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第六回:情報整理の具体的な中身/その2

前回は、以下の4つのうち最初の二つについて検討した。

・スケジュール(排他性)
・Todo(優先順位)
・資料(適宜参照)
・アイデア(?)

今回は残りの二つを検討しよう。

資料(適宜参照)

資料は、比較的簡単である。上記4つのうちで一番簡単かもしれない。

もう一度復習しておこう。情報整理とは、「情報を適切に配置し、必要に応じて取り出せるようにする」ことだ。資料に関しての情報整理とは、「その資料を参照したくなったときに、見つけられるようにしておくこと」である。

もしその「参照したいタイミング」が具体的な日時としてわかっているならスケジュールに紐付けておけばいい(デジタルツールなら簡単だ)。あるいは、「企画書を作るとき」など何かしらの動作とセットになっているなら、そのTodoとセットにしておけばいい(デジタルツールなら簡単だ)。

では、そうでない場合はどうだろうか。「これについては資料を保存してあるぞ」と思いついたとき、その「これ」を鍵にして探せるようにすればいい。たとえば「知的生産活動については資料を保存してあるぞ」と思いついたら、「知的生産活動」を鍵にして情報を探す。

その場合、大きく二つの道のりがある。一つはカテゴリー。もう一つは(全文)検索。

前者については、図書分類法を思い浮かべればいいだろう。頭の中に思いつく「これ」を複数個、ツリー型で並べておくのだ。あとは、「これ」に向かってそのツリーを辿っていけばいい。

ただしこの場合、自分がそのツリーの全体像を把握していないと探すのは困難になる。要素の数が10個程度ならば余裕だろうが、1000個の要素をツリー型で「整理」しているときは、かなりのハードモードになるだろう。

一方で後者はもっと簡単だ。「知的生産活動」でキーワード検索をかける。すると、その情報を保存してある場所にアクセスできる。デジタルツールでないと実現はできないが、これが実現できるとツリーの全体像を把握していなくても情報にたどり着けるという点で、より大がかりな情報倉庫を持つことができる、というメリットがある。

ちなみに、ハイブリッドとしてツリー型を作り、それを検索でも探す、ということができる。普段はツリーで探しつつ、それで見つからないものは検索で、というやり方だ。デジタル系のツールならば、そういう使い方をしている人も多いだろう。

もう一点付け加えれば、上記のキーワード検索は「資料の中の情報」すべてを含んでいる。そうすると、キーワードがあまりに一般的な言葉の場合は、情報が「見つかりすぎる」ことがある(アナログではなかった悩みだ)。そうしたときは、より絞り込んだ検索を使うことになる。たとえば、情報をとりまとめているフォルダ(的なもの)から探すとか、ファイルのタイトルから探すとか、そういう絞り込みである。

さらに、絞り込み要素としてのメタ情報をあらかじめ添付しておく方法もある。ラベルやタグと呼ばれる機能がそれだ。これらをうまく使うことで、100や1000ではなく1万や10万の単位でも情報を保存しておき、それを「必要に応じて取り出せるようにする」ことは、原理上は可能になる。

ただし、その情報を取り出そうとしているときに、自分がどんな「これ」(キーワードのこと)を思い浮かべるのかが見定まっていないと、こうした検索はうまくいかない。その場合は、小さい規模のツリーからはじめてみるのもよいだろう。

アイデア(?)

最後に「アイデア」である。

アイデアは難しい。この中で一番難しいかもしれない。なんといっても、アイデアとは何なのかを定義することすら困難だからだ。

強いて言えば、上記に挙げた3つに収まらない何か、ということまでは言えるが、それ以上は難しい。スケジュールでもないし、ToDoでもないし、資料でもない、そんな情報。頭の中に浮かんできた、何かしらに役立ちそうな、しかし具体的に何に役立つのか(使えるのか)がその時点では明白ではない情報。とりあえず、そうしたものの総称を「アイデア」としよう。

その「アイデア」は、定義からいって、逆算的な「整理」ができない。つまり「こう使われるだろうか、このように準備しておこう」という段取りが通じないのである。

はっきりいって厄介者だ。こういう整理を考えるくらいなら、全部無視しちゃってもよいだろう。アイデアがなくても生きていくことはできる……という割り切りができない人間が一定する存在する(私もその一人だ)。

だからここは腰を据えて検討することにしよう。

(つづく)

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