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連続ドラマW OZU ~小津安二郎が描いた物語~ 第一話 出来ごころ 2023.11.12 #田中圭 WOWOW


㊗️おめでとうございます🎈

大好きな作品なのでとても嬉しい🥹✨

作品世界にグッと引き込みシェア拡大するという大切な役割を担う、無料第1話

そこに私の大好きな田中圭さんと城定秀夫監督がタッグを組んだ #出来ごころ が配されたことも、嬉しく(勝手に)誇らしく思っています👏👏

✨第14回衛星放送協会オリジナル番組アワード✨
🎊コンテンツ展開部門 審査員奨励賞受賞🎊
『連続ドラマW #OZU ~小津安二郎が描いた物語~』

感想

はじめに《視聴方法など》

小津安二郎監督のリメイク作品オムニバス全6話『OZU』
その第1話『出来ごころ』の無料配信がスタートしました。

録画できる方のWOWOWは、11.12に初回放送ですが、オンデマンド配信は、今日11.3配信スタートです。

こちら↓↓↓のリンクから無料で見ることができます。
会員登録しなくても第1話は視聴可能。

そこから小津安二郎作品の魅力にハマって登録する方が増えたら、視聴者もWOWOWさんもウィンウィンですね。

そういう意味でも、魅力に溢れた、入り口にピッタリの作品だと思います。

うちのTVはビエラなのですが、テレビアプリのWOWOWオンデマンドからも、テレビで無料視聴できました。


WOWOW担当者様の、OZU制作note

作品への熱い思い... すごくいい記事でした。


ネタバレ感想

ここからネタバレしますよ!🙏🏻

またまた、今までどこにも居なかった田中圭さんを見せていただきました。

このトップ画像は、WOWOWさんの冊子の裏表紙なのですが、
このクシャっとした笑顔がたまらなく愛おしいですよね。

ダメ父ちゃんだけど憎めないこの感じ。

なけなしのお金をかき集めて向かった先がパチンコ屋、しかも保険に入ってないっていうのが、もうダメダメ。

でも、そんな喜八がとことん追い詰められたり、取り返しのつかない悲壮な展開になりすぎない温かくほっこりした空気感がとても良かったです。

お金に関しては、弟・長田くんが、(早めに)現れて、富夫の治療費を肩代わりしてくれる。お金をたてに、無理やり子供を奪って行く感じじゃないのも良かったよね。夫婦共に愛情深く誠実そうだったし。

2人が、別々のところで見ていた同じ風船。
手を離れて、届かないところに行ってしまう、
失われてしまうものの象徴。
それが、別々の場所で2人の心をそれぞれ同時に動かすスイッチになる演出が、めちゃくちゃエモいです。

何よりも、
賢くて、父ちゃんよりも大人な富夫が、
父ちゃんを大好きなのが、このドラマの肝だと思っています。

飲んだくれても、女に夢中になっても、喜八が富夫に向ける目、話しかける口調は、いつも温かく優しい。明るい愛情が溢れている。
どんな説明よりも、2人の何気ない口調や交わし合う表情に、積み重ねた愛が溢れていました。

原作にもあった、喜八と富夫の顔のはたきあいと、顔ムニムニ。時代のせいなのか、演出なのか、田中圭さんのさじ加減なのか、かなりマイルドで愛情に溢れた優しいタッチになっていました。

キャストのみなさんについて
おなじみのみなさんがいっぱいいらして
きっと楽しい、やりやすい現場だったんだろうな、と想像できます。

まずは以下、公式さんの記事より

第1話「出来ごころ」

喜八 田中圭
妻と別れ息子の富夫と二人で暮らしながらも、酒や博打に夢中になってしまうダメ親父。

次郎 渡邊圭祐
工員で喜八の同僚。富夫の面倒をみる優しさをもっているが、女性が大の苦手。

春江 白石聖
町に流れてきた女性。喜八の通う食堂で働き、次郎に想いを寄せている。

富夫 森優理斗
喜八の息子。自由奔放な父親とは対照的に学校の成績も良く利口な小学生。

おとめ 渡辺真起子
喜八たち工員が通う食堂の店主。職を探していた春江を雇うなど気立てがいい。

引用元リンク・WOWOW公式

おとめさんの、優しいジャンケン良かったなぁ。
施しじゃなく、押し付けでもなく、富坊に何を出すかバレてるテイのおまけのコロッケが、さりげない愛でした。

長田くんと、行平さん、きっといいお父さん、お母さんになってくれそうでした。

春江さん、可愛かった。
なのに最初に登場した時、ホントは何か悪だくみがあるんじゃないかと心がザワザワしてしまったのは、シロクロパンダのあずさちゃんだったからでしょうか。笑

田中圭さんの喜八さん、顔がワクワクしてるんです。笑顔がキラキラしてるんです。
くたびれた父ちゃんなのに、少年っぽさに溢れていて、その純真さが憎めなさに繋がっているんだと思います。

こんなに薄黒く塗りたくられ、頑張ったチョビ髭まで生やしても、見た目はダメ父ちゃんなのに、どこか漏れ出る可愛い愛され力。

生えないヒゲの発育まで応援したくなる、放っておけない喜八さんでした。

次郎役、渡邊圭祐さんのキャスティングもとっても良かったですね。

シュッとしてカッコよくて、
ハルちゃんが、次郎さんに心を寄せたわけも、ただの一目惚れじゃなく。
明かされた理由がとても素敵だった。
稀に演技力を超えて発生してしまう「田中圭の方がええやん案件」も発生せず。でした。笑

キャラメル食べたくなってきた

総じてこれ!
映画祭には行けなかったけど、家だからこそ、思う存分わんわん泣けました。

舞台挨拶や、作品紹介、雑誌インタビューなどで気になっていた最後の長回し

走り方が、ヒィヒィヘロヘロな必死な父ちゃん感が、走るカッコいい田中圭と全然ちがう!
ぐちゃぐちゃでみっともない父ちゃんと富夫との再会シーンも

もう!もう!もう!
言葉にならないほど良かった!
泣いて泣いて泣き腫らしました。

最後のシーン、初回は、ただただ泣きながら見ましたが。
富坊を抱きかかえ、ほとばしる感情のままに、ぐるぐると回る喜八さん。

...と見せかけて、富坊、喜八の表情をくまなく観せる。
長回しの意図を受けたカメラアングルを計算し尽くしての演技なんだろうな、としみじみ見返しています。

圭くんの謎の江戸っ子口調。
ブラックポストマンか!と思ったのですが、
この喜八でもあったんだなぁ。


小津監督版、城定監督版の比較

今回の出来ごころをまっさらの気持ちで見たいと思い、小津監督版の出来ごころはあえて観ないでいました。

城定秀夫監督作品を観たので、 早速
Amazon prime Videoで配信されている小津安二郎監督の作品を観てきました。こちら↓↓

白黒の活弁映画。
今まで、見たことがなかった活弁、独特な口調ですが、だんだん慣れてきました。

城定監督作の喜八の妄想シーンは、この原作へのオマージュだったんですね。

原作の喜八さんも、憎めないおじさんですね。

確かに、この喜八さんのビジュアルから、田中圭さんにオファーしようとは思わないですよね。笑

小津版の駄目親父と、圭くんのダメ父ちゃん
ビジュアルの方向性は全く逆ベクトルでありながらも、ちゃんと原作の愛すべきダメ男感を踏襲している。最高の喜八さんでした。


東京国際映画祭の登壇で、城定秀夫監督がお話しされていたキャスティングエピソードで、
喜八候補の中に田中圭さんの名前があったけど喜八ではないと思っていた。(おそらく城定監督の中で、圭くんは喜八としてはカッコ良すぎて選択肢に無かった)
でも、深夜に見た死神さんで、田中圭さんはこんな変な役もできるんだと思って田中圭さんで行きたいと思ったというようなお話をされていました。(おおよその意訳です。下にその登壇の文字起こしがありますので詳細はそちらで)

その前に城定秀夫監督×田中圭さんのタッグで撮られた作品「女子高生に殺されたい」は、田中圭さんの『変態性を凌駕する耽美な美しさ』ありきのストーリーでしたもんね。
まずは狙った女子高生を百発百中で惚れさせなければ成立しない完全犯罪。
新人教師が登場した瞬間に、生徒がざわつかなければいけないほどのカッコ良さ。
そこからの喜八、高低差がすごいです!

じょしころの時も思ったのですが、じっくり原作と見比べるほどに、

原作の活かし方と、新しい作品の舞台と尺に合わせた変え方の城定監督のバランス感覚が素晴らしい。

このリスペクト具合が生かされてるなぁ

変わったことがここで生きてきたか!と

小津版を観て、城定版を見るとさらに深まる味わいがありました。

小津版を見た後の城定版で、富坊が叩いた手を広げて見せたシーン、あそこも改めてまた涙腺崩壊。

無理に過去の時代設定にこだわらず、現代のセットでありながら、どこかノスタルジックさを感じさせる仕上がり。
今なんだけど、今でもどこかの片田舎にこんな風情が残っていそうと思わせる、さじ加減が絶妙です。

最新情報

予告動画

WOWOWではロングバージョンが流れています

放送日解禁

11/12(日)午後10:00

11/14(火)午前0:00

11/19(日)午前9:00

公式番組紹介より


東京国際映画祭にて先行上映

ヒューリックホール東京 (車椅子スペースあり)
10/24 [TUE] 19:00- (本編100分) -
一般¥1700 学生¥1200
学生当日¥500(上映当日0:00~)
10/14(土)10:00より販売開始


「はじめはクズという役柄をお願いすることへの迷いがありました」10/24(火) 舞台挨拶:TIFFシリーズ『連続ドラマW OZU ~小津安二郎が描いた物語~ 第一話 出来ごころ 第二話 生れてはみたけれど』
小津安二郎が描いた物語
©2023 TIFF

10/24(火)TIFFシリーズ『連続ドラマW OZU~小津安二郎が描いた物語~ 第一話 出来ごころ、第二話 生まれてはみたけれど』上映前に、城定秀夫監督、田中圭さん(俳優)をお迎えし、舞台挨拶が行われました。
⇒作品詳細

司会:宮脇美咲(WOWOWアナウンサー)(以下、宮脇アナ):本日、司会を担当いたします、WOWOWアナウンサーの宮脇美咲と申します。よろしくお願いいたします。
ゲストのお二方をお呼びいたします。主演の田中圭さん、監督の城定秀夫さんです。温かい拍手でお迎えください。まずは田中さんにご挨拶をお願いできればと思います。

田中圭さん(以下、田中さん):皆様、本日はありがとうございます。田中圭です。小津安二郎さんの作品を、城定監督と一緒にリメイクすることができて幸せです。今日は楽しんでいってください。

城定秀夫監督(以下、城定監督):この作品はテレビで放送する作品として作られましたが、大きな劇場で上映される映画のように制作してほしいと言われたので、このような大きな会場で皆さんにお披露目する日を迎えることができてうれしく思っております。今日は楽しんでいってください。よろしくお願いします。

宮脇アナ:ありがとうございます。まずは城定監督に質問させていただきます。本作は日本を代表する映画監督、小津安二郎の90年前に公開されたサイレント映画『出来ごころ』のリメイクということで制作されました。今回、監督と脚本を担当されましたが、世界の小津作品をリメイクするにあたり、どのような点を意識したのでしょうか。

城定監督:そうですね。小津作品がどのような作品かということは、役者は全員、もちろん理解しているし、スタッフも含めた皆が、なんとなく分かっています。そうした中で、この作品に関しては、意外にも、小津作品らしさが薄いというか、みんなが連想する小津さんとはまた少し異なる、若き日の小津安二郎作品なんです。そのようなところで、小津らしさのようなものを真似しようとすると、逆に自分らしさも出ないしやる意味がないと感じたので、あまり小津さんのリメイクということを意識しないように意識した、という感じです。

宮脇アナ:そして、田中さん扮する主人公の喜八は、妻と別れ、息子の富夫とふたり暮らしをしていますが、酒や博打に夢中な父親という役ですが、実際に父親役を演じられて、いかがでしたか?

田中さん:喜八というキャラクターが、憎めないクズという感じなんですよね。なぜかは分からない、体感的なものではありますが、憎めないクズの役ならばできなくもないな、という感覚を持ちました。ただし、やはり原作を観ることで当然ながらプレッシャーも感じました。また、監督が城定監督ということもあり、富坊との関係性を一番重視しようと思い、撮影現場でも常にコミュニケーションを取るよう、意識していました。(富坊役の)優理斗くんがとてもかわいく、本当に素敵な俳優さんだったので、撮影が始まってからは、クズに徹することにしました。

宮脇アナ:田中さんが演じられたお父さんを私も拝見しましたが、ただのクズだとは思えず、息子との関係性を非常に強く感じました。皆さんにも、大きなスクリーンで感じていただけたら嬉しいと個人的には思っております。

田中さん:そうですね、はい。

宮脇アナ:そして、城定監督と田中さんは昨年の2022年に公開された映画『女子高生に殺されたい』でも、監督と主演としてタッグを組まれました。今回再びタッグを組んだということですが、城定監督は、改めてご一緒していかがでしたか?

城定監督:基本的に、監督がキャスティングに口を出すことは殆どありません。大体、仕事の依頼を受け、話を伺った時には、既に主演が決まっていたり、殆ど上層部で決めたりする事が多いですが、今回の企画では、一緒に作品をつくりたい俳優はいないかと意見を求められたので、本当に色々な候補を考えました。そこで田中さんのお名前も挙がりましたが、はじめはクズという役柄をお願いすることへの迷いがありました。そのような時、深夜にTVドラマ「死神さん」の再放送を見て、その作品の中にいた、イメージと異なる田中さんの姿に、このようなキャラクターも演じられるのかと思い、その勢いでWOWOWと松竹に、田中圭さんはどうかと提案し、実現しました。

宮脇アナ:田中さん、今のお話を伺って、お気持ちはいかがでしょうか。

田中さん:一度、映画でご一緒した際に城定監督のことが大好きになり、また一緒に作品をつくりたいと本当に思っていました。そんなある日、「城定さんから圭を主演にした作品制作の依頼が来ている」と聞きました。「本当なのか、そんなことが起こるのか」と口にしながらも、二つ返事で「もちろんやります、やったー!」と言うほどでした。まさか儀藤(「死神さん」で田中さんが演じた役名)がこの作品へのキャスティングを繋いでくれていたとは思わず、やはりいろいろな作品で役を演じるものだなと、今少し興奮しています。

宮脇アナ:今回再タッグを組んだお二方ですが、実際に撮影してみて印象的なエピソードがあれば、ぜひ教えていただきたいです。城定監督は、何かございますでしょうか?

城定監督:言えないことも色々とありますが(笑)。いつも以上に、とてもスムーズな現場でした。松竹・WOWOWのスペシャルドラマということもあり、今作のキャストには、今まで自分の作品に出演してくれた方が多かったり、スタッフやカメラマンも、普段から自分の現場にいてくれているカメラマンだったりとか、日頃から馴染みのあるスタッフでチームを作ってくれていたので、とてもやりやすい現場だったことに加えて、役者さん同士の息もピッタリで、手間のかからない現場だった印象です。

田中さん:僕からも質問していいですか?城定監督に聞きたいことがあります。城定監督の撮るワンカットは、心がくすぐられて、もっと見たくなるのでとても好きなんですね。今回の作品にもわかりやすいクライマックスがあり、そのシーンを撮影する日には、役者として、「今日は一日気合入れなきゃいけないな」とか「大変だな」とか「撮影に時間がかかるな」と思いながら現場へ行くのですが、現場で監督とお会いした時に、「田中さん、ここ(クライマックスのシーン)ワンカットで撮影します」と言われたんです。その時に、「このシーンを撮影するのに、ワンカットを選ぶの?」ととても驚いたのですが、あれはいつ考えついたんですか?

城定監督:ロケハンの時などで考えました。あの(クライマックスの)シーンは、何日か撮影していく中で、それまでに撮影してきた素材のことも踏まえて、ここはワンカットで撮影しようと思いました。ただ、これに関しては、たしかに提案した時に少し驚かれるかなと思いましたが、田中さんは全然驚いていなかったです。田中さんはいつもそうですよね、ああそうですか、わかりました、という落ち着いた感じです。

※会場に笑いが起こる

田中さん:驚いてます!驚きました。ワンカットで撮影しようと決めた後に、撮影が大変だったりするなかで、ワンカットにしなきゃ良かったなと思うことはないんですか?

城定監督:それはあまりないですね。基本的にカットは長いほうが好きなんで。

田中さん:皆さんも観たらすぐにわかると思うので、ワンカットのシーンを楽しみにしていてください。

宮脇アナ:最後に、みなさまにメッセージをお願いいたします。

田中さん:皆さま、本日は改めてありがとうございました。原作は、小津さんの90年前のサイレント映画ですが、現代なのかいつなのか分からない時代に落とし込んだことで、新しい作品が生まれたのが今回のリメイクだと思っています。本日は2作品を上映しますが、全6作品で小津さんの世界を描いております。まずは、今日の鑑賞を楽しんでいただきたいですし、また次の上映も楽しめて、観てよかったと思える作品です。2本とも楽しんでいってください。ありがとうございました。

城定監督:僕自身はまだ他の監督の作品を観ていないのでそれを楽しみにしています。そして今日上映する作品のうち、2本目は 皆さんと一緒に観ようと思っています。全6作品ありますが、各々作品のテイストも異なると思います。また、観る方の中には、この頃の小津さんを知らない方もいると思いますが、とても瑞々しく、若々しい作品です。僕なんかは、かなり老獪になりましたが、若い人がたくさん監督を務めており、とても面白い企画だと思いますので、ぜひ他の作品も観てください。まずは、今日これからの上映を楽しんでください。よろしくお願いします。

公式

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東京国際映画祭 登壇 文字起こし記事

第1話は人情喜劇「出来ごころ」を実力派映画監督・城定秀夫&主演・田中圭でおくる。
 日本を代表する映画監督・小津安二郎。「小津調」と称される独特かつ唯一無二の映像世界で数々の作品を生み出し、没後60年となる今もなお国内外問わず高い評価を受け“世界のOZU”と敬愛される存在だ。1903年12月12日の生誕から120年を迎えたことを記念し、この度、WOWOWにて「連続ドラマW OZU ~小津安二郎が描いた物語~」と題して、小津がメガホンをとった初期サイレント映画群のドラマリメイクが決定!オムニバスドラマ形式で、現代設定に置き換え、カラーかつトーキー(発声)で蘇る。
 全54作品ある小津作品の中でも『東京物語』や『晩春』など後期に手掛けた代表作に注目されることが多いが、今回のドラマリメイクでスポットライトを当てるのは映画監督人生の原点ともいえる初期サイレント映画群。今までフォーカスされることが少なかった初期作品を通して小津安二郎の知られざる一面を垣間見ることができるとともに、現代でも色褪せない普遍性を持ちあわせた物語をこの機会に新たな視点でお楽しみいただきたい。なお、作品・スタッフ・キャスト情報等は今後順次解禁予定につき、続報をお待ちください。

<第一話「出来ごころ」>
 第1話としてドラマリメイクする作品は、 90年前に公開され、1933年のキネマ旬報ベスト・テン第1位を獲得した小津安二郎監督の人情喜劇『出来ごころ』。喜八という庶民の生活を描いた〝喜八もの〟シリーズの第一作で、下町の軽妙なユーモアと人情を描いた傑作。喜八のキャラクターは、後の「寅さんシリーズ」をはじめとする松竹大船調の原点とも言われる。
 本作の脚本・監督は、デビューから100本以上の作品を手掛けた実力派監督・城定秀夫。昨年だけでも『愛なのに』、『女子高生に殺されたい』、『ビリーバーズ』、『夜、鳥たちが啼く』など話題作を立て続けに公開し、今最も勢いのある監督だ。
 主人公・喜八役を演じるのは、城定監督と『女子高生に殺されたい』以来のタッグを組む、田中圭。妻と別れ息子の富夫と二人で暮らしながらも、酒や博打に夢中になってしまうダメ親父・喜八を演じる。喜八の相棒で同じ工場に勤める次郎役には、渡邊圭祐。富夫の面倒をみる優しさをもっているが、女性が大の苦手。その次郎に想いを寄せる春江役を白石聖が演じる。喜八たちが暮らす町に流れてきた春江は、喜八の通う食堂で働くことになる。喜八の息子・富夫役は、森優理斗。自由奔放な父親とは対照的に学校の成績も良く利口な小学生。喜八たち工員が通う食堂の店主・おとめ役を渡辺真起子。職を探していた春江を雇うなど気立てがいい女性を演じる。その他、長田成哉、行平あい佳、駒木根隆介、北村優衣、笠兼三、カトウシンスケ、小野了が脇を固める。
 工場に勤務する喜八(田中圭)は、相棒の次郎(渡邊圭祐)の助けを借りながら息子の富夫(森優理斗)と暮らしていたある日、偶然に出会った女性・春江(白石聖)に熱を上げて恋仲になろうと奮闘する。一方、春江は次郎に想いを寄せていて…。

引用元リンク・東京国際映画祭公式


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