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『生き物としての力を取り戻す 50の自然体験』レビュー

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『生き物としての力を取り戻す 50の自然体験』
 身近な野あそびから、森で生きる方法まで

カシオ計算機株式会社(監修)/株式会社Surface&Architecture(編集)

コンピューター関係の本で有名なオライリーさんって、電気や工学の本だけじゃなくてけっこう自然科学系の本も出してくれているんですよね。

そのなかでもこの本は特に、とっても自然自然しています(なにそれ?w)

33名の自然体験のスペシャリストが、自然と親しんだり、自然を知ったり、また、自然と一体化するコツと楽しみ方を(オライリー本らしい)簡単なステップ・バイ・ステップと多くのカラー写真で紹介してくれます。

その数じつに50個。

ロックバランシングの日本版、「石花」(なんてのがあるんですね)から始まって、自然の匂いから香水を作ろうとか、粘菌や地衣類の観察や、魚の「耳石」の見つけ方、寒さが好きになる発想法、苔のテラリウムをつくったり、森に入ってその場にあるもので火を起したり、どんぐりからでんぷん餅をつくったり等々エトセトラエトセトラ。

興味深いものをピックアップするだけでも大変w

都会でもできるモノも多いし、公園やキャンプ等でやろうとおもったら一日一つに挑戦したとしてもかるく50日。面白いなって興味をもったら、へたしたら年単位で遊べそうな内容がぎっしり。

お子様に自然に興味を持ってもらうのにも良いですし、大人だって十分たのしめます。

さらにいくつか自然愛あふれるコラムが入っていて、なかなか読み応えがあるのです。

特に気に入った(というか気になった)のは、川口拓さん(WILD AND NATIVE 代表・Japan Bushcraft School校長)の『森に炎をもらいにーナイフ一本で火をおこすということー』というコラムですね。
川口さんが身一つ、ナイフ一本で森へ行き、火を起すまでをていねいに描いたコラムなのですが、なにも格好つけていない自然な文章で、森と一体になること、自然を感じること、不安や恐れを学びにすること。ネイティブアメリカンの「今日は死ぬのにもってこいの日」という言葉に込められた感覚、等が素朴な文体で語られていてとてもよかったです。

このあたり、前から大好きな本、福音館書店の『冒険図鑑』(らせんの本棚IVで紹介)や、同『自然図鑑』の感覚に似ています。これらの本の現代版と言っていいかも。

↑この本もおすすめです

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そうそう、33人のスペシャリストの中に、我らが日々野鮎美(27歳会社員)も登場しています!(びっくり!)

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『山と食欲と私』コミックス2巻を元に再構成ってかいてあるけど、コミックスにはこんなカラー絵なかったですよぉ!!

鮎美ちゃんの貴重なカラー写真ものっています。ファンなら押さえておかないとですね!!w

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オライリー本で、しかもあのカシオ計算機株式会社さんが監修というのも異色といえば異色。珍しい自然体験本。
珍しいって気はしますが、本来は人というものは自然と一体のハズで、こんな本が珍しいっていう状況こそほんとは異常なのかも。なんて、計らずもスマートフォンを壊してしまってネット接続できない異常な一日に感じ入ること大な本なのでした。


#自然の本 #自然体験 #おすすめ本 #オライリー #山と食欲と私  

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