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尾崎豊展

はるばる大阪まで尾崎豊展に見に行ってきた。

https://ozaki30.exhibit.jp/

尾崎豊は私の高校生時代そのものである。
彼の生前をよく知らなかった私は、お亡くなりになったとズームイン朝で放送されたその日、ちょっとした興味から初めてCDをレンタルしてきて聞き始めた。
女子高生だった私はすぐに積まれたタイヤの上で夢中になった。
その頃勉強に追われていたし、親は支配的で、夢を持つな、安定した職業につけ、うそをつくなと言われ育てられた。いつもいつも逃げ出したかった。静かな見た目の私には似合わないと意外と驚かれることも多かったが、結局は私の性分ね。当時好きだった曲は「優しい陽射し」。聞くたびにそっと涙がこぼれ落ちるから。

彼の母校の青学は私の通っていた高校に比較的近い場所にあった。なのでそのころは学校が終わると毎日外苑前から渋谷まで歩き、途中の東邦生命ビル(現クロスタワー)で、歩道橋の上振り返り焼けつくような夕陽に、向かって十七歳の地図を歌った。
今でも一人でカラオケに行ってオザカラ(入っている尾崎の曲を全曲入れて一晩中一人で歌い続ける)をする。

そんな30年来の思い出を胸に展示を見ていたら、しょっぱなから涙が止まらなくなってしまった。
頭がよくて才能が有って、その上がむしゃらに一生懸命で優しくて、なおかつ10代らしいとんでもなくやんちゃな面もある。大人の言うことを聞きたくないと歌うけど、本当によく大人のいうことを聞いている。10代中盤過ぎで殺人的スケージュールのツアーをこなしている。うちの息子のほんの何歳か年上である。
20歳を過ぎてからのプロデューサーの須藤さんへの手紙も本当によかった。リクルートの汚職事件の話を語る、なんともかっこつけた文体。
とにかく愛しかない。

会場内にはライブ映像がたくさん流れていた。歌がうまいとかそんな簡単な言葉ではいえない誰にも出せない声だと思う。そもそも顔面がよすぎる。
26年間の強烈な光に照射され、私は頭が真っ白になった。

彼が生きていたらどんな世界だったのだろうと考えることは、本当に不毛だ。
だけど突出した才能ゆえの若さの苦しみに開放された後を見たい人生だったなあと思うよ。

私は音声ガイドを購入しました。「I love you」3公演聞き比べとか聞けたので、ファンなら購入するとよいと思います。


そもそもこの展示があることを知ったのはシンガーソングライターの大石昌良さんがご自身の「弾き語りラボ」というYouTubeチャンネルの配信で尾崎豊展で発売される公式ガイドブックに寄稿している、というお話をされていたから。

ガイドブック買いました。
私は尾崎ファンですが、今は大石昌良さんのファンをしています。
大石さんは長い時間をかけ、地道にみんなが楽しくなるように、それが自分に戻ってくる日の為に、努力を決して怠らない人。その姿に心を打たれ、尊敬をしています。

「今日の尾崎豊が仕事につながった話」をした時の配信。

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