見出し画像

第二十二回:変幻自在のTextbox

前回の続きでTextboxについて語ろう。

Textboxは、単なるビュアーである。リンク記法などにアレンジは加えているが、それでもマークダウンファイルを閲覧できるだけのツールであることは間違いない。

しかし、特筆すべきことはある。それがページの多様性だ。

ご覧のようにさまざまなスタイル・フォーマットのページがある。これらはすべて個別にCSSが定義されている。ここがポイントなのだ。

ノートツールでも統一的スタイルを変更できるものは多いが、しかしそれはツール全般に渡っての変更となる。一度変更すれば、すべてのノートがそのスタイルに統一されてしまう。逆に、個別のフォーマットの変更は、他のノートには影響を与えない。その上、ちまちまと一つひとつフォーマットを指定してまわる必要がある。

しかし考えてみて欲しい。何かしらのリストと、カレンダーと、メモはまったく同じスタイルで良いのだろうか。手帳だって、各種ページごとに文字サイズなどは変わっている。機能に合わせてスタイルが選択されている。

だったらデジタルツールでも同じことができた方がいいのではないか。というか、それができることがデジタルツールの真骨頂なのではないか。そんなことを考えて実装したのがこのTextboxである。

よってこのツールではそれぞれのページが独自のCSSを持つ。そのページの内容に合ったスタイルを自分で構築していけるわけだ。

スクリプトも

個別に定義されるのはスタイルだけではない。スクリプトも個別に定義できる。この場合のスクリプトとはJavaScriptのことで、それぞれのページが「自分が呼び出されたときだけに動くスクリプト」を持つことができる。

あるページでは見出しをダブルクリックしたら中身が展開するかもしれないし、別のページでは他のページの内容を読み込むボタンがついているかもしれない。どんな形になるのかは、私(つまり、現時点の私)には想像もつかない。必要に応じて、そのときどきの自分がスクリプトを書いていけばいいだけである。

他のマークダウンビュアーとの一番の違いはここだろう。CSSまではできてもScriptまでは読み込めない。読み込めるにしても、拡張機能の形で全体に読み込まれる。ここまで個別に対応していることは稀だろう。

自作ツールのプラットフォーム

というわけで、HTML+CSS+JavaScriptで実装できる簡易ツールであればこのTextbox上にページを作ればOK、という環境ができ上がっている。何か思いついたちょっとしたアイデアがあれば、それを書いてTextboxで読み込めばいい。すごく簡単だ。

これまでもたびたび小さな自作ツールを作ってきたが、それぞれは違うURL下に配置され、てんでばらばらな状態に置かれていた。そのせいで、似たものを何度も作ったこともある。現状は、それが緩やかに統合されようとしている。

もちろん、情報そのものはマークダウンファイルであり、つまりはテキストファイルである。私のような日曜大工プログラマーでも操作可能な対象だ。そこから何が導かれるのかと言えば、Textbox外とも接続(I/O)できる、という大きな話だ。

たとえばTextboxとは別に毎日の作業記録をテキストファイルで残している。そのファイルをスクリプトで処理することで、ログ情報をこのTextboxに取り込むことができる。逆に、このTextboxにためた情報を、たとえばメールすることで自分自身にリマインドすることもできる。情報の利用方法が格段に広がるわけである。

上記の話は別段Textboxに限ったものではない。いわゆるプログラミング言語を初歩の初歩レベルで扱えるならば、どのパソコン環境でもだいたい実現できる話である。

「かゆいところに手が届く」ツールは好ましいが、どこがかゆいのかを一番知っているのは自分自身である。その意味で、自分で「孫の手」が作れるなら、それにこしたことはないだろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?