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ユーカレイリーとインポッシブル迷宮

元レア社スタッフが集うPlaytonic Gamesの新作ユーカレイリーとインポッシブル迷宮をクリアしました。このユーカレイリーというゲームは、かつてドンキーコングやバンジョーを制作した方々による作品のため、いたるところにレア社のエッセンスが盛り込まれています。それは世界観、音楽、グラフィック、キャラクター同士の会話などなど…過去にレア社のゲームを触れてきたゲーマーには間違いなく楽しめるシリーズとなっています。

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ユーカレイリーシリーズはこれで2作目ですが、前作と大幅にゲーム性が変わっています。
大きな変更点として前作は箱庭型の3Dアクションでしたが、今作は2D横スクロールアクションとなった事です。またステージクリア型となっているため、限られた時間の中でも効率よく遊ぶことができます。さらに後で詳しく述べますが、ゲーム性や操作感はスーパーファミコンで発売されたスーパードンキーコングシリーズを彷彿とさせます。横スクロールアクションとなったことでゲームとしてはシンプルになりましたが、昨今の2Dマリオシリーズなどに比べると難易度は高いです。昔ながらの歯ごたえのあるアクションゲームが体験できます。

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今作の良い点としては
・Playtonic Games特有の世界観
・プレイヤーを飽きさせない工夫や収集要素
・2Dアクションゲームとしての抜群の操作感
上記3点が特に私が感じた部分でした。

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まず一つ目「Playtonic Games特有の世界観」
これは前作にも共通して言える点なのですが、いってしまえば強烈なほど「レア社」感がこれでもかと詰め込まれています。それは奇妙なキャラクターであったり、メタネタ・ブラックジョーク・前作ネタなどの発言、ヘンテコな世界観と調和する良質な音楽・細かい部分だとゲーム内のフォントなど、N64世代のプレイヤーは新作ながらどこか懐かしいような感覚に陥ること請け合いでしょう。デザインなどはあまり日本向けではないため、好みが分かれるところですが、私はバンジョーを彷彿とさせるこの世界観は大好きです。

二つ目が「プレイヤーを飽きさせない工夫や収集要素」
今作はメインワールドに本が点在しており、その本の中に入ることでステージが始まります。全部で20冊(20ステージ)存在しますが、本の外のメインワールドで謎解きをすることで、本に対してなんらかのアクションが起こります。それは大量の魚を本の中に入れたり、水に浸かったを本を凍らせたりなどなど…このアクションによりステージが一変、ギミックや進行方向が変わったりします。これにより一つの本で2ステージ楽しめるものとなっています。
さらに面白いのは、ラストステージに最初からいつでも挑戦できる点です。最終ステージは、本当に難しく、とにかく長いです。しかし各地のステージをクリアし、まもりバチを手に入れることで、ラストステージでのダメージを一回無効にできます。なのでまもりバチを集めれば集めるほどラストステージが易しくなる…というわけでもなく、私は40匹まもりバチを集めて挑戦しましたが、40回ダメージをくらい全てのまもりバチを消費した上でかなりギリギリの状態でクリアしました。それほどラストステージは難しいです。いつでも何回でも挑戦できるので、自分の腕と相談の上、よりまもりバチが少ない状態で挑戦するのも面白いでしょう。まもりバチの消費が少ないほどアクションゲームとしての腕前を誇示でき、周りにマウントが取れるはずです…
また収集要素として、トニックというアイテムがあります。
このアイテムを使うことで、ステージ内でのユーカとレイリーのアクションをパワーアップさせたり、スキンのようにキャラクターの見た目やステージに視覚効果を与えたりできます。

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ゲームボーイのような画面だったり…

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ゲームボーイカラーのような画面…

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これはユーカとレイリーにN64ポリゴンと顔デカスキンを適用したものです。この予想もつかないトニックの効果がとてもワクワクし、面白かったです。

最後に「2Dアクションゲームとしての抜群の操作感」
この記事の最初にスーパードンキーコング(SDKと省略します)に似ていると記述しましたが、本当にその通りで、自分が求めていた2Dアクションの操作感はまさにこのゲームでした。2Dドンキーシリーズとして、Wiiでドンキーコングリターンズ、WiiU・Switchでトロピカルフリーズとありましたが、どちらもスピード感のある2Dアクションでしたが、なんとなくやっぱりSFC時代とは違うな~と思っていました。今後SDKのような操作感のゲームはでないと思っていましたが、今作に関しては予想外の操作性で感動してしまいました。ここでSDKシリーズとの操作感の類似点を2つ挙げていきます。

・Yボタンによるローリングダッシュ
SDKシリーズにも同様のアクションがあります。敵が複数並んでいるところにローリングダッシュで突っ込むとスピードを上げながら敵を一掃できるところも一緒です。またSDKシリーズと同じように崖でローリング後、空中でジャンプできるのが自分は嬉しかったです。

・水中での動作スピード
あたりまえですが2Dアクションゲームではだいたいキャラクターの動作スピードは落ちます。しかし今作またSDKシリーズは水中の動作も結構速いです。水中ステージ特有のゆったり感みたいのはあまりないですが、個人的にはこのスピード感が大好きです。

SDKシリーズの類似点は操作感だけではありません。
ステージギミックなどにも見られます。

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まるでとげとげタルめいろのようなステージや…

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既視感のあるボーナスステージのようなエリアもあります。
他にもハチミツの壁に張り付くステージなども存在し、遊んでいて、あ!これって…!みたいな気づきが本当に多いゲームでした。

今作は他人に薦めできる一本であることは間違いありません。ただ難易度も高く、世界観も独特なため、もしかしたら好き嫌い別れるかもしれませんが、2Dアクションゲームとしての完成度は間違いなく高いと思います。
特に長々と記述した、操作感に関してはぜひドンキーシリーズを過去に遊んでいたプレイヤーに味わってもらいたいです。絶対にすんなり入っていけると思います。そして改めて思ったのは2Dアクションは手触りが命だなとしみじみ感じました。

スマブラのバンジョー参戦の熱をすこしでもぜひPlaytonic Games・ユーカレイリーシリーズに向けてもらえると私は嬉しいです。今後の続編にも期待しています。みんなも買おう。

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