見出し画像

2019年の倉下の振り返り/(おまけ)レビューの視角

Weekly R-style Magazine ~読む・書く・考えるの探求~2019/12/30 第481号

はじめに

はじめましての方、はじめまして。毎度おなじみの方、ありがとうございます。

いよいよ年末です。今年最後のメルマガ配信となりました。

皆様の仕事は無事納まったでしょうか。私はコンビニ時代も、物書き時代も、仕事納めをしたことがないので、あまり気分的なことはわかりませんが、年末年始を心穏やかに過ごすためには必要なことなのだと推測します。

皆様の仕事が無事納っていることをお祈りします。

〜〜〜WorkFlowy→Scrapbox〜〜〜

最近、WorkFlowyを普段使いしているので、閃めいたことがあります。思いついたことはまずWorkFlowyに書きつけておき、それが育ったらScrapboxにペーストする、というやり方です。

現状、Scrapboxの供養祭ページには、独立して切り出せていない記述が大量にあるので、その部分をWorkFlowyに担当させ、Scrapboxをもっと身軽にしよう、という作戦だったのですが、結局うまくいきませんでした。問題はペーストです。

WorkFlowyの項目を下位階層込みでコピーし、それをScrapboxに貼り付けると、とんでもないマージンが入り込みます。一応それを整形するためのUserScriptも書いたのですが(以下)、焼け石に水でした

項目ひとつくらいなら上記で簡単に対応できますが、5つ、6つになってくると面倒で仕方ありません。なにせ、マージンつきでペーストされた行で改行すると、そのマージンが引き継がれるので、そこにペーストするとさらにマージンが深まります。つまり、とりあえずペーストしておいて、あとからUserScriptを一度だけ発動させて整形する、ができないのです。

一応、ペーストした行から二回改行をすればマージンは元に戻りますが、今度は後から空改行を取り除く作業が発生します。これも結局は手間です。

と、ここまで書いて気がついたのですが、上のUserScriptでマージンを詰めるだけでなく、空改行があればそれを取り除くという処理を加えれば万事解決なのではないでしょうか。

なぜそんなことに気がつかなかったのか今びっくりしていますが、おそらくこうして誰かに問題を説明しようとすることに、視点を変える効果があるのでしょう。

というわけで、一度そのUserScriptを書いてみた上で、もう一度WorkFlowyからScrapboxの移動を試してみます。

〜〜〜クリスマスストーリー〜〜〜

音信不通ならぬ更新不通になりつつR-styleですが、なんとか今年もRashita’s Christmas Storyをアップできました。

完全にライトノベルというか、ソードアート・オンライ○ですが、その辺は気にしないようにしましょう。出来不出来にかかわらず、アップし続けることに意義がある──はずです。

最初はfinalventさんが極東ブログでやられていることの物真似としてはじめたわけですが、なんとなく自分の中で「大切な仕事」になっています。来年以降も、できれば書き続けていきたいところです。

〜〜〜今週見つけた本〜〜〜

今週見つけた本を三冊紹介します。

増補改訂版でないバージョンを読みましたが、非常に面白い本です。物流で使われているコンテナが、いかにして物流・産業・世界を変えていったのか。その視点は、インターネットがいかに世界を変えようとしているのか、という視点とも重なります。

ミシェル・ウエルベックの作品はいつも刺激的であり、挑戦的です。内容紹介の
「巨大生化学メーカーを退職した若い男が、遺伝子組換えや、過去の女性たちへの呪詛や悔恨を織り交ぜて語る現代社会への深い絶望」だけではどんなストーリーなのかはまったくわかりませんが、この著者の作品はいつだって手を伸ばしてみるだけの価値を持ちます。

いいですね。こういうタイトル大好きです。AIが高度化するにしたがって、人間のアイデンティティーが揺らぎつつある、みたいな話はよくみかけますが、ロボットSFの歴史を振り返りながら、人類のこれからを考える新書というのはなかなか珍しいと思います。

〜〜〜Q〜〜〜

さて、今週のQ(キュー)です。正解のない問いかけなので、頭のストレッチ代わりにでも考えてみてください。

Q. 今年一年はどうでしたか? と質問されたときに、どんな項目から振り返りますか?

では、本編をスタートしましょう。今回は年末特別号ということで、二つのコンテンツでお送りします。一つは、私の今年の振り返りについて。もう一つは、振り返り時の視点についてです。後者は「おまけ」的なコンテンツですが、自分で行う振り返りの際に参考にしていただければと思います。

――――――――――――――――
2019/12/30 第481号の目次
――――――――――――――――

○「2019年の倉下の振り返り」

○(おまけ)「レビューの視角」

※質問、ツッコミ、要望、etc.お待ちしております。

画像1

○「2019年の倉下の振り返り」

さて、2019年の振り返りです。私の仕事は物書きなので、物書き関係のイベントから振り返っていきましょう。

■出版活動

〜〜〜2月〜〜〜

2019年2月には、『「やること地獄」を終わらせるタスク管理「超」入門』(以下やるおわ)を星海社新書から出版しました。私にとってはじめての新書であり、タスク管理系書籍としても新しいアプローチの本だったと言えるでしょう。

個人的には、まずこの本で用語を整理したのち、より大きな枠組みでタスク管理の話を展開する、という段取りがあったのですが、思うようには進んでいません。今後の課題です。

また、この本の中核は「用語集」になっているので、それをほとんどそのままScrapboxプロジェクト「タスク管理のScrapbox」の中に移植しました。

これで、「やるおわ」の用語集だけを読みたい人であれば、無料で確認可能です。さらに、用語同士は互いに関連しあっているのでScrapboxのリンクがうまく機能しますし、すでにこのプロジェクトに存在していた知見ともリンクが生まれます。非常に良好です。

私は、「俺のメソッドが最高! 皆に伝えねば!!」みたいなスタンスで執筆活動を行っているわけではありません。むしろ、それぞれの人が自分なりのタスク管理システムを作り上げる手助けをしたいと考えています。なので、その「入門編」は無料で確認できるくらいがちょうど良いと考えています。

もちろん、本を買っていただかないと執筆業を続けていくのは難しくなるので、それはそれとして本の販促活動は必要なわけですが。

〜〜〜5月〜〜〜

出版が超絶遅れていた「かーそる」の第三号を5月に発売することができました。一仕事を終えた、という感触です。

遅れてしまったのは、私が「かーそる」プロジェクトにあまり時間を使えていなかったためなのですが、残念ながら同じ状況は現在も続いています。よって、第四号の発売も、もうしばらくはかかることでしょう。

内容的に、一部の人にのみ好まれている雑誌だと思いますが、今後は書き手の門戸を開いて、「知的生産のコンテンツが読める面白い雑誌」という立ち位置を確立できたらな、と考えています。

〜〜〜通年〜〜〜

上の二つのプロジェクトが終わって、ようやく停滞していた『僕らの生存戦略』に取り掛かろうと思っていましたが、思うような進捗は得られませんでした。残念と言えば残念ですが、別にさぼっていたわけではないので、ある程度は仕方がないでしょう。

現状『僕らの生存戦略』は第一章の荒稿ができているところで、それをざくっと削ってスリムにするのが次の仕事です。それが終わったら第二章の荒稿を書き上げ、第三章、第四章と続けていけたら、いつかは完成に至れます。そう考えて、気長に、地道に、ゆっくりと進んでいくしかありません。

とりあえず、タスクリスト上だけでなく、私のメンタル的にもずいぶん「重し」になっているので、なんとか片付けたいところです。

■継続的パブリッシング

上記のような「成果物」を出版する以外のパブリッシング、つまりブログやメルマガについても振り返ります。

まず、R-styleのテーマを変更しました。そして、Home画面の上部にまとめ記事を配置するようにしました。大量に存在する記事の中から、読者さんの興味を惹きそうなシリーズを配置しておき、そこからブログ内を巡回してもらう、という意図です。

最初は、このコンセプトをかなり評価していたのですが、モバイルで閲覧すると、非常に邪魔だと気がついてから考えを改めました。来年にはもう一度テーマを変更するかもしれません。

また、ながらく継続していたブログの毎日更新を10月17日からストップしました。あくまで「休止」なので、いずれ復活させる予定ですが、今のところは更新できる余力がある日に更新する、という形になっています。というか、それが普通の更新ですよね。それまでが(若干)異常だったわけで。

とは言え、本当に長い間毎日更新してきたので、更新しないと気持ち悪さというか、心残りというか、残尿感ならぬ残アウトプット感があります。ぜひとも毎日更新とまではいかなくても、一週間に3〜4回の更新くらいまで復帰できればと思います。

あと、継続的アウトプットで言えば、このメルマガはほぼ毎週配信できました。極めて短い回もありましたが、なんとか継続できてよかったです。今後も同様に頑張っていきます。

■ポッドキャスト

同じパブリッシングでも、文章ではなく、音声でのパブリッシングも今年スタートしました。

今年の3月から始めて、現状、第19回まで配信できています(本当はまぼろしの第20回があったのですが、録音ミスでお蔵入りとなりました)。

文章を書いてアウトプットするのが難しくても、音声であればなんとかやれます。また、うちあわせCastは対談がメインなので、ひとりにこもりがちな自分の思考を揺さぶる(≒シェイクする)のにもぴったりです。

始める前でも、「こういうことをやったらきっと面白いだろう」と考えていましたが、実際にやってみたら、それ以上の面白さや有用性が確認できました。来年以降も続けていきたいですし、ゲストの幅も広げていけたらなと考えています。

一方で、もう一つ「こういうことをやったらきっと面白いだろう」と考えていたYoutubeによる書評動画はまったく手付かずのままでした。アイデア自体はあるのですが、ポッドキャストに比べて準備しなければならないことが多く、うまく実行に移せていない状況です。

別に有名Youtuberになりたいわけではありませんが、知的生産系動画コンテンツが増えるのはきっと楽しいので、なんとかやりくりして取り組んでみたいところです。
*とは言え、優先順位はあくまで低めです。

■イベント・セミナー

続いて、イベントやセミナー活動について。

今年は、ほとんどまったく動けていませんでした。唯一は一月に名古屋で開催された「Scrapbox情報整理術 活用セミナー」に講師として参加したことくらいです。

やろうと思えば、関西でもセミナーはできると思うのですが、優先順位はYoutubeよりさらに低いので、来年以降も似たような状況が続くかもしれません。

■健康面

さて、仕事周りの振り返りが終わったので、続いて健康面です。

今年の仕事の進捗があまり芳しくなかったのは、ひとえに体調不良のせいです。自律神経を一度やってしまうと、なかなか治りづらいとは聞いてはいましたが、実際にその通りでした。

一時は復調し、やるおわも書き上げ、かーそるも出版できて、さていよいよ『僕らの生存戦略』に取り掛かろうと思っていたら、腰痛と坐骨神経痛が襲ってきて、そのまま自律神経も悪くして、メンタルにまで影響が出てきました。

一時期はけっこうやばい淵を覗いていましたが(その辺でブログの毎日更新をやめにした)、現状はメンタルの方はずいぶん回復して、腰痛と坐骨神経痛もある程度坐り仕事ができるくらいに緩和してきています。痛み自体はまだ抜けていませんが、ときどきは執筆に集中して、痛みがあることを忘れられるほどの軽度にはなっています。もうちょっとしたら完全回復する、といいなと思いながら日々を送っている今日この頃です。

体に関しては、フリーランスになって以来ほとんどケアしてこなかったのでまったくもって自業自得でしょう。39歳になるまで言い訳程度の運動しかしてこなかったので、どこかの時点でコンビニ店長時代の健康貯金を使い切ってしまったのだと思います。ツケというのは、どこかで支払わなければならないものなのです。

現状は毎日のウォーキングとストレッチを絶やさないようにしています。週に三度は自重筋トレもやっています。なかなか健康的な生活です。

おそらくこの習慣は、40歳以降の人生において大きな価値を持ってきそうな予感があります。そういうことに早めに気がつけたのは、不幸中の幸いと言えるかもしれません。

とりあえずは、気持ちを焦らせることなく、健康的な生活を自前のものにして、その結果として、体調がよくなればなと考えています。

■まとめ

というわけで、私の今年一年を振り返ってみました。

正直なところ、この振り返り作業を行うまでは、「ほとんど何もできない一年だった」が今年の感触でした。おかげで「体調不良で、何もできない自分」という陰鬱なセルフイメージが出来上がりかかっていました。

しかし、1年分の記録を振り返ってみたところ、ちょこちょこいろいろなことができていたのがわかりました。もちろん十分に満足いく結果だとはとても言えませんが、自分ができる範囲内で、それなりに活動できていたのでしょう。セルフイメージにも、変更が迫られます。

ちなみに、私の毎年の最低限目標は、「今年一年をなんとか生き延びる」なので、それは達成できました。多分それだけで満足してもよいのでしょう。欲をいえばキリがありません。

もう一つ「ちなみに」を重ねておくと、上記の振り返りは、R-styleの一年分の記事一覧見返すことで実施しました。やはり記録は役立ちますし、ブログも役立ちます。

皆さんも、ぜひ自分の活動をどこかに書き留めておいてください。セルフイメージの修正に貢献してくれるはずです。

ここから先は

1,310字 / 2画像 / 1ファイル

¥ 180

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?