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「百夏晩憾」

夏の盛りの熱帯夜に繰り出した、妙に弾んだ気持ち

夏も中盤

女と同じようで

陽が暮れるのも

早くなってきた

やはり夕暮れがいい

カナカナカナカナ・・

夜の影が差し込み

長い茎の葉の影の向こうに風が通り抜ける

火照った女の熱と顔が

夜の風に冷やされる

芯はまだ熱いマグマのようにたぎる

リルリルリル

リリリリリ

チリチリチリ

秋の虫たちはお構いなし

ほだされて寝付けない夜

浮き足立つ

心地好い不眠

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