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倉下忠憲について

くらしたただのり、と読みます。

わりと珍しい名字なのでエゴサ負けはあまりしません。ただ真ん中に「た」が連続するのが玉に瑕です。あと、いかにも遵法精神に溢れた名前の漢字ですが、実際はルールを見るたびにどうやったらそれを出し抜けるかを考える癖があります。たぶん、多湖輝さんの『頭の体操』シリーズの影響でしょう。あるいは麻雀とかMagic the Gatheringの影響かもしれません。ともかく、アウトロー精神でいっぱいです。

今は物書きの仕事をしています。2010年頃から始めました。どこかの組織に属することなく、フリーランスで物書きをしています。それ以前は、コンビニ店長をしていました。オーナー(経営者)ではなく、雇われ店長です。

10年くらいはコンビニ業界にいたのですが、なんやかんやあって、物書きにジョブチェンジしました。具体的に言えば、ブログを書いていたら執筆のオファーがあって、それなりに売れたっぽいので、えいやっとそれを仕事にしたという感じです。大暴投ですね。よくまあ、うちの配偶者が快く認めてくれたと今でも感心します。僕みたいなアウトロー精神に満ち溢れた人間と一緒に生活するのはさぞかし心労が多いだろうと心配になりますが、今のところは円満な夫婦生活を十数年続けています。

昔の物書きさんだと、たとえば雑誌で連載して、それをまとめて単行本にする、みたいな流れが一般的だったのではないかと思いますが、私が物書きになった頃には、もう雑誌の売上げ不振の足音が聞こえており、そもそも京都住まいなので、そういう編集者・出版社さんの知り合いも増えず、連載の機会をほとんど持たないままでやってきました。

Web(というかブログ)が主戦場であり、書き下ろしの単行本を合間合間に出版していく。そういうスタイルです。

でも、さすがにそれでは不安定がすぎますので、有料メルマガも運営しています。私の収入源の中で、唯一「来月入ってくるお金が計算できる」ものです。人生における収入と精神の安定性には、少なからずの相関があるのではないかと思うのですが、やはり定期収入があるというのはよいものです。そう考えると、組織に勤めることって、本当に素晴らしいことだなと思います。じゃあ、やるかと言われれば、ノンと紅茶を飲みながら首を横に振るわけですが。

途中、Amazonさんが電子書籍に注力し始め、日本でもKindleがオープンし、個人でも出版できるKDPシステムが始まったので、その波に乗って私もセルフパブリッシングでたくさんの本を作ってきました。もともと、一匹狼というか、他人と協調性がとれない人間なので、なんでもひとりで完結するというのは心地よいものです。非常に楽しい仕事と言えます。

ただ、そうして本作りを重ねてみた結果、「一人でできることには限界がある」ということも痛烈に感じました。日本の市場に出てくる本は、やっぱり複数の「プロの手」の仕事なのです。クオリティーはかなりすごいんです。それがせいぜい1000円〜2000円くらいで買えるんだから、もうほんと天国みたいなものです。そういうことは、実際にひとりで本を作ってみて痛切に感じました。

その辺の限界性もあったので、「まったくの個人でもなく、かといって組織的なものではない、複数人での協業」という形の模索として、雑誌「かーそる」を立ち上げました。知的生産の技術をテーマにした、完全にニッチな雑誌です。これはもう、ほんとうに面白い雑誌に仕上がっていて、ひとりの限界性を改めて確認した次第であります。

というわけで、まあ、ぐたぐたといろいろ書いてきたわけですが、基本的には、物書きを仕事にしております。

もろもろの仕事については、以下のポートフォリオを、

倉下忠憲のポートフォリオ

書籍関係の仕事については、Amazonの著者ページをご覧ください。


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