簡易タスク管理システム on WorkFlowy その2
前回:
中心となるのは「今日やること」である。ここに今日やろうと思っていることを書き込む。
ただし、デイリータスクリストのように「やること」のすべてを列挙したりはしない。つまり、ルーチンやらプロジェクトやらからやってくるタスクをみっちり詰めて、「これさえやれば間違いなし」みたいなリストは作らない。そういうリストは体調不良の(特にメンタルヘルスが低下している状況の)私には重すぎる。
だから朝の段階で、「これは、これだけはやらないと」と思ったものを書く。その際、他の項目を参照して回ったりはしない。単にその日、頭に思いついたことを書くだけ。
そうすると、当然のようにモレが出てくる。「それがどうした?」 この割り切りがここでは重要だ。人生はタスクを達成するために生きるにあらず。あとで不都合を被ろうが、あとで不利益がやってこようが、知ったことではない。今の自分が、たとえ杖を突きながらであっても、よろよろと前に進むことが大切なのであって、誰かとタイムを競っているわけではない。だから、細かいモレがあっても、気にしないようにする。ストレスフリーの極地、水のような心などどうでもいい。気になることがいくらあろうとも、とりあえず目の前の作業に取りかかることが不調時には肝要である。
実行済み
タスクが終了したら、command + return(Mac)で実行済みにする。でもって、その項目を下の方に追いやる。ショートカットー(shift + command + ↓)を使えば簡単だ。
一日が終わったら、それらの実行済みタスクをまとめて大項目「今週やったこと」に移動する。とは言え、大げさな操作はいらない。なにせ直下の項目なので、項目を下に追いやる操作でそのまま「今日やること」から「今週やったこと」に移動できる。
とは言え、ここも綿密さは必要ない。実行し終えてもしばらく同じ場所に位置しているタスクもあるし、移動するついでにそのまま「今日やること」から「今週やったこと」に移動させるタスクもある。That’s 気分次第。
別に自分だけが使うシステムなのだから、細かい実装はだいたいで十分だろう。細かいルールにこだわりはじめると、メンタル的にしんどくなってくる。だいたいでいいし、だいたいがいいかもしれない。
未実行
当然のように、「今日やること」がすべて達成できるとは限らない。本当に最低限のことだけを書いたとしても、やっぱり未達はやってくる。それが不調時というものだ。その扱いはどうするのか、という前に、そうやって残っていること自体を気にしないのが大切だ。できなくて、当たり前なのである。
「今日やること」という項目名は、実際は「今の自分が今日やることと決めたこと」である。それは意見の表明でしかない。よく議論の作法などで、「事実と意見を分けましょう」などとよく言われるが、タスク管理においてもこれは大切だ。「今日やること」は意見であって、事実ではない。事実とは、今日の私が実際にできる行動量のことである。
体が元気なときは、「意見」に合わせて「事実」を変えていける。あるいは寄せていける。これは「理想」と「現実」という言い方で再構築しても同じことだろう。しかし、体が元気でないときは、それは非常に難しくなる。「意見」からみれば、そうとうな取りこぼしが発生する。「それがどうした?」の精神はここでも大切だ。議論がそうであるように、「意見」はいつだって変えて構わない。むしろ議論を通して変化する意見は、以前のバージョンよりも豊かであることが珍しくない。
私がわざわざ「意見」と「事実」という言い方をしているのは──つまり「理想」と「現実」という言い方をメインで採用しなかったのは──、それを変えることに肯定的な感触を持ってもらいたいからだ。「やろう」と思ったことができなくたって構わない。構わないというか、それがスタートラインなのだ。
※それがスタートラインでないならば、あなたはいったいどこからスタートしようとしているのだろうか。あなたは神か預言者なのだろうか。
よって、「今日やること」の中に未実行のタスクがあったり、今日やる気がなくなったものがあったら、颯爽と何の罪悪感も持たずに上にある大項目「気になっていること」に移動させてしまう。〈気になっていること〉。未実行タスクを格納する場所としては最適なネーミングだろう。
これもまた移動は簡単だ。マウスを使わなくても、ショートカットー(shift + command + ↑)でちょちょいのちょいである。
さいごに
このように、「今日やること」を実行の中心として、実行済みのものは下に移動させ、先送りのものは上に移動させる。そういう操作でタスクを管理していくのが、この簡易タスク管理システム(略称が欲しいですね)のコアである。
もちろん、これだけで終わりではない。一日だけのタスク管理ならこれでも十分だが、タスク管理は継続的に行われる。タスク管理 goes on.よってその他の項目についても引き続き紹介していく。
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