褌祝い

「褌祝い」
古来、主に西日本において庶民の行っていた元服の儀、それが「褌祝い」である。
ある年齢に達した男の子が一人前の男になった証拠として初めて褌を着けることを許されたのである。
その褌を渡す女性が初めての相手となるしきたりが多く、中には母親や親族の女性が渡す村もあった。
そして女の子には髪結いに相当する「ゆもじ祝い」という装飾された腰巻を着ける儀式があったそうだ。
何を持って一人前の男になったと判断するかは村々で違った。
そして中には非常に厳しい決まりを設けた村もあったようだ…。

(R-18G小説・性的描写、去勢シーンあり)

ここ六寸村では、庄屋権兵衛の六男、六平太が村の友達とともに褌祝いを迎えようとしていた。
明日の褌祝いを前に庭でそわそわする六平太を元気づけようと、幼馴染のお仙が屋敷を訪ねてきた。

「六平太さん居る?」
「な、何しに来たんやお仙。褌祝いは明日やで?」
「ウチもゆもじ祝いの前の日落ち着かへんかったから、励ましに来たんや」
「俺は男やから、何も心配いらん……大丈夫や!」
「そう? 六平太さんは強いんやなぁ」

すでにゆもじ祝いを済ませたお仙は、女らしく美しくも可愛らしい表情で微笑みながら六平太を励ます。
二人が居る屋敷の広い庭には、明日の褌祝いの儀式に使われる道具が用意されていた。
村の刀鍛冶がギロチンの刃の錆を落とし磨き上げている、その刃の輝きが眩かった。
西洋のギロチンに箱が付いた様な奇妙奇天烈なこの道具は、古今東西この六寸村にしかないと言う。

「あれが小さいち……ちんぽを切るんやな……六平太さんのは大丈夫?」
「俺はもう子供やないからちんぽやないマラや! 心配せんでも大丈夫や!」
「あのな……ウチが六平太さんに褌を渡す役に決まったんや……ヤーッ、恥ずかしいわー」
「ほ、ホンマに?」
「うん、ウチが六平太さんの初めての相手や……」
「そ、そうか……よ、よろしゅう頼むわ。」
「うん、六平太さんの褌姿、早う見てみたいわー」
「おう! 褌は男の証や! 立派な褌姿見せてやる!」

二人は少し間を縮めながら、互いに真っ赤な顔をして俯いた。
そしてそっと手をつなぎ、明日の契りを夢見ながら奇妙奇天烈なギロチンを眺めていた。

翌日の朝、屋敷の庭は褌祝いに集まった村の衆で大賑わいだった。
今日の褌祝いの主役である六平太と寛太、仙吉は垂れ幕の裏手で、少し青い顔をしながら身支度をしていた。

「なぁ寛太、わしのちんぽは大丈夫やろうか?」
「どうやろうなぁ……俺もあの箱の仕掛けがようわからん」

不安げに話し込む寛太と仙吉に、六平太が口を開いた。

「先々マラが六寸に育たんモノを切る言うとった、。粗末なマラは切らんと六寸村の名が廃る言うとった」
「じゃあいったい、何寸のちんぽやと切られるんや? 」
「それは俺にもわからん、そやけど、ここ何十年も誰も切られとらん言うとったから大丈夫や!」
「そうやな……大丈夫やな」

それぞれが必死にそう自分に言い聞かせた、大事なちんぽ、マラを切られてたまるかと……。
三人は、これから褌を渡す役の女性の手でちんぽを起たせたままにする膏薬をたっぷりと塗りこまれる。

「六平太さん……きゃっ! ち……ちんぽ……」
「お、お仙!」
「その……ち……ちんぽにこれを塗りに」
「お、おう…頼む……」

お仙は恥ずかしそうにしながら持ってきた桶から膏薬を手に取り、それを六平太のちんぽへと塗りこむ。
少しずつ大きくなるちんぽに合わせて両手の平で包み込み、丁寧にちんぽの茎をなぞる。
最初は恥ずかしがっていたお仙だったが、好奇心が膨らみちんぽから目を離さず、一心に手指でその形を確かめる。

「お、お仙! もうちっと優しゅう頼む……耐えられへん……」
「す……すまへん」
「へー、六平太兄ちゃんのちんぽも大きいんやなぁ、でも寛太兄ちゃんには勝てへんわ」

横から寛太の従妹のお菊が冷やかしを入れてきた、とてもゆもじ祝いを済ましたとは思えない無邪気っぷりだ。
お菊は膏薬でベタベタになった手で、寛太のちんぽをおもちゃのように弄り回している。

「こらこら、お兄ちゃんたちを冷やかしたらあかんよ」

仙吉の叔母のお香さんが、無邪気なお菊を窘める。
仙吉は、お香さんのしっとりとした手つきで、念入りに膏薬を塗りこまれている。

「お、お香さん……出ちまう」
「我慢しとくれ、出すのは後でウチの中に……」
「う、うん……」

そうこうしているうちに時間は経ち、いよいよ褌祝いの儀が始まった。
三人は下半身をむき出しにされ、上半身だけ法被を羽織った姿で村の衆の前に出された。
三人のちんぽが村の衆の目に入った瞬間、笑い声と声援が飛び交った。

「おー、頑張れよー!」
「寛太兄ちゃん頑張ってー!」
「仙吉さーん!」
「六平太さん!」

三人のちんぽはそろってピンと上を向き、はち切れそうな勢いで脈打っていた。
子供でも大人でもない、頭が半分出かかったちんぽを披露して三人は顔を真っ赤に染める。
大きさも年の割には大きく、四寸近くあり他の村の男の子では太刀打ちできないであろう。

「まずは寛太、お前からじゃ」

長老の指示で二人の巫女が、寛太をあのギロチンの前へと連れ出す……その傍らでお菊が褌を抱えている。

「寛太兄ちゃん頑張って!」
「ま、まかせとけって」

寛太は意を決して、ギロチンの箱に空いた穴へと大事なちんぽを近づける。
もし膏薬の助けがなければ、恐怖でちんぽは縮んでいるだろう。
寛太のちんぽは隆々としながら、ゆっくりと穴の中へと飲み込まれていった
中からカラカラとカラクリの音が聞こえ、ゆっくりとギロチンの刃が上へと上がる。

「お、おっそろしいのぉ……」
「寛太兄ちゃん……寛太兄ちゃんのちんぽ無くなったらイヤや!」

あまりの恐ろしさに寛太の腰が引け、ちんぽが穴から離れそうになる。

「あきまへん、我慢しとくれ」

そう言いながら二人の巫女が、寛太の尻をギロチンへと押し付ける。
そしてガタン! という激しい音と同時にギロチンの刃が寛太のちんぽに向かって落ちた。

「うわぁっ!」
「イヤやーっ!」

しかし、ギロチンの刃は元の位置で止まっており、寛太のちんぽは無事だった。
冷や汗をたっぷり流しながら寛太とお菊がギロチンから離れると、村の衆が歓声を上げた。

「おーっ! めでたいのー!」
「これで寛太は一人前の男じゃ!」

「ちんぽ無くならなんで良かったわー、寛太兄ちゃん!」
「ああ、ほんまに良かったわ…ふぅ」

寛太とお菊は少しふらつきながら、体を寄せ合ってちんぽの無事を喜んでいた。

「次は仙吉、お前じゃ」

仙吉を連れ出そうとする巫女を避けるように、お香さんが仙吉を連れてギロチンの前に立った。

「仙吉さん、頑張っておくれ」
「うん……お香さん」

お香さんは、仙吉の背中越しに硬く起ち上がったちんぽに右手を添え、そのままゆっくりと穴の中へと導いた。
そして意を決したように、仙吉の後ろから腰を押し付け愛おしいちんぽをギロチンに任せる。
寛太のときと同じようにカラクリがギロチンの刃を持ち上げ、そしてあの瞬間が迫る。

ガタン!

「うわあああっ!」
「仙吉さんっ!」

激しい音と共に落ちたギロチンの刃は止まり、仙吉のちんぽも寛太同様に無事つながっていた。

「お香さんっ!」
「仙吉さん、ほんまよかったわぁ」

感極まった仙吉とお香は、その場で強く抱きしめあい接吻を始めた。
仙吉の起ったちんぽが、お香の腰巻にグイグイと押し付けられる。

「こりゃこりゃ! それはまだ早いわい!」

長老と巫女が慌てて二人をそこから連れ出すと、村の衆がクスクスと気を使うように笑い声を上げていた。

「やれやれじゃの……次は六平太、お前じゃ」

「六平太さん……」
「俺は大丈夫やって、俺が三人じゃ一番でかいマラじゃ!」

確かに六平太のそれは、寛太と仙吉より一回り大きいように見えた、村の衆も歓声を上げる。

「ハッハッハッ大した自信じゃのぉ!」
「まだまだ大きゅうならんと、ウチらには使えへんよー!」
「ちょん切られてわしらに恥をかかすなよーっ!」

村の衆に混ざり六平太の父母、兄弟たちが六平太に激を飛ばす。
勢いづいた六平太は、巫女に連れられる前に自らギロチンの前へと向かう。
垂れ幕の近くの席で、寛太と仙吉が男の証しである褌をキリリと締めて六平太に手を振っている。

「恰好つけやがって……あいつらのちんぽが切られんのに、俺のマラが切られるわけがなかろうが」
「六平太さん……」

少し興奮気味の六平太を、心配そうな表情でお仙が見つめる。

「そんなに心配せんでも大丈夫やって、俺がお前の初めての男になってやるんや!」
「うん、わかってるわ……」
「さぁ! 俺のマラを切れるもんなら切ってみやがれ!」

巫女に尻を押されるまでもなく、自らグイとその隆々としたちんぽを穴へと押し付けた。
お仙はお香のように後ろから六平太を優しく包容すると、その両手をちんぽの付け根へと伸ばす。

「お仙……」
「……」

お仙は無言で六平太の硬く起ち上がったちんぽを擦りはじめる、膏薬を塗りこんだときのように優しくねっとりと手のひらで包み込んだ。

「お仙、あぶねぇから手引っ込めとけ、俺は大丈夫やから」
「…うん」

お仙はそういわれると穴から手を抜き、そっと六平太の腰を抱いた。

「よっしゃ! 来い! 早う済ませてあの褌を締めるんじゃ!」

奇妙奇天烈なギロチンが、またカラカラと音を立て、その刃がゆっくりと持ち上がる。
寛太や仙吉の時と同じように刃が止まるころ、六平太のちんぽに異変が起きた。

「ありゃ? おいおい……ちょっと待てや!」

六平太のちんぽは急に萎えはじめ、すぐに硬さを失っていった。
その状況に六平太の顔は血の気が引き、必死に起たせようとするが全然起たない。
そうこうするうちに六平太のちんぽは完全に下を向き、その頭がカラクリの穴の奥の何かに触れた。

「駄目や! マラが萎えてしもうた!」

慌てて穴からちんぽを抜こうとするが、六平太の腰は後ろに引けない……お仙が後ろから全身の力を込めて押さえている。

「お、お仙! マラが萎えたんや! 手を離すんや!」
「……」
「お……お仙おめえ……」

ガタン! カラクリの音と共にギロチンの刃が六平太の男の証に襲い掛かった。

「駄目やぁああああああっ!」

(ザシュッ!!)

寛太と仙吉のときとは違い、刀が肉を断ち切る音が響いた。

「ぐわぁあああああああっ!」

六平太は大声を上げると、全身をが硬直させながらお仙とともに尻餅をつくように後ろへと倒れた。
その股間にはあの隆々としたちんぽは無くなっていた。
村の衆もそれに気づき、女子衆の悲鳴が響きわたりどよめきが沸き起こる。

「イテェ……畜生……俺のマラを切りやがったな! 畜生……畜生……うっうっ……わぁあああああっ!」

六平太は痛みと怒りに震え怒号を上げた、しかし、やがてその絶望感から赤子のように泣きじゃくった。
村の衆が六平太の周りに集まり手当をする。
そこには大きく赤い断面が覗き見え、六平太が男の証拠であるちんぽときんたまが、完全に失なわれていることがわかる。
巫女たちが念のために用意されていた焼印を断面に押し当てると、六平太はそのまま気を失った……。

「こりゃあ……まさかこんなことになるとは」
「気の毒じゃのお、しかしなんでまた……」

六平太の父、権兵衛が怒りに任せてギロチンを叩き壊そうとしているが、カラクリはビクともせず六平太のちんぽも中から取り出せないようだ。
大騒ぎになっている村の衆を横目に、六平太の兄、五平太にお仙が寄り添う。

「ウチ……六平太さんに酷いことしてもうた……」
「仕方ないんや、こうでもせんとお前と六平太が結ばれてしまうんや……そんなのイヤや!」
「ウチもイヤや……ウチは五平太さんが好きや! でも……ちんぽまで切らへんでも……」
「大丈夫や、あいつがマラを無くしても我が家にはあと五本もマラがあるんや、それにな……」
「それに?」
「母上は、娘が欲しかったんや」

涙を流しながら六平太を抱きかかえる母の表情は、静かに微笑んでいた。
お仙が密かにギロチンの穴で六平太のちんぽを萎えさせる為に塗った秘密の膏薬、それを用意したのは六平太の母だったのだ。
その後、半年ほど町の医者で養生をして、ようやく傷の癒えた六平太が村に帰ってきた。

「庄屋どんに長女ができるとは思わんかったわい」
「めでたいのかのぉ……権兵衛さんも今は喜んどるらしいのぉ、人の心はわからんもんじゃ」
「五平太とお仙にも赤子が出来たしの、お仙も気の毒じゃったがめでたいめでたい」

今日は六寸村のゆもじ祝い。
ゆもじ祝いは男子禁制で、年頃になった少女たちが一糸纏わぬ姿で屋敷の中に集まっている。
その少女たちの中に六平太……いや、お六の姿があった。
ひっそりと佇むその姿からは、あの強気な六平太の面影はすっかり消え去っていた。
まだ少年の面影が残る肉体と、男の証が付いていない股間に少女たちは興味津々だ。
少女たちは代わる代わるそこを覗き込み、ヒソヒソとちんぽときんたまが無いことを嘲笑していた。

「ウチ……綺麗になれるかな?」
「なれるに決まってます……だって私の娘だもの」

ちんぽときんたまを失い、町医者の手によって女のように整えられたお六の股間を母が優しく撫でる。
その傍らで下腹が少し膨らんだお仙が、美しく飾られた腰巻を抱えてニッコリと微笑んでいる。
お六は、お仙からその女の証しである煌びやかな腰巻を受け取った。

「お仙……さん……」

軽く頷いたお六の頬を、大粒の涙がボロボロと伝わり落ち、女の証である腰巻を濡らしていた。

(おわり)