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第二十二回:Textboxという自作ビュアー

「情報環境においてテキストファイルを扱っている」という話をする際に、どうしても避けては通れないのがTextboxである。完全に自作のツールなのだが、自分の情報環境においては重要な位置を占めている。

とは言え、大げさなツールではない。Webブラウザで使える「mdファイルビュアー」というのがその役割である。

画面構成

Textboxは、基本的に二つの領域で構成されている。

一つは上部のボタン領域で、もう一つは下部のビュアー領域である。上部のボタンを押すと、対応するmdファイルが下部に表示される。ただそれだけである。

ボタンを押さなくても、command + ←,→でフォーカスが移動するようになっている。簡単に言えば、ページを「めくれる」ようになっているわけだ。

リンク

このTextboxでは、リンクに特殊な加工がしてある。[[ページ名]]と記述しておくことで、それがページ呼び出しのコマンドとして機能するのだ。言い換えれば、Textbox内の [[ページ名]] という記述は上部のボタンとまったく同じ働きをする。

単純なHTMLだと、リンクはリンク先のURLとリンク名を両方記述しなければいけないわけだが、さすがにそれは面倒だ。単純にファイル名だけ記述すればOKとしたかった。簡単に言えば、ScrapboxやObsidianと同じような動作にしたかったわけである。そこで、そういう動きができるようになっている。

この機能のおかげで、あるファイルから別のファイルへの動線を作るのがたやすくなった。実に重要なポイントである。

直接召喚

ボタンとリンク(実際は同じ機能)以外に、もう一つページを呼び出す方法がある。それが直接召喚だ。

「ページ呼び出し」ページ(ややこしい名前だ)にあるテキストボックスに呼び出したいファイル名を入力すれば、即座にそのページが表示される。簡単だ。

また、このページ呼び出しは「新規ページの作成」の役割も担っている。たとえば「明日は晴れるかな」というページを新しく作りたくなったら、このテキストボックスに明日は晴れるかな」と入力すればいい。そうすれば「そんなページはありまへんで、作りまっか?」と聞いてくるのでボタンを押せばページが作成され、対応するファイルがVS Codeで開くようになっている(*)。
*この機能のために、Textboxはローカルサーバで動かしている。

簡単に言えば、Scrapboxの検索ボックスのパクリである。あれが実に便利なので、そのまま拝借させていただいた。

複数のルートから

というわけで、Textboxでは、特定のファイルを表示させるルートは3つある。

まず、ボタンだ。これは基本的に画面上部にpinされている。いつもよく使う(あるいは目に入れたい)ファイルがここに置かれる。ショートカットキーでの移動もできるのでそれらのファイルを「めくる」こともできる。

次に、リンク。これは呼び出したページの中に設置される「ボタン」である。このリンクがあるおかげで、すべてのファイルについてボタンを設置しなくてもよくなる。たとえば、「2022年4月の読んだ本リスト」というボタンを設置しておいて、その「2022年4月の読んだ本リスト」の中に「2022年3月の読んだ本リスト」へのリンクを記述しておけば、「2022年3月の読んだ本リスト」のボタンは不要になる、といったことだ。関連性を辿っていくことで、ボタンは必要最低限のものだけで済む。そういう形になっている。

また、そうしたリンクを辿っていかなくても、直接その「名前」が思い出せるならそれを入力して表示させることもできる。たまの頻度で利用する、印象の強いファイル名であればこちらの方が早いだろう。

このようにTextboxは、最近の情報ツールの思想・機能を参照しつつ、自分なりの情報整理体形を作り上げることができている。もちろん、それ以外にもいくつか重要なポイントがあるので、それは次回語るとしよう。

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