Weekly R-style Magazine 「読む・書く・考えるの探求」 2018/01/01 第377号

あけまして、おめでとうございます。

1月1日。新年を飾る一発目にふさわしい配信日ですね。

元日と言えば、世間一般ではお休みの日でしょうが、18歳のころからコンビニ業界で働いてきた私にとっては、ごく普通の稼働日です。通常営業日です。むしろ人手不足なので、高確率で出勤している日です。休みなんて、関係ありません。ありませんとも!(迫真)。

と、ご覧のように体調は徐々に復帰しつつあります。昨日は夕食を作れるようになりました。今日は結構な量の原稿を書いています。このまま平常状態に戻れたら良いのですが、まだたまに咳をするので油断大敵ですね。

ともかく、今年一年もよろしくお願いいたします。

あと、1/1は「のきばトーク」の新年一発目も放送予定です。普段は後からご覧になっている方も、リアルタイムで視聴するチャンスですね(特にメリットがあるわけではありませんが)。

◇のきばトーク66 - のきばトーク - Scrapbox
https://scrapbox.io/nokibatalk/%E3%81%AE%E3%81%8D%E3%81%B0%E3%83%88%E3%83%BC%E3%82%AF66

放送は14:00からの予定で、URLは@rashita2か@nokibaがTwitterのタイムラインに流すと思いますのでそちらをチェックしてみてください。

〜〜〜Webスライド+リスト〜〜〜

12月30日の朝、ふと「そうだ、年次レビューのトリガーリストを記事にアップしよう」と思い立ちました。リストを記事にするだけなら簡単ですし、他にやらなければならないこともたくさんあるので、お茶を濁す系記事としては悪くないでしょう。

と、リストを書き下ろしていると、さらにふと思いつきました。「これは、過剰だ」

どう考えても、リストの項目数が多いのです。多すぎるのです。で、そういうリスト系の記事は、「へぇ〜、面白そう。後でやってみるか」とWebクリップされたり、はてなブックマークされたり、「後で読む」に送られたりするのですが、たいていはそのまま放置されます。

やはり、数が多すぎるリストは着手する気にはなりくいものです。そこで「スライド」にしてみました。

◇年次レビュー
http://honkure.net/list/review_year/index.html#slide=1

もうこのあたりで、「リスト書くだけならすぐに記事アップできるだろう」目論見は物の見事に崩れ去っているわけですが気にしてはいけません。日常茶飯事です。

ちなみに、スライドページ作りに使用したのは、「WebSlides」というHTMLテンプレートです。

◇WebSlides: Create Beautiful HTML Presentations
https://webslides.tv/

上記のサイトからファイルをダウンロードし、index.htmlの中身をトリガーリストに差し替えて、サーバーにアップロード。これで完了です。簡単ですね。たったこれだけで、なかなか見栄えの良いスライドサイトができるのですから、驚きでもあります。

で、このスライド形式であれば、一つのビューで目に入るのが一つの質問だけなので、一列に並べたリストのような「過剰感」がありません。一問、一問、問いに向き合うことができます。レビューにおいて大切なのは、そのような心の平安さです。

というわけで、もし年次レビューをまだ実施されていない方は、上記の質問を参考にしてみてください。

と、ここまで書いてみて、質問を提示するだけでなく、その答えの入力ができるサイトを作ってもいいかもしれないな、というアイデアを思いつきました。次々にテキストで入力していけば、最後にエクスポートしやすい形でまとめて表示してくれ、ユーザーはそれを好みの場所にペーストする、といった使い方ができるサイトです。

面白そうですね。ちょっと、アイデアメモに入れておきましょう。

〜〜〜リストサイト〜〜〜

上に関係する話ですが、今漠然と考えているアイデアがありまして、それが「多くの人が使っている自前のリストを共有するサイトがあったら面白いのではないか」というものです。

ライフハックや仕事術に興味を持っている人ならば、何かしらのリスト(チェックリスト・トリガーリスト)を使用されているでしょうし、リストに書き下ろすことはなくても、あるプロセスを一定の手順で処理している人は多いでしょう。それを「文章」の形でなく、「リスト」の形で共有したら、いろいろな広がりがありそうです。

で、なぜ「文章」ではなく「リスト」の形なのかと言えば、その方がすばやく情報摂取できるし、アレンジもしやすいから、ということもあるのですが、別の見方もあります。

次は、『知的生産の技術』からの引用です。

 >> 現代人によってかかれている文章の大部分は、じつは文芸的文章でもなく、ビジネス的文章でもない。いわば、ただの文章である。しいていえば、単なる知的文章、記述的文章とでもいえるだろうか。そういうものが、今日の「情報」の大部分をしめているのである <<
 >> 今日、すべての人にとって必要な、知的生産のための基礎技術としての文章は、ひとに感動をあたえるような、技術的な文章ではない。ものごとと、思想とを、まちがいなく、わかりやすく、ひとに伝達できるような、機能的な文章なのである。 <<

この「機能的な文章」を、ラディカルに、究極的に突き詰めると「リスト」になるのではないかと想像します。なぜかと言えば、リスト(箇条書きリスト)を書く際には、言い回しやリズムや表現の冗長性といったもの考える必要がないからです(むろん、考えたって構いませんが)。つまり、伝達すべきメッセージに意識をフォーカスできます。

むろん、そうすると切り取られたり、そぎ落とされてしまう部分が大量に出てくるので、コミュニケーションすべてがリストでOKとはまったく思いませんが、「ノウハウを共有する」ことを一番シンプルに突き詰めれば、それは「リストの共有」という形が、一番抵抗が低い予感があります。

むろん、リストでノウハウを共有して、その下で文章で補足を入れる、という形はありでしょう。それはプログラミング技術のノウハウが、コードの共有+補足の文章情報で構成されている、というのとまったく同じです。

ともあれ、実際にそういうサイトを作るのかどうかはわかりませんが、「リスト」が持つ可能性については改めて考えてみたいところです。

〜〜〜忘却のベルトコンベア〜〜〜

年次レビューをしようとして痛感するのですが、昔のことをまったく覚えていません。手帳やカレンダーがなければ、11月に何があったのかを思い出すのすら難しくあります。というか、先週買った本や読んだ本ですら、メディアマーカーをチェックしないと思い出せません。

むろん、カレンダーやメディアマーカーを見れば、実行したことや買った本の名前は思い出せます。その意味で、記憶が消失してしまったわけではありません。ただ、記憶を引っ張り出すためのとっかかりが、脳内から綺麗さっぱり消え去っています。

シャーロック・ホームズは、余計なことを覚えないように努力している、とたしか言っていましたが、私はそんな努力などまったくせずに、綺麗さっぱり忘れています。出来事というものは、ベルトコンベアに乗って運ばれ、消失という名の廃棄物入れに放り込まれるのです。

あるいは私は、カレンダーやメディアマーカーやEvernoteに記録を残していて、いつでもそれが取り出せる安心感があるから、それを綺麗さっぱり忘れているのかもしれません。こればかりは実験してみる気にもなれませんが、そういうことは一応起こりえそうな気がします。

ともあれ、だいたい私の脳内は、そのとき興味あることと、その周辺情報やアイデアで溢れかえっています。昔の記憶が入り込む余地は、ほとんどありません。それでも、たまに妻から「この人、なんでこんなことも覚えていないの?」という不審な目で見られること以外のデメリットは特にないので、気にしないようにしています。

〜〜〜Christmas Story〜〜〜

今年のクリスマスも、R-styleにChristmas Storyをアップできました。

◇Rashita’s Christmas Story 9 – R-style
https://rashita.net/blog/?p=23587

ナンバリングが9ということは、9年目ということですね。9年。結構長く続けてきました。

たしか去年は執筆にめちゃくちゃ苦労した記憶があるのですが、今年は割合すんなり書けました。そして、珍しくSF風味ではなく、普通の(というと定義が難しいですが)小説っぽい仕上がりです。

私は書き始める前に、本当に何も決めないので(それはつまりSFにするとか、小説風にするとかを決めないということです)、出来上がってみるまでどんな作品になるのかはまったくわからないのですが、今回はスラスラと筆が進んで、こんな形に着地しました。

さすがに一日で書いてその日にアップしたので文章は粗いところがたくさんありますが、それでもこぢんまりと暖かくまとまった印象があります。

長く続けていると文章が上達するのかはわかりませんが、それでも引き出しが増えることは多分にありそうです。それはちょっと、嬉しいことでもあります。

〜〜〜Q〜〜〜

さて、新年一発目のQ(キュー)とまいりましょう。一番わかりやすく、率直な質問でスタートするとします。

Q. 今年の目標は何ですか?

それでは、メルマガ本編を始めましょう。

当メルマガは、普段、アラカルト形式(別名幕の内弁当形式)でお送りしていますが、12月からこちらにかけては、特別号でお送りしてきました。今回もそれに引き続き年始特別号として「目標」について書いてみます。

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2018/01/01 第377号の目次
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○目標について
 ■その0:目標の基本
 ■その1:目標をどのように設定するのか
 ■その2:目標の粒度
 ■その3:設定した目標をどう管理するのか
 ■コラム:倉下の環境
 ■まとめ

※質問、ツッコミ、要望、etc.お待ちしております。

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