最近見た海外BLドラマをまとめてみた(タイ編)


つい先日、先輩(男性)と今見ているテレビの話になった時、何気なく先輩が「今はアマプラでUntil We Meet Againっていうタイのドラマ見てて〜」と仰ったので、呼吸をとめて1秒私真剣な目をしました。
これは、私もタイのドラマ見ているんです!と乗っかるべきか!?とその1秒のうちに急激にぶち上がったテンションをなんとか抑えようと「なるほど〜」とゆるく返すに留まってしまった結果、そこから何も言えなくなってしまった私、星屑ロンリネス……。

さてそんなわけでこの数か月初心者なりにちょこちょこ色んな海外BLドラマを拝見し、それぞれにワーーーーーッとなる事がたくさんあったので、一つずつ書いていきたいところではありますが、ひとまず纏めておこうと思いました。
まずはタイ編。

・2gether The Series

日本でもはちゃめちゃに有名なこのシリーズをタイドラマの中で1番最初に完走しましたし、最初に見たのが2getherでよかったな〜と思います。入門編として勧めるにいい作品と聞いてはおりましたが納得。
可愛い女の子ときゃっきゃうふふなキャンパスライフを送ろうと期待して大学に入ったものの、初っ端から同級生のグリーンちゃん(男性)に言い寄られ、何とか断ろうとあれこれ画策し、偽の彼氏役を学校イチの美男サラワットくんに頼む主人公タインくんの物語です。
作品としては第1シリーズの2gether、続編にあたる番外編のstill 2getherがあり、劇場版の公開も控えている大人気シリーズ、非常に爽やかで明るく、コメディタッチで楽しく時にうるっとしながら見たドラマでした。
2getherに関しては某所で逐一感想を記録していたのですが、主演の御二方含めビジュアルがとても美しいことから入り、大きなテーマとして中心に据えられている「音楽」を通しての触れ合いがときめきとエモーショナルさに溢れており次第に引き込まれ、軽い気持ちで踏み込んだら見事な沼だった、を体現する作品でありました。


初めはひたすらツンケンツンケンしてて何じゃこの子……?と思ったワットくんと、明るく可愛く元気印!みたいなタインくんの印象が途中から見事にひっくり返されるストーリー、演技にただただ感服。悪人も(基本)いない世界、女性のキャラクターも友人たちも素敵で、涙あり笑いあり、リアルタイムで見てたら毎週続きが待ち遠しくてどれだけ辛かったかと思わせるドラマでした。

Twitter等でもバズっていたためか、友人が「なんかおやつ?買ってきてくれたらおっぱい揉ませる〜とかっていうドラマでしょ?」と非常にピンポイントな知識をお持ちで笑ってしまいましたが、「おっぱい云々は最初見たときその衝撃にパニックになったものの、その後余りにもおっぱい談義が出てくるので最終的には慣れた」と伝えたら滅茶苦茶興味を持ってくださったのでその内沼に引き摺り込もうと算段中。


また、本編から1年後を描いた続編のstill 2getherも見事なボーナストラックで最の高。私自身何故か1話からタインくんを追いかけ回すグリーンちゃんが大好きで、13話ずっとグリーンちゃんを応援してきたので、stillにおける大暴れっぷり大活躍っぷりに大歓喜。イケメン(イケメン?)すぎる。好きでよかった。
もう途中から登場人物たちが物語の中の人たちとは思えなくなってきて、タインくんとワットくんのドキュメンタリーを見ているような気分になったし、タインくんの隣にはワットくんが、ワットくんの隣にはタインくんがいないと嫌だとしみじみ感じていました。最終話なんかこの時代にこの作品に出会えてよかった〜とボロ泣き。

おまけに最後の最後、タインくんがワットくんを誘う表情が色っぽくて声を呑みました。常表情豊かなタインくんが珍しく真顔なんですけど色気が……可愛らしさからのギャップがスッゴイ……個人的に2getherにおけるセクシーの最大瞬間風速。
演じられた役者さんはほぼ新人さんだったと聞き及んでおりますが、あの表情ができるのはとてつもない伸びしろ……とそのシーンだけ何度も戻して見てしまいました。タインくんに敵うものはいないのだ……。


日本でも劇場版公開があるそうなので健康に気をつけつつその日を心待ちにしております。大スクリーンで彼らに会えるなんて2021年も捨てたもんじゃない。
ただ、海外BLドラマ勢が周りに皆無な星屑ロンリネス状態なので、映画館で1人おいおい泣く確信があります。見かけたらお友達になってください。



・Love By Chance The Series

次に完走したのがLBCでした。あれれ〜アマプラにあるぞ〜〜?ていうこれまた軽い気持ちで踏み込んだら底なし沼だったパターン。
2getherと比べると表現やストーリーが大人向けというか、深い上に結構ラブシーンも濃いめ+多め。

自身がゲイであることを隠している青年ピートと大学の同級生のエーがアクシデントによって知り合い、お互い惹かれ合う物語で、他にも素直になれない孤独なお坊ちゃまと天真爛漫サッカー青年、心に傷を負った高校生と義理のお兄さん、お人好し先輩と超絶怖い高校生等々、多種多様な関係を詰め込んだ綺羅綺羅しい青春の物語です。
純真な主人公2人にときめいたり、残酷な現実、過去に涙したり、うまくいかない状況に悶えたり、かと思えば滅茶苦茶ホラーかサスペンスかみたいな展開に恐れ慄いたりとこちらの感情もジェットコースターで楽しめる作品でした。

もう1話からボロボロに泣いて、これは面白いに違いないと最後まで走り切りました。セクシャリティ故の苦悩やカムアウトの是非、家族との確執等をヒューマンドラマとして端折られがちな表現まできちんと向き合って描こうとする意気を感じましたし、主演の御二方含め演技が瑞々しくて見入ってしまいました。
主人公エーの親友にポンドくんというもう絵に描いたような能天気でお気楽おバカキャラな青年がいるのですが、かといって彼が完全に「おバカ」かというとそうではなく、考え方がフラットで実はものすごく一途だったり、恋愛に奥手な彼女に対する考え方もしっかりしていたりとそういう細かいところもグッと引き寄せられたポイント。

全く個人的に「守る」「守られる」という関係性より「隣に立つ」という関係性の方が好きなのですが、LBCに関してはとにかく繊細でホワホワした綿菓子のようなピートを何とかエーに守ってほしいと願いながら見ていました。
脇役たちの恋愛事情として同時進行していた孤独なお坊ちゃまティンと天衣無縫なサッカー青年キャンの物語は進むことも戻ることもできぬ、というところに落ち着いてしまったのですが、こちらは続編にあたるA Chance To Loveでメインとして描かれるとのこと、もう見る用意はしてしまったのでこれからゆっくり拝見したいと思います。



・ Tharn Type The Series

で、LBCを割とすごい勢いで完走して、地続きの物語があるらしいと見始めたのがターンタイプ。これはなかなか個人的にも刺さったしヒットしたシリーズでした。
LBCの物語にも見られた「逃げずに描く」という姿勢がターンタイプではより如実に現れており、その分表現も物語もかなり大人向け。何というかアメリカとかのドラマを見ているような気分になりました。余り見たことないんでほぼ想像なんですが。
とある理由からゲイをひどく嫌っている主人公のタイプが、寮で同室になったターンがゲイとわかるやあれやこれや反発し大騒ぎするものの、タイプが何故そこまでゲイを嫌うのかの理由が明らかになると共に関係性も変わっていく、という物語です。

元々タイプが表裏のない直情型の性格で、嫌なものは嫌だし気に食わないものには食ってかかるし、口は悪いわすぐ手は出るわと暴れん坊そのままで、もう最初の方なんて目に余るほど偏見バリバリの発言と態度に頭抱えたくらいでした。
ですが、彼が抱える「理由」というものがとても苦しいものであり、真相が辛くて……判明した時はよくぞこの歳まで無事に生き抜いてくれたと何故か親目線で感謝し始めたレベル。
対するターンは包容力と色気に満ち溢れた青年なのですが、彼は彼で色々恋愛というものにトラウマを抱えていたりして、LBCに続き時折ボロ泣きしながら見ました。

セクシャリティに関して侮辱的なことを言えば怒るし、自分の身の上や思っていることはちゃんと話すし、関係を持ったらきちんと2人して検査を受けに行くし、よくある「イケメンなのにゲイなんて惜しい〜」的発言もキャラクターの台詞を通して否定したりと細部まで真摯で「逃げずに描く」姿勢に、ちゃんとしてる……と感心しきりのドラマでした。
前述の「理由」ゆえにゲイ嫌いなタイプが、男性であるターンと思いを通い合わせ恋人になるという自己矛盾を抱えながらも、ターンのことが好きだというただそれだけをよすがに立つ姿に、作中何度も考えさせられるわ切なくなるわ、深いなあとため息。主人公たちのバックグラウンドがしっかり描かれているからこそ物語の隅々、最後まで納得して見ることができたなと思います。


LBCにも出てきたノー先輩(タイでの呼び方に合わせて私のメモにはぴのーが!!という叫びが3〜40回は出てきた)やチャンプなど友人たちやターンの家族もとても良いキャラクターで、青春ラブストーリーから一転まさかの展開を迎える物語を爽快に彩ってくれました。辛いこともたくさんあったけれども乗り越えて折り合いをつけて、ただ一つお互いへの思いを胸に生きていく2人にどうか幸あれ、と願いながら、その勢いのままタイプの両親へターンを紹介する物語であるスペシャルエピソードと、シーズン2へ突入しました。

S2は出会ってから7年後。お互い社会人になったターンとタイプ、そしてノー先輩やチャンプの周りに、新たにかつて寮で同室だったクン先生や、我儘王子の大学生フィアットくんと距離感バグった親友のレオくん、ターンの従兄弟のプーくんと恋人のサーさん、とこれまた豊かなキャラクターが登場。それぞれの思いが交わる中主人公2人が思いを深めていく物語なのですが、これまた結婚、職場でのカムアウト、パワハラ、家族愛、どれだけ時間が経ってもタイプとターンそれぞれが抱えるトラウマとが複雑に絡み、相変わらず視聴者の感情をぶん回すシリーズだなあ!と満面の笑みで見ました。
大学時代はギャンギャンと喧嘩をしていたターンとタイプの2人がすっかり所帯染みてお互いの存在に慣れている姿は何というか癒されるものがあり感無量。仕事で疲れて帰ってきて荒れ狂って八つ当たりしてもーーーーーーーーー嫌!てなってるところにコーヒー淹れて持ってきてくれて、何も言わずに隣にぽすって座って気にしないでいてくれるとかそら沁みるわ……そらごめんねって謝るわ……タイプが素直に謝れるようになったところに一緒にいる歳月を感じて嬉しかったです。

日本とは違うタイの仏教文化に触れたり、シーズン1でも思ったけどそれマジで警察沙汰だからね!?ていう出来事が起きたり起こしたり、2から加わった新キャラたちの顔面偏差値の高さに慄いたりとこちらもスペシャルエピソードまで堪能。もう最後はどこを切り取っても幸せな金太郎飴状態に見ているこちらも至福の時を過ごしました。感謝。

ThTyは前述の通りとても大人向けなので、キスシーン含めもう色々と濃ゆいのですが、これまた一切共感性羞恥を覚えませんでして、私が慣れてきたのかな……?
ターンの演者さんは大きな眼が雄弁で、その佇まいからセクシーが溢れてらっしゃったのですが、タイプを演じられた役者さんは犬歯がキュートな爽やかスポーティー青年と思わせて時に圧倒されるほどの色気を出されるのでほんと油断ならなかったです。特に視線の遣り方がすごい。前述のタインくんなんかは恋人を前に表情からガラッと変わるのですが、タイプは瞬きや視線の動かし方がゆっくりで、それが匂い立つような色気を醸し出すのに毎度ぞくぞくしました。
シーズン2のスペシャルエピソードでは本編でのキスシーンを振り返ったり(案の定ほんまえらいことなってた)ここまであったっけ!?ていうロングカットで再編集されてたりともう余すところなく描いてらしてひたすら畏れ入る。演じ切られた主演の御二方も凄かった……!いきなりはちょっと勧めづらい点もあるかもしれないけれど、見てよかった〜ととても満ち足りたシリーズです。




というところでとりあえず今は日本のドラマも見つつ、「圏套」が好きなら嫌いなわけないでしょと思いながら「Manner of Death」、ひょんなことからU-NEXTに加入したので「Lovely Writer」を見ています。マナデス勿体なさすぎて1話見進めるのに3週間くらいかけてる……
合間合間に韓国の作品もちまちまと見ていたので、そちらも纏めたい所存です。沼が楽しい。