チェリまほ10話と"踏み出す"こと

「ありのままでいたいんだもっと 裸の心で繋がっていたい」「傷つくことよりもずっと 君と分かり合えないほうが怖い」オープニング曲「産声」の歌詞を強く思い返した回でした。

1週間お疲れ様です。毎度毎度この枕で私事をつらつら述べてるのどうでも良すぎて誠に申し訳ないんですけど本当に今師が暴走しててですね、曜日感覚がバグりましてnote書くのに本気で1週間かかっちゃいました。本放送の日に前週の上げてどうしましょうって感じなんですけど、見たときの感想や感じたことを忘れたくないので……一種の記録とも思っているので……最終回とスピンオフまでは走り抜きたいと思っているので……いつものようにカテゴライズすらできてませんが……
兎にも角にも10話です。ワーーーーーッももう10話。早すぎる。



冒頭から盛大にのろけ電話を掛けている柘植。もうお顔がへんにゃり以外の何物でもございません。のろけでも何でも素直に話せる友人がいるのは本気でいいことだと思うのですが対してとりあえず本当に嬉しそうではある安達。
次第に柘植は湊かわいいbotと化し、安達はよかったなbotと化……柘植のへんにゃりも甘々なんですけど流石に安達聞いてる?て思ったら例のコンペのことでいっぱいいっぱいなのでした。

「新たな挑戦は、人を大きくする、頑張れよ安達」さすが柘植先生いいこと言う。やっぱ持つべきものは親友だな~と思った瞬間高らかな脱魔法使い宣言に驚愕する安達。背中を押した友人がいつの間にか何ステップか先に進んでおりました。このシーン柘植の先輩としての助言よりも何よりも最後の「だぁいじょうぶ」の声に笑いがこみ上げ、電話をぶち切る安達で耐えられず吹き出しました。

でもそれもそのはず。
黒沢にコンペに出ることを報告したときのことを思い返す安達。黒沢はとても喜んでくれたし、安達も一歩踏み出せたことに嬉しそう。
更に本気で頑張る、という安達を応援したい黒沢は、邪魔はしたくないとデートの延期を申し出る……言い出したこととはいえ今ちょっと会えなくなるの寂しくなったでしょ安達?
楽しみは後にとっておきたいタイプ、と後押しする黒沢に、じゃあ俺も楽しみに頑張る、と返す安達……2人が眩しい。確かに黒沢の忍耐力7年は伊達じゃない。けど急に押し黙る黒沢になんか様子がアレだな?と気付いてなんだよ~ってなる安達の膨れっ面かわいいが過ぎると思います。黒沢すかさずそこで真顔からの

「お預けされた分ご褒美期待しちゃおっかな~」

7話を思い出しました。安達からも好きだよって言われた帰りのあの猛禽類か捕食動物の視線。こう、毎度黒沢がぐっと攻め込むシーンの圧が回を増すごとに美しいわ艶っぽいわ町田さんがあっぱれ。恋人になって、より確信を持って踏み込んでいる感じがすごい好きです。

安達は柘植のアドバイス以前にもうコンペであっぷあっぷな上、ご褒美発言にまぁそういうことだよな~ってその先を想像して心の準備が……となってたわけですね……
直後の黒沢となら別に、発言で無事ありがとうございましたとなりましたが、でも決心はつかん~いやいや今はコンペに集中~でも集中してこのコンペが終わったら黒沢と????~いや集中出来るかよ~を行ったり来たりする安達。
その先に関しては進むも進まないもお互い次第とは思うのですが、まぁ黒沢のバスローブ姿で姫抱っこ妄想を見ちゃってる訳でそりゃあね……とざわざわしながらオープニング。



さて締め切り3日前、黒沢と藤崎さんにアイデアを聞いてもらう安達。最有力であったらしい「消せるカラフルデコペン」案に賛同してくれる2人……ん?聞いたことあるなそれ?と思ってたら「なんかフッツーすねソレ」と後ろから令和のデキる男六角が音楽もろとも一刀両断する。「ちょっと言い方!」て嗜められてましたけど、正直私もまぁ普通だな?と思っちゃったし、多分藤崎さんも黒沢もそこからひねっていこう、的に思ってたんじゃないかな?
考えすぎるなよ、と言われはしたものの、こういうことじゃないんだよな~~って自室で悩む安達かわいい~~からの背後からおそろのカップ持ってナチュラルに現れる黒沢に腰抜かしました。

アッもう普通にお家行き来してるんだ……ラフな姿も美しいな黒沢……てかパーカー既にお揃いじゃん……エッ柘植の本読んでる……一緒にいられるだけで嬉しい発言に余裕の笑みってすごい成長……休憩しよっかなって隣にちょこんと座るのかわいい……その距離感最高……
このシーン情報量が多くて、色んな思いが走馬灯のように込み上げては走り去って行きました。一個一個書いていくとそれだけで終わりそうな情報量。変に緊張せず自然体で部屋にいる2人がカーテンからの柔らかな光の中甘やかで優しい。このシチュエーションで会話してる映像何時間でも見ていられそうです。定点カメラでもいいです。


現状ちょっと煮詰まってる安達。自分がコンペに挑もうとする姿を見て、六角も頑張ろうとしている。さらには藤崎さんも、あの浦部先輩も応援している。そのことに嬉しさもあるものの、期待に応えられなかったらと思うと不安で、黒沢は完璧ですごいよなぁ、と零す……
この黒沢はすごいなぁ、を黒沢自身がどう思ってきたかというのは7話で我々視聴者には明かされているものの、安達は(そこから救い上げてくれた存在でもあるのに)知らない。どう返すのかなぁと思っていたら、まさかの「ちょっと出掛けない?」

「デートの練習だよ」

私的10話でクリティカルヒットしたワードno.1です。2人にとって”デート”とはさいっこうでかんっぺきでとっくべつな1日を指すので、そうじゃないお出掛けは全部その”練習”。えぇ、何それ素敵……そう言っていっぱいいっぱいになってる恋人(兼同僚)を気分転換に連れ出してあげるの……えぇ、何それ……



やって来たのは特撮の聖地TDCです。ワーーーーーッ遊園地デート!(の練習!)このシーンは基本台本がなかったという風に伺っておりますが、つまり赤楚くんと町田さんの思う”デート(の練習)中の安達と黒沢”の”素”が描かれている訳でして、ここ全編通しておふたりの解釈があまりにも素晴らしくひたすらカワイイ……カワイイ……と呻きながら画面を拝んでおりました。加えてYouTubeで公開された本編未使用の映像集は崇め奉りたいレベルで素晴らしかったです。福利厚生……
”隙あらば携帯で撮ろうとする黒沢”は2話でも9話でも他でも登場してたので説得力がすごいし、相変わらず食べ物を口につけちゃうとか安定の安達すぎる。白馬に乗ってる黒沢はもう王子様然としてるし安達の「カバなんだからやめろよ」は最早何がやめろよなのか分からなくて愛しい。もうなんでもいい。2人が幸せそうにキャッキャしてたらそれでいい。白いご飯いくらでも食べられる。


しかし安達は最後に、乗ってみたかったんだ!って子供みたいにワクワクしながらバイキングに乗り込み、酔ってしまう。楽しかったデート(の練習)をぶち壊してしまったようで落ち込むし、しかも黒沢も心なしか不機嫌に見えて、まさか怒った?とちょっとパニック。「ゴミついてる…………」とちっちゃく言い訳して(かわいい)黒沢に触れることで心の声を聞こうとする。

「何やってんだ、安達がこんな具合悪くなるまで、気付かないで。頑張ってる安達も好きだけど、俺といるときは楽しんで、笑っててもらいたいのに」

怒ってるなんてとんでもない、安達を案じる黒沢の心中。思い返しながらコンペに向けて最後の追い込みをかける安達……
ここで六角がタコパの時言っていた安達の部屋の”文房具がいっぱい”がきちんと分かって、安達は勿論自分の仕事にも好きと誇りを持っているんだろうなとちょっとじんと来ました。その上でステップアップしようとコンペに挑んでいる……踏み出すことってめちゃくちゃ大変だけど、結果はどうあれきっと自分の糧になるだろうなと励まされた気持ちです。



企画開発部に書類を提出して来たらしい安達。ちょうど外回りから帰ってきた黒沢を見つけ、「今日って、空いてる?」と聞く。

「あのさ、で、で……デートの練習しない?」

あのもう”デートの練習”って言葉今からでも流行語大賞入りできないですか???ってリアタイ時本気で思いました。語感が最高です。いじらしいし、かわいいし、付き合いたての気恥ずかしさやときめきみたいなものも全部含んだ最高の言葉だと思います。
ほんとうのデートが終わった後もちょくちょく”練習”と称してキラキラしたお出掛けしててくれ~~幸せそうにキャッキャしててくれ~~


さて、このエピソードですが原作で大好きなところだったので、ドラマで見ることが出来て大感激いたしました。あ、きっと最高だろうな?って思ったら本当に最高でした。
本屋に黒沢を連れてくる安達。お互い大好きな漫画である「ラグナクリムゾン」の新刊発売日。きちんと押さえてる安達えらい。盛り上がってる内容はわからないものの、もうひたすら2人が楽しそう。あと、ついでにそのラグナクリムゾンの横にあなたたちが主人公の漫画が置かれているのですがお気付きではない??「チェリまほ」って言うんですけど……
そして柘植に相談した時の行きつけの居酒屋にも黒沢を連れてくる。こうやって自分のパーソナルスペースに他人を容れるのってちょっと勇気がいるものの、嬉しいよね……とニコニコしていたら、今日出したんだ、とファイルを差し出す安達。コンペ案、無事に完成していました。えっすごい。

「普段口に出せないエールを、同僚に伝える”エールクリップ”……」
「照れくさくてなかなか言えない言葉を、クリップにして、相手に伝えられたらなって」

この”エールクリップ”、”素直に欲しい”と”安達らしい”と”商品になりそう”が見事に表現されていて唸りました。ドラマでこのコンペという話を描くにあたり、”心の声を読む、けれど自分の思いを伝えるのは苦手、な安達が考えた文房具”という劇中劇のような難しい設定のアイテムが出てくることになった訳ですが、あまりにも鮮やかな答え。”カラフルデコペン”にはフツーだなと確かに思いましたが、このクリップは安達のオリジナリティがあるし、使い道も想像できる。ドラマを作る方々はここまで作り込むのですね、感服。

さて、本題に入る安達。黒沢とデート(の練習)をして、大切な人には自分の気持ちをちゃんと伝えないと、と気付いたことを話します。不機嫌そうにも見えた黒沢は”笑ってて欲しいのに無理をさせた”と自分を責めていた、それをこれからは触れて一方的に知るのではなくきちんと向かい合って伝え合いたい。「裸の心で繋がっていたい」……黒沢は大切な人だから……魔法を経て安達の成長が……すごい……

「俺は、黒沢と一緒に楽しいことしたい。俺ばっか楽しませてもらうんじゃなくて、黒沢も楽しくなきゃデートの意味ないと思うし。俺といるときは、黒沢には楽しんで、笑っててもらいたい」

そのための本屋であり、そのための行きつけの居酒屋でした。共通の趣味をきっかけに黒沢の笑顔を引き出そうとした安達。その真摯な思いに、じゃあ俺もちゃんと伝えないとな、と”練習”の前に安達が言った「黒沢は完璧ですごい」という言葉に対する思いを述べていきます。
3話だかでこの作品の真摯さに打たれた話を書いたかと思うのですが、本当にその真摯さがここまでずっと芯として通っていることが素晴らしいと思うし、だからこそ展開や台詞が心に響くのだなと思いました。

黒沢の、昔から”人が自分に何を求めているか”を考えて行動していた、そうすれば本当の自分を見てもらえると思っていた、という下りはもうそのまま7話で語られる黒沢の過去に直結していて胸が苦しい。安達に対しても無意識のうちに”求められていると思っていた黒沢像”=“完璧な自分”を演出してしまっていた、結局気を遣わせてごめんと謝る黒沢。それに対して

「こっちこそずっと甘えっぱなしで……たまには俺にも甘えてよ、完璧な黒沢も好きだけど、俺の前ではもうちょっと肩の力、抜いて欲しい」

これ……完璧じゃない黒沢を見ていいな、て言った7年前そのままなんだ安達……恋人として、甘えてよ、というところが追加されてるけど、昔も今も安達は黒沢自身を見つけてくれるんだ……惚れ直すでしょ……と1人で昇天しかけました。


この後の嫌われたくない、嫌いになんねーよの恐ろしく幸せなやりとりは何度リピート再生しても飽きないです。実際鼻毛が出てようが腹が出てようが安達は黒沢のこと大好きだから心配しないで頂きたい。
お互い自分の前では笑っていて欲しいと思う2人が、それぞれそのために頑張ろうとする黒沢と、そのために安らいで欲しいと思う安達と、っていう……これ以上素敵な関係あるかなぁと見ていてほっと笑顔になりました。


帰り道。話の流れからしてもうすぐ(か今は)12月の模様。付き合って初めてのクリスマスだな、と仰ったところでこれは最終回が12月24日深夜=25日というところに時系列合わせてくるのでは……?とワクワクが止まりません。最終回なのは誠に遺憾なんですけども。
細かいですが手を繋ぐ前に黒沢が左手をきゅっとするのときめきます。もう驚かない程度には手を繋いで歩いていて欲しいなあ、と思ったら

『クリスマスイブは花火デートで最高の初めてにするからな』

ワーーーーーッやっぱり黒沢さんたら張り切ってる!多分花火以外にも用意してる!!

「イブに花火なんてあるんだ」
「えっ」

どこかでこの瞬間がやってくるんだろうなと思っていました。寧ろ今までボロを出さなかったのが偉い。心の声に返事をしてしまうという……私だったらかなり早い時期にやらかしてるよ……
本当はサプライズにしたかった初デートが既に躓いてしまったことに心底がっかりする黒沢。そこで安達も初めて、心の声を聞かれる側のことに思い至る。普通嫌だろうな、と仰いましたが普通に嫌です……。このまま秘密にして付き合ってていいのか?黒沢がこの魔法のことを知ったら、今まで通りではいられない、と怖くなる安達。
遊園地で触れて知った黒沢の心の声は笑っていて欲しい、と自分の気持ちを相手に伝えるきっかけに繋がったのに対し、帰り道で知ってしまった黒沢の心の声は結果相手を悲しがらせ、自分の持つ力の怖さを知るきっかけになるという……このジェットコースターがチェリまほらしくて辛い……


最後、11話の予告を見ながら「傷つくことよりもずっと 君と分かり合えないほうが怖い」という歌詞を強く思い返していました。魔法のことを告げたら、きっとお互い無傷ではいられないしひょっとしたら壊れてしまうかもしれない。でも隠したままにはできない。残り2話、安達の選択を見守りたいと思います。
残り2話、というかその内1話は今日なのですけれど……!!!!