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Weekly R-style Magazine 「読む・書く・考えるの探求」 2017/12/11 第374号

はじめに

はじめましての方、はじめまして。毎度おなじみの方、ありがとうございます。

12月1日以降、アドベントカレンダーが目につくようになりました。本来アドベントカレンダーとは、

 アドベントカレンダー (Advent calendar) は、クリスマスまでの期間に日数を数えるために使用されるカレンダーである。待降節の期間(イエス・キリストの降誕を待ち望む期間)に窓を毎日ひとつずつ開けていくカレンダーである。すべての窓を開け終わるとクリスマスを迎えたことになる。
 by Wikipeda

のことなのですが、IT界隈ではこれを転用して、「一日一つミニtipsを紹介していくイベント」として親しまれています。

私が見かけたのは、次の二つのカレンダーです。

◇Mac初心者が成長するためのぼっち Advent Calendar 2017 | Adventar
https://adventar.org/calendars/2812

◇文系のためのMarkdown入門(ひとり) Advent Calendar 2017 | Adventar
https://adventar.org/calendars/2528

これらをみて、「へえ、面白そうじゃん」と思ってしまいました。本来こうしたものはきちんと事前に準備を整えてやるものなのでしょうが、もうそう思ってしまった段階で、見切り発車電車の警笛が鳴り響きます。

というわけで、以下のカレンダーを作りました。

◇よく使っている文房具を紹介しまくる Advent Calendar 2017 | Adventar
https://adventar.org/calendars/2716

使い方は簡単です。事前にカレンダーの日付を押さえておき、その日になったら自分のブログに記事を書いて、そのURLをカレンダーに登録する。異常です。

というわけで、他に参加者がまったくいなければ、自分ですべて埋める意気込みで始めておりますが、さすがに本当に一人というのは厳しいので、もしご興味あればご参加ください。非常に短い記事でOKです。

〜〜〜盲点の盲点〜〜〜

基本的に、何かを思いついたら、その考えに反証をぶつけるようにしています。一番最初の思いつきを、そのまま「これが正しい」とは思い込まないようにしている、ということですね。

人間の能力や思考力は限られています。最初に思いついた考えが、いかに正しいように思えたとしても、実際は検討してない要素がたくさんあるでしょう。鉄を鍛えるときに、それを叩くように、考えも叩いて強くしていかなければなりません。

とは言え、です。

情報に対する情報がメタ情報として存在するように、盲点に対する盲点もメタ盲点として存在します。

「自分がどのような盲点を持っているか」という理解についても、やっぱり盲点があるのです。だから、どれだけ自分ひとりで反証を思い浮かべたとしても、やっぱり足りない部分が出てきます。

その意味で、他の人の存在はたいへんありがたいものです。鉄の強度をさらに上げるためには、欠かせない存在と言えるかもしれません。

だからこそ、傾聴が大切となります。真摯な心で、耳を傾けること。それがなければ、どこまでいっても思い込みの庭から抜け出ることはできそうもありません。

〜〜〜原稿を持ち運ぶツール〜〜〜

普段は、ほぼ100%MacBook Airで文章を書いています。

が、ほんのときどき、ごくごくたまぁ〜に、iPhoneで原稿を触りたいときもやってきます。しかも、Scrivenerに入れて「さあ、後は構造化だけだぞ」というタイミングではなく、もっとラフな未完成の状態です。

これまでそうした原稿はUlyssesに入れていたのですが、最近使うのを止めてしまいました。では、どこで管理するか。

普通に考えれば、Dropboxにテキストファイルを置いておけば簡単です。でも、最近使い始めたScrapboxもクラウドツールなので、原稿を「持ち運ぶ」用途に使えます。しかも私はできるだけテキストファイルを作りたくないというマインドセットで動いていますので、Scrapboxはその用途にピッタリです。

しかしながら、Scrapboxは「文章を書くためのツール」という感覚があまり強く沸いてきません。別に長文が書けないわけではないのですが、なんとなく機運が、気分が高まらないのです。その点で、今のところは若干Dropboxが優勢です。

さて、どうなることでしょうか。実験 goes on.です。

〜〜〜こじらせといたわり〜〜〜

多かれ少なかれ、若い頃には「こじらせて」しまうものです。不良に走ったり、文学少年を気取ったり、勝手な哲学を論じてみたり……。

「こじらせる」という言い方からわかる通り、そこには「社会から期待されている良好な人間関係性からはずれてしまう」というややネガティブなニュアンスがあるわけですが、若気の至りなのだからそこは大目に見た方がよいでしょう。

しかし、その「こじらせる」では、勝手気ままな空回りというよりも、ネジをぐりぐりと回して、どんどん進んでいき、みっちり板にはまってしまうような状況が起こりがちです。周りの人間と疎遠になるだけでなく、むしろ強い拒絶をもたらしてしまうのです。

あまりにもかたくはまってしまえば、大人になってもその影響が残ってしまうので、その点が厄介とは言えるでしょう。

とは言え、人生では不意に大きな出来事が起こり、ネジがはまっている板そのものがバキッと割られて開放される、ということも起こります。面白いものです。

〜〜〜追いつかない精神年齢〜〜〜

ほんと〜〜〜〜に不思議なのですけれども、昔から実年齢より上に思われていました。顔の見えないインターネットだと特にそうです。

20代の半ばくらいから30代後半くらいに思われていることが多く、すごく好意的に解釈すれば「落ち着いている」ということになりますが、逆に見れば「おっさんくさい」というわけで、複雑な心境が胸に宿ります。

しかし、徐々に実年齢を重ねるうちに精神年齢に追いついて、いずれそのギャップはなくなるのではないかと思っていたところ、たまたまタイムラインで見かけた「精神年齢鑑定」を実施してみると、結果は47歳という、実年齢+10歳という結果に。

追いついていません。というか、一緒に歩いています。

こうやって、徐々に精神だけが老成というか、老衰していくのでしょう……。

〜〜〜ある種のコツ〜〜〜

その1. どう進めばよいのかは全然わからなくても、そっちに行ってはダメという感覚は大切にする。

その2. 他の人と組んで仕事をする場合は、できるだけ得意領域が異なる人と組むのが望ましいけれども、基本的な価値観が異なる人とは組まない方がよい。

〜〜〜エディティングが立ち上げるもの〜〜〜

まったくもって、個人的な感覚なのですが、エンピツで何かを書くときと、ボールペンで何かを書くときには、出てくる文章が違うように感じます。もちろん、万年筆で書くときも、そこには差異があります。

でも、まだそれは小さい差異で、仮にこれが手書きとキーボードのタイプならば、その差異はもっと強く出てきます。同じようにiPhoneに向かってしゃべりかけながら書く文章も、キーボードでしたためる文章とは、文体的な違いが生じます。

さらにそれを拡張させて、「思ったこと」を筆記できるようなツールが生まれたとしたらどうでしょうか。そのような思念筆記は綴られる文章にどのような変化をもたらすでしょうか。

あるいは、本当に「思ったこと」が記述されるなら、それはもうぜんぜん「読めない文章」になるかもしれません。思考の脈絡のなさは、みなさんが体験しているとおりです。

手書きで書く文章でも、それがいわゆるフリーライティングと呼ばれる行為な場合、あまり「読める文章」にはなりません。推敲して整えていくことが必要です。

そこで、私はちょっと考えます。ナマのコンテンツ(内容)ではなく、それを整えようと編集していくときに、立ち上がるものがあり、それこそが「価値」なのではないか、と。

これは本編にも関係する話が出てきますので、そちらも合わせてどうぞ。

〜〜〜Q〜〜〜

さて、今週のQ(キュー)です。正解のない単なる問いかけなので、脳のストレッチ代わりでも考えてみてください。

Q. 自分が悩んでいるな〜、と感じたときの対処法はありますか?

では、メルマガ本編をスタートしましょう。

今週も再び年末特別号ということで、「情報とその扱い」についてのコンテンツ特集となります。

もしかしたら、年末年始にかけて情報環境を整備しようと考えておられる方もいらっしゃるかもしれません。参考にしていただければ幸いです。

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2017/12/11 第374号の目次
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○物書く姿勢 「同じことを何度も書く」

○新しい知的生産の技術 「Evernoteと、その他のツールの使い方」

○エッセンシャルEvernote「Evernote、Scrapbox化奮闘記」

○情報調理の作法 「二つの状態」

※質問、ツッコミ、要望、etc.お待ちしております。

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