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今日からはじめる「ロギング仕事術」

もしあなたが働きはじめたばかりなら、「ロギング仕事術」をお勧めします。

ロギング仕事術とは、以下の本で提案している仕事の進め方で、

一言でまとめるなら「仕事をしながら、記録をとる」というシンプルな仕事術です。

今回は、そのロギング仕事術のエッセンスをご紹介します。

準備

ロギング仕事術をはじめるにあたって準備するのは、ただ一つ。「書くもの」です。

紙の手帳やノートでも構いませんし、パソコンなどでメモを取れるツールでも構いません。書こうと思ったときにさっと書けるツールを選んでください。やることは非常に単純なので高機能なツールは不要です。

ここではそうしたツールを総称して「ノート」と呼んでおきます。

何かしらそのノートを準備したらそれでOKです。そのノートを手元に置きながら仕事を進めましょう。

やること1:やったことを書く

ロギング仕事術は「ログ」を取りながら仕事を進めます。ログ(Log)とは記録のこと。仕事において、一番身近な記録は「作業でやったこと」でしょう。その記録を残しながら、作業を進めていきます。

具体的には、

  • 何か作業をする

  • 作業が一区切りついたらそのログを書き残す

  • 何をやったか・どんな課題があったか・次はどうしたいか、などを書く

あたりを押さえればよいでしょう。

ポイントは、次から次に作業に手をつけるのではなく、一つの作業が終わったら少し立ち止まり自分が今何をやったのかを振り返ってから、次の作業に着手することです。そんな風に作業にリズムをつけると、仕事に追われている感覚がかなり薄れます。

もちろん、どうしてもそんな時間が取れないときは書けなくても構いません。作業を優先しましょう。それ以外のときは、できるだけ意識的に作業に区切りを入れ、ログを書き残すことをお勧めします。

やること2:やろうとしていることを書く

作業と作業に区切りの感覚をつける点で言うと、「これからやろうとしていること」を書くのも有効です。たとえば「これからnote用の記事を書く」などと書くわけですね。

「やったことを書く」ならば日記・日誌的な価値はすぐに理解されるかと思いますが、こちらの場合は「どうせ今からやるんだし、そんなことわざわざ書くなんて面倒だ」と思われるでしょう。その気持ちはよくわかります。

しかし、「これからやろうとしていること」を書かないで作業に着手してしまうと、途中で自分が何をやろうとしているのかがわからなくなり、脱線の森の中に入ってしまうことが珍しくありません。なんとなく「雰囲気」で作業をはじめてしまうと、そういう脱線が起こりやすいものです。

逆に「これからやろうとしていること」を書くと、今の自分がやっている作業との「差分」が取れ、脱線かどうかがはっきりします。それに気付けば脱線から復帰することも不可能ではありません(絶対可能とはまでは言いませんが)。

別の言い方をすると、「これからやろうとしていること」を書くことは、「これからやろうとしていること」を決めることでもあります。そうやって、決めておくと作業の迷いが減ってくるので便利です。

以下は、私の実際の作業記録の例です。

どうでしょうか。たいした記述ではありませんね。みっちり詰まってもいないし、デザイン的にキレイでもありません。高機能なツールが不要というのはこういう意味です。

文章を書けさえすればそれでログは残せます。そして、そうしてログを残すことをしていると、作業の進め方の意識が変わってきます。

その変化がロギング仕事術の最大の効用です。

やること3:「今日やること」を決める

「これからやろうとしていること」は、作業の直近に書くものですが、それを拡大して一日の最初に「今日やること」を決めておくのも有用です。

同様に以下が実際の私の例です。

ノートツールの中には、チェックボックスを付与できるリッチなものもありますが、こうして記号を使うだけでも「チェックボックス」っぽいことは実現できます。終わったら[ ] の中に、xを書き込めば終了扱い、ということです。

こうしたやり方は、一般的に「タスクリスト」と呼ばれており、この場合は今日一日のやることだけを扱うので「デイリータスクリスト」と呼ぶのがふさわしいでしょう。

このデイリータスクリストは、一般的に(過去の記録ではなく)「未来」の情報として扱われることが多いのですが、ロギング仕事術では「今日の朝に、これをやると決めた」という一つの決定のログとして扱っています。

未来を制約するためのリストではなく、単に「朝の自分はこう考えていたな」という記録なので、この通りにいかなくても問題ありません。必要に応じて調整したり、並び替えたり、今日はやらないと決めてOKです。

もしその日にできなかったことがあっても問題ありません。次の日にこの「デイリータスクリスト」を見返せば、どんな作業を終えていて、どんな作業が残っているのかが一目瞭然です。そして、たいていのことはそんな風に昨日のリストをチェックすれば事足ります。大げさなデータベースは不要です。

さいごに

やることはこれだけなので、シンプルなツールで問題なくこなせます。もちろん、デジタルツールを使えば便利なことはいっぱいありますが、アナログツールだって不足はありません。

たとえば、ノートパッドやリーガルパッドはデイリータスクリストを作るのに向いています。「やったこと」を細かく記述していきたいなら、ページ数の多い大学ノートなどを選ぶのもよいでしょう(その際は机のサイズと相談してください)。

デジタルツールであれば、「テキストエディタ」と呼ばれるツール全般ならなんでも問題ありません。OSに標準に備わっているメモ帳なども便利です。また、「アウトライナー」と呼ばれる情報の組み換えが得意なツールを使えばリストの管理が簡単にできます。なんだったらWordとかExcelを使うことも可能です。

こんな感じで、シンプルなロギング仕事術はツールに制約されませんし、どんなログを残していくのかも個人の好みに合わせてカスタマイズできます。重要なのは、ただ作業するのではなく、作業しながら記録を残すこと。

これを意識するだけで、界王拳3倍とかギア4とかのスペックが出ます(当社比)。ぜひ実際の仕事でも実践してみてください。

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