第二十話
行方
さる御新造さんの話である
明るく茶目っ気があるが、白地に黒抜きの蜘蛛の巣のような模様の着物をつけていて、個性的な人だ
私は万代にも仕立ててやりたくて、御新造さんを訪ねた
「あら」
御新造さんは飯の支度中だったらしく包丁を手にしている
後日その伝家の宝刀は川に沈んだ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?