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『進め! なつのロケット団』①~②(他)レビュー

ロケットは女の子の姿で擬人化されています

『進め! なつのロケット団』①~②
あさりよしとお(著)

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②巻まとめてご紹介です。
①巻のころから紹介しよう紹介しようと思っていていたんですけどもー。
これ紹介しはじめるとあれもこれもとやたら広がり続ける話題なものでちょっとばかり手間を惜しんでいたら、なんと昨年末に②巻目がでてしまいました。というわけで、重い腰を上げてひょっこりご紹介なのですw

なぜって、この本を紹介するときは、まず同じ あさりよしとおさん作の『なつのロケット』を紹介しなくちゃいけないキマリなのです。(そう?w)
そして、『なつのロケット』を紹介するならば川端裕人さん作『夏のロケット』も紹介しなくちゃいけないことにもなっているのです(そう??w)
※平仮名と漢字でタイトルが超似てますが当然別作品なのでご注意。

キマリなのでしかたありません、さっくりと紹介しておきますと、まずあさりさんの『なつのロケット』

『なつのロケット』

こちらは小学生たちが、学校をクビなってしまう恩師のためにロケットを作って打ち上げるお話です。これがまた泣ける筋だてなのですが、それよりもなによりもすごいのが子供たちが作るロケットが物理的・理論的に正しく描かれていて、『実際に打ち上げることが可能』というところ。現実のロケット工学者の野田篤司さんが計算・設計した小型ロケットが元になっているのです。

で、あさりさんがこの『なつのロケット』を描くに至った動機というのが、川端裕人さんの小説家デビュー作『夏のロケット』に触発されて。というわけ。こちらは大人があつまってロケットを作るお話です。(それを子供にした版が『なつのロケット』と言えるかもしれませんネー)

こちらは川端さんの『夏のロケット』

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さて、ようやく本書『進め! なつのロケット団』です。

①の表紙

3作品のなかで一番ギャグっぽいタイトルになっていますけど、逆に一番リアルなお話。っていうかマジ現実。実際に「作っちゃってる・飛ばしちゃってる」ロケット開発を(多少のマンガの都合的脚色はあるにせよ)そのままマンガにしてしまっているレポート&ドキュメントマンガなのです。

あさりさんが『なつのロケット』を描かれた後、国家主導のロケット開発にしびれをきらし、お国にまかせてたらいつまでたっても宇宙に行けない!と、宇宙を目指す子供の心の大人たちがあつまり、(あさりさん家の台所で)こっそりロケットエンジンを自作していまうところからお話は始まります。
『なつのロケット』で子供たちが飛ばしたアレを、実際に自分たちの手で作ってしまおうというわけです。
ヒゲ面の面々が出てくると絵的によろしくない(?)からか、キャラクターたちは『なつのロケット』から仮託してきていますが、ほぼほぼ実話。
集まった彼らの名こそは『なつのロケット団』。
なんだか同じ名前をつかい過ぎていてよくわからなくなってきちゃいますねw。でも実際にそうなのだから仕方ありませんw

①巻の帯にもあるとおり、これはリアルな大人たちが「待つのはイヤだ 作っちゃおう」と、始めたお話なのです。
この言葉、どっかのTV番組の歌みたいですねぇ。あ、そういえばタイトルの頭に『進め!』ってついてますねぇ。……。もっと言ったら『夏のロケット』でロケット打ち上げる島は「ひょうたん島」でしたっけか……。なんてかんじに、『なつの…』と『夏の…』の微妙な絡みぐあいが不思議におもしろいことに。
と、まあ、ここまではフィクションですし、この絡みは狙ってやっていたのかもしれません。けれど、この先はもっと。今度は現実がシンクロしてきてしまいます。
リアルなロケット開発につきものの「お金」の話でもそれは顕著にあらわれます。
『夏の…』では大金持ちの芸能人社長さんが登場していました。現実でも、つまり、『なつのロケット団』にも、某芸能人(?)社長さんが登場し、そして、どちらも……っと、ここから先はネタバレになるからやめておきましょうか。現実のほうは大々的にニュースにもなっていたのでみなさんよくご存じのこととおもいます。ともかく、出来事の順番や筋立てはことなりますが、なんだか似たような話になっていて、現実とフィクションが微妙で奇妙にシンクロ感がある事態になっています。

このあたりのドラマは、①の巻末に掲載されている『なつのロケット団 誕生秘話』が、まさにそのままリアル・レポートマンガになっていますので必読です><

①は、2010年4月から2016年4月までの『なつのロケット団』の奮闘を、②は2016年から2021年9月までの『なつのロケット団』と、『なつのロケット団』から生まれた(といっていいのかな?)民間ロケット会社インターステラテクノロジズの戦いが描かれています。

こちらは②巻め。このロケット擬人化キャラたちが可愛いんですよねー☆

なにしろ科学マンガを長年描かれているあさりさんのマンガですから、技術的なことや科学的なこと、そして開発の苦労などなどがことごとくわかりやすく、そして面白く描かれています。
ロケットはもちろん、宇宙開発の技術や、宇宙に興味のある人はもう絶対必読の内容になっています。燃えますヨー。ロケットエンジンだけに(ダメ)

[進め!]<なつ|夏>のロケット[団] の皆さん

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※なお、マンガではないですが、あさりよしとお著で

↑そのままずばりこういう本もでています。マンガは苦手という方もこれで安心ですね(そう?w)

まだまだ書ききれないこと沢山!
ちょっとだけですが続きを書いておきました↓


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