チェリまほ8話と幸福度の最大値

キャパシティ振り切ると何も言えなくなるんだなあ、にんげんだもの

はいろを


相田先生ごめんなさい。いつの間にかメモにこんな言葉が。

1週間お疲れ様でした。今週は供給がすごくて、飽和溶液ってこういうこと……みたいな気持ちになりました。我々の需要もそりゃあ海より広く山より高く、という気概だったんですけどそれを優に超えてきた。
まあ8話の糖度がめちゃめちゃ高かったのもあるんですが、インスタライブとか監督インタビューとか待って待って溺れちゃうんですけどっていう情報量。チェリまほ恐るべし、さすが満足度1位ドラマ……ありがとうございます。


相変わらずのワーーーッを綴りたいと思います。いつもお付き合い感謝いたします。


・安達と黒沢の瞳で交わす幸せが止まらない

冒頭会社にて黒沢に声をかけられ、ビクッてなってる安達。社内恋愛だしとりあえず会社では普段通り過ごそうと頑張っている……つもりなんだろうけど挙動が不審すぎて早々に藤崎さんにバレている。前回速攻バレると思うって書きましたがまじでバレるまで秒でした。なんなら浦部先輩にまで怪しまれる始末。

モーター音が聞こえそうな歩き方で誰もいない社食に辿り着き昨晩のことを思い出す……猛禽類か捕食動物のそれで「それって安達の家に行っていいってこと?」とぐいぐい来られた後が語られますが、黒沢は恋人になったらより持てる全てを使って相手を追い詰めていくのが分かってこっちもアワアワしました。小動物安達の「べべべ別におれはっ、めしとかっタベタイナーーットカ!!」って慌て具合に漸く捕食者プレッシャーを緩める黒沢。いじわるしすぎた、っていうの本当、内なるハンターが滲み出ています。
更にニコッと笑って今日は帰るよ、と安心させておいて

「これ以上一緒にいたら、歯止めが効かなそうだから」

と耳許で最後の一矢を放つ。この時の横顔がまあお2人ともまた美術館からお出ましに?っていう麗しさなんですが、そのまま横目で安達の目線を絡めとるような眼差しにリアルにヒャーーッて叫びました。緩急。緩急がすごいです。そりゃ安達の心臓も私の心臓も保たない。今野球で喩えたくなるのを必死で押さえました。
また安達の告白が夢みたいで信じられなくって朝も早よからわざわざ電話してくるところからして幸せが溢れまくっており(この携帯を耳に当てることで回想を挟んでくる演出素敵でした)これもしや黒沢あんま隠す気ないのかな……?と薄々感じはじめる。

思い返してキャパシティがオーバーしかけてる安達の背後にフッと現れるハンター黒沢。さすがハンターだけあって気配を消すことに長けていました。「もしかして今俺のこと考えてたぁ?」って声からして糖度が16度くらいあります。うっかりそれに頷いちゃって更に間を詰められる安達、明日2人で出掛けようか、とデートに誘われます。
楽しみにしてて!さいっこうの1日にするから!とルンルンでオフィスに戻っていく黒沢、に確信を深める藤崎さん。くすりと上品な笑顔で2人を見守ってらっしゃる……本当に心強い味方です。大好きです。


さてデートに何を着て行くべきかワードローブをひっくり返して悩む安達、誰かと付き合うって考えることが多すぎる!ともだもだしている。うーん幸せな悩みに見えるけどな!チャイムが鳴って黒沢来たーーーって玄関を開ければそこにいたのは柘植でした。
いきなりもうダメかもしれん……と安達の両肩をガッと掴んで助けを求める柘植。もしかしてスランプ?と悩みを推察する安達(監督のインタビューで裏設定としては柘植先生スランプ中とのことでしたので安達は鋭い)に、いやそういうことじゃない、と心の声で返す柘植。仕事のスランプより心を占めるイマドキ男子・湊のイメージを送信しちゃう。図らずも魔法使い同士は触れていれば心の声で会話が可能と判明、原作でもとても面白いシーンでしたがお2人の演技で更に面白さが増していました。

宣言通り恋人の家にお迎えに来た黒沢が見つめ合う魔法使い同士を発見してどう思うかってそりゃ何事かと思いますわな。エッ!、とエッッ?とン?とアッとアアアアアアアが飛び交う昼の住宅地。表情とリアクションだけでこんなに笑えるとは最高です。萌え袖もそのままにこれは!違うんだ!!!!とご近所さんに響き渡る声で誤解を解こうとする安達、とんだ初デートの開幕、でオープニング。


カロリーが高い。
ここまでで約4分13秒なんですけど笑うしときめくし既に幸せが第1象限の彼方へ飛んでいきかけている。今回エンディングまで辿り着けるか?てリアルに心配になりました。でも、産声はやはり幸せな心持ちで聴くのが暖かくていいですね。


仕切り直して自己紹介をしましょう、となっている3人。安達が間に入って大学時代の友達、と柘植を紹介し、黒沢について俺の、と言い澱む。何て紹介すればいいんだ?恋人?いや、でも……??とパニックになりかけたところを同期の黒沢です、とサラッとフォローに入る黒沢。気を遣ってくれたのか、と柔らかな表情で見つめる安達。
黒沢と聞いてアッあの、安達に想いを寄せているというあのモッタイナイ!の!と気付いたらしい柘植、話はよく伺っています、とうまく誤魔化す。どんなこと話してくれてるの?と安達を見つめ、まあ色々と、と照れたように黒沢を見る安達……これもう既に交わす視線から甘さが溢れてると思うんですけどどうですか。柘植先生お気付きになりませんか。て思いましたが柘植先生は柘植先生でその辺にはまだ疎いのでらっしゃいました。


先約があったのにごめん、と席を立とうとする柘植の腕を掴んで引き留める安達……この上目遣いは確信犯ですね(制作さんの)。ここからニコ動でチェリパシーと言われてた魔法使い同士の会話が始まるんですけどそれを見てる黒沢の表情が最高でした。無言で見つめ合って何してんの?って話です。

柘植は観念して相談にきた理由を話し出します。回想シーンうどんちゃん+湊くんの2大取り合わせに発動しちゃうセルフ効果音のきゅん、大好きです。絶対仲良くなって2人で会うようになってもきゅん、て呟いちゃうでしょ柘植……。
話の流れで湊くんのダンスの練習を見に行くことになったのはいいけど、1人でそんな中に乗り込んでいくのが余りにもハードル高くて安達に助けを求めに来てたことがわかります。

所謂陰キャと呼ばれる部類であった安達と柘植が、状況を想像して2人で震えあってる姿が可愛すぎました。額と額突き合わせて唸ってるのを見て、ああ大学時代もこうやって自分たちには超えられない(と思ってる)壁に2人して悶えてたんだろうなあとわかる可愛さ。魂の波長が合うというか、仲良かったのも頷けるシンメ具合。図書館の前のベンチで2人してコンビニおにぎり食べてそう……。

じゃあみんなで行く?という黒沢の鶴の一声で奇妙な3人の珍道中(本来は初デート)が始まります。

バスに乗って湊くんの練習場所へ向かいながら、約束してたのにごめんね、とメッセージでやり取りを始める黒沢と安達……隣にいるのに会話ではなく、というのは勿論前に座ってる柘植を気遣ってのこともありますが非常に恋人めいててときめきました。
それに対し安達と一緒にいられればいい、と前向きな黒沢。

「楽しみは後にとっておこうよ」
「俺達、これからずっと一緒なんだから」

前回、毎朝その人を選び続ける、という恩師の名言を書いたのですがそれをもうナチュラルに実行している黒沢に驚くやらちょっと感動するやらです。付き合って2日目?でそれほぼプロポーズでは、と思わなくもないですが黒沢にとっては7年と数か月+2日、な訳なので……見つめ合う2人が糖度19度を超えてきたあたりでバスが揺れて黒沢にぶつかっちゃう安達。来ました最高のシーン。赤楚くんがインスタライブで仰ってて、どこだ?と思ってたら放送を見てこれだーーーーー!!って。

『僕の恋人  黒沢優一』

脳内で幸せポエムを朗読し始める黒沢に堪え切れず吹き出す安達。原作で大好きだったシーンをやってくれた!啓太町田さすが!と私も大笑いしながら脳内スタンディングオベーション。多分ですけど黒沢が突然脳内でポエム読み始めるのこれが初めてじゃないな?ていうのがポイントです。初めてのクオリティではない……7年の間に何作も作って来られたのでしょう、この際それ全部発表して頂きたい。きっと切ないポエムなんだろうな、ね、黒沢先生!

ポエム第2章が繰り広げられる前にそっ、と触れていた足を離す安達にまた笑ってしまいまして、一行は湊くんたちの許へ。


・柘植から安達へ、そして安達から柘植へのリレー

会社の先輩の友達と自分の友達が知り合い、と知って世の中狭!って叫ぶ六角。湊くんと六角は同じダンスサークルでした〜!とタコパのときの写真伏線をここで回収、8話にして主要登場人物5人が集結します。壮観……なんだろう、戦隊が漸く5人揃ったみたいな……違うか……。
六角と湊くん、キャップの青年とスーツの青年に湊くんのことを彼がいつも荷物を届けに来てくれるんだ、と紹介する柘植。

「彼、って……俺、名前湊って言うんで」
「そうなのか!!!いい……名前だな……」

ここで初めて一方的だった関係性が相互的になります。一歩進んだ柘植と湊くん。ただ宅配便を待ってうどんを挟んで少しの会話を楽しんでいた柘植が自分から動いていきます。安達と黒沢と"ダンスのお友達"(この言い方が非常にお父さんめいていて柘植っぽい)に差し入れを買うべく去っていくところに「じゃあ俺、アイス的なものお願いしまーす」とリクエストを忘れない六角。この物語における六角の空気を和ませ時に切り裂くアシストとお邪魔虫のバランス加減が最高です。1社に1人六角が欲しい。仲良くなりたい……。

コンビニでお友達たちに"きゅんソーダ"を差し入れとして買っていこうとする柘植。それを見ながら「湊くんのこと好きなのかな?」「黒沢もそう思う?」って先輩カップルしている2人。安達は柘植から今まで謎のメッセージ(愚かである事がやめられないetc)が送られてきていた上今朝の脳内ビジョン、先程の少し前のめりで湊くんに何かしたい、と動いていく様を見てこれは!と勘づいた訳ですが黒沢に関しては今日が初対面なのに気付いている。恋愛偏差値の差が出ていると見るべきか、同じく恋をする者同士の共感と見るべきか。

「なんか、湊くんを見る目がキラキラしてたから」
「モテてきたやつは恋愛洞察力が違うわ……黒沢、人の心読めるんじゃない?」
「まさか、(読めたら、もっと安達のしたいこと、やりたいこと叶えてあげるのに)」

ここ安達が自分と柘植の能力である"人の心が読める"に言及するのちょっとびっくりしました。と、同時にこの先2人が付き合っていく上でこの能力についてやはり看過はできないよなあ、と思ったり。楽しみでもありますが不安な部分でもあります。加えて"もし心が読めたなら、相手のしたいことを叶えてあげる"という能力の使い途を示されたようでどきりとする安達。自分には黒沢のしたいこと、を聞かずとも叶えることができる、と改めて気付くような。

「行くか」と7〜8本きゅんソーダをカゴに突っ込んだ柘植の表情は討ち入りにいく浪士のそれでした。アイス的なものはちゃんと買ったんでしょうか。


ダンス練中の湊くんとお友達。声をかけつつ録画してる六角が本当盛り上げ役でいい奴。柘植は満足そうにへんにゃりしてたのですが、つまんなそうに佇むスーツの彼が一言「やっぱ就職選んでよかったわ」と吐き捨てて去っていこうとする。一生懸命練習してる人の前でよくそんな事言えるわと思ったら案の定湊くんが食ってかかります。真っ直ぐな人柄が垣間見えるシーン。対して喧嘩とか苦手中の苦手(多分)の安達のエエッてリアクションに同意しきり。

「わざわざ冷やかしに来たのかよ」
「本当のこと言っただけだろ、無駄じゃね?そんな頑張ってもさ。わかってんだろ自分らのレベル、今芽が出てないってそういうことだから」

逆鱗に触れる台詞を吐きまくるケイタ(という名前だと知った)の胸ぐらを掴み睨みつける湊くん。揉み合う中「やめなさい!!」と響く凛とした柘植の声。安達柘植黒沢からしたら多分5〜7歳違うと思うのですが、先生とかお父さんみたいな頼もしさでした。
恐らく柘植もこういった状況は余り得意ではない筈です。それでも湊くんのため、また、どうしても許し難い言葉が気に掛かり、仲裁に入ったのだと思いました。
うざ、と捨て台詞を吐いて去っていくケイタを追いかけて行く仲間2人。詰めていた息をはぁ、と吐いて柘植に「余計なこと、しなくていいですから」と告げる湊くん。少し仲良くなれたと思ったら拒絶されたようで、そうかわかった、と踵を返す柘植。見送る湊くんのちょっとやりきれない表情……。

バス停で休憩する3人。安達は落ち込む柘植に魔法使いの会話法にて、喧嘩の最中湊くんを受け止めたことで聞こえた彼の心の声を伝えます。どうして自分に?と訝しむ柘植に、

「あの子のこと、好きなんだよね。そんな相手に拒まれたら一歩引いちゃうのもわかる。俺もそうだった。前だったら……」

ここで安達が黒沢を見上げ、それに気付いた黒沢が安達を見て微笑む、そして安達も微笑む、という2人の無言のやりとりが美しいです。黒沢もですが、きちんと安達も"黒沢のことが好きな自分"を認め、自信を持っているのがわかる表情。このシーン、魔法使い同士は心の声で会話しているので外側から見たらまるっきり無言のシーンなんですよね……声に出さなくても想いが飛び交い伝わり合うシーン……。今は隣に黒沢がいるから、自分も変わろうとしてきているから、柘植が湊くんへ歩み出そうとしているのを見て親友のその背中を押したいと思う安達。肩に置いていた手を離し、自分の言葉で

「俺!黒沢と、付き合ってる、です」

と交際宣言をする。付き合ってる、の瞬間目をぱって見開く黒沢、とても驚いてる。当たり前だけど柘植も驚いてる。

「だから、だからってのも変だけど、とにかく、頑張れ!柘植!」

柘植からのバトンを今度は柘植に。自信を持ち成長した安達の真剣な表情が素敵です。柘植にもそれは伝わって、勇気を貰ったように頷いて差し入れの袋を手に駆け出していく……走り方が独特……でもわかるこれは柘植の走り方。多分学生時代からこの走り方です。がんばれ柘植!

そしてバス停に残された安達と黒沢。

「えっと、今の、何」
「アッごめん急に」
「あんな不意打ちされたら俺、し、心臓保たないんだけど」

微笑む安達。前日には安達が心臓保たなくなってて、今日は黒沢が心臓保たなくなってる。お互いがお互いの心臓を掴んでいる……運命的すぎて胸がぎゅっとなりました。安達はもう1話冒頭の自信なさげな青年とは別人のようです。恋をすること、自分を見つめて認めること、そして隣に黒沢がいること。ドラマを通して安達の成長に立ち会えているのがとても嬉しいです。柘植もそうなって欲しいな。


さてこの交際宣言。ちょっとだけ触れます、私も驚きました……。

ただ、この作品の世界における同性同士の恋愛への捉え方がまだ私の中で分からない、というか、柘植の意中の相手が湊くんでも誰も驚かなかったり、エレベーターで黒沢の思いを確信した藤崎さんのようにフラットな世界なのかな、と思えば3話の飲み会シーンのようにやはり「男同士ですよ?」という台詞があったりとなんとも言えないのであれなのですが、"完全にフラットな世界"であるが故に"アウティング"や"カムアウト"という概念が存在しない作品を知ってなるほど、と思ったことがあるので、そういう世界である(それでも一応パートナーには確認した方がいいとは思いますが)という考え方も出来るかなというのがひとつと、
部屋の自己紹介のシーンで黒沢との関係を言い淀み、助けて貰ったところで"気を遣ってくれた"という言葉が出てきたり、コンビニのシーンで"黒沢のしたいことを叶えられる力がある"と改めて気付いたのではという表現があることから、もしかして既に黒沢と安達の間で、"黒沢は(相手によっては?)公表しても構わないと思っており、安達が関係を告げたいと思った相手には、公表しよう"といった話し合いが既になされていたのかもな、と想像しました。あくまでも想像です。
本来はまだ非常にセンシティブな問題ですし、私も自分が好きな人を何の障碍なくただ好きと言える世界(そして人を好きにならなくてもおかしいと言われない世界)を目指していきたいなと思っています。


さてさて。

差し入れを手に、湊くんの許へ戻ってきた柘植。真剣すぎてちょっと階段踏み外しそうになってるのも非常に柘植。意を決して

「俺も小説家を志し、大学時代に担当がついたことで調子に乗り、就職もせず小説を書き続けてきたが、何作書いても賞は取れず、無駄に年を取ることへの将来の不安、己の才能への不信感、社会に属していないことへの恐怖はよくわかる!」

と滔々と語りかけます。浅香さんがお見事でした。これだけの長い台詞を早口で、しかもきっちり伝わってくる語り口。だからこそ我々にもとても響くのだなと。

「それに、本気のやつを馬鹿にするやつはどこにでもいる、夢を持たぬものは、夢に敗れたものはそうなりがちだ!馬鹿にしていた方が、ラクだし、傷つかないから……。けど、俺はお前をぜったいに馬鹿にしない!笑わない!だから、自分を信じろ。以上だ」
「なんだよ……急にめっちゃかっこいいじゃん。ありがと」


柘植は安達からのバトンを、今度は湊くんに渡したのかなと思いました。
本気の思いは本気で受け止められるべきだし、決して馬鹿にされてはならないです。夢を持って生きている人を鼻で笑うのは簡単だし、そういう人たちは沢山いる。大きな夢じゃなくたって、日々生きてきて辛い思いをすることなんて数えきれないほどあります。柘植もきっとめちゃくちゃ馬鹿にされてきたし、自分で自分を痛めつけてきたから湊くんの辛さがよくわかる。だから夢に本気なかれを絶対に馬鹿にしない、笑わない。
そう言って貰えたらどんなに嬉しいかと思ったらやっぱり泣いてしまいました。湊くんにとって柘植が少しだけ特別な人になった瞬間。
微笑む湊くんに引き寄せられるように歩み寄る柘植、湊、っていつの間にか呼び捨てになっております。そのまま思いを伝えるのかと思いきや六角が戻ってきてなんとなくダンス練を見る会はお開きになったのでした。

・黒沢も安達も柘植も前に進むこと


帰り道、1話の坂道をゆっくりのぼっていく黒沢と安達。

「やっぱりカッコいいよな、夢や目標があるのって」
「さっきの安達もカッコよかったけどね、柘植さんの背中を押してあげてただろ?夢とか目標とかって、不意に見つかることあるし……」

会話をしながらそっと、安達の、手を、握る黒沢……幸せがすごい、溢れてる。

「ゆっくりのんびりいこうよ、こうやって一個一個、新しい初めてを楽しんでいくのも、よくない?」
「うん」

黒沢の手を握り返す安達。焦らなくていいよ、って恋愛においても、夢や目標においても全部まるごと受け止めて一緒に歩こうとしてくれてる黒沢……いいなあ素敵だなあ。暗い中こっそりと、ではなく明るい住宅街でしっかりと手を繋いで歩く2人。優しくて柔らかくて世界はこうあるものだな、と心がじんわりと温かくなります。誰かと付き合うって考えること多すぎだけど、でも悪くないかも、と出かける前にはテンパっていた安達も黒沢との恋愛に前向きになって、楽しむ心を持ち始めている。幸せです。ありがとうございます。想いを交わした2人が手を繋いで歩いている、それを見ているだけでこんなに幸せなのってすごい。

好き、かわいい、好き、好き大好き!って迸る黒沢の思いに、やっぱりこそばゆいな、とちょっとまだ照れている安達。その面映さも楽しんでいきましょう。


さて、暗くなるまで公園で思いを伝えるのか伝えないのか悶えていたらしい柘植。こういうところが柘植です。もう一度練習場所に戻り、湊がいなければ帰る、もしまだいたら……と意を決すると、果たしてそこにはまだ1人練習を続ける湊くんがいました。声をかけようと近づいた所で昼間帰ったはずのサラリーマン・ケイタくんがやってくる。やってくるだけじゃなくいきなり湊くんにキスをする。驚いた、じゃ済まない柘植と私たち、でエンディング。


とんでもない爆弾最後に落としていきましたねケイタ……元彼とかそういう……?
次回予告は幸せの天元突破が止まらない黒沢安達と対照的に不穏な柘植湊コンビ……といういつものチェリまほ具合でした。リピートが止まりません。
この先はオリジナル展開で我々にも行き先がわからないのでひたすら導かれるがままについていきたいと思います。今回は1週間耐えるに充分な幸せを頂いたので、ただただわくわくして待ちたいと思います。