら

スライスしたジャガイモを揚げながら

奥に消えるはるやを呼びに行く

その度にまっすぐカウンターの前

天井を見上げる

動かないそれは

数日すると変色する血のようだった

黒く盛り上がって見えた

俺はそれが蜘蛛であることを知っていた



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