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らせんの本棚

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SF、ファンタジー、実用書からマンガ、画集、絵本などなど、アトランダムに紹介するレビュー集。神楽坂らせんが読んで「グッ!」と来た本を不定期に紹介していきます。もちろんネタバレはな… もっと読む
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2023年7月の記事一覧

『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ 3』レビュー

『 ツインスター・サイクロン・ランナウェイ 3 』小川一水(著) ♡ 来た来た、キマシタ! 第三巻!! もう1,2巻は読まれてますヨネ? え? まだお読みでない?? ソンナバカナ、全人類が読むべき(言い過ぎ)の『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ』シリーズを、まだお読みでない?? まあ、それも良いでしょう。いまから楽しめるんですからね。 ちょうど今、kindle Unlimitedの読み放題対象に小川一水センセの作品群が沢山はいっていて、その中に『ツインスター・サ

『 失われたものたちの本 』レビュー

『失われたものたちの本』ジョン・コナリー(著/文) 田内志文(翻訳) 📚 第二次大戦下のイギリス。本好きな12歳の少年デイヴィッドが主人公。 彼は、母親を亡くした孤独から本に埋もれて過ごし、いつしか本達が交わす言葉、本のささやきすら聴こえるようになっていました。 そんな少年の深い悲しみをよそに、父親は新たな女性と再婚します。父親視点ではデイヴィッド少年にこそ新しい母親が必要と考えたのでしょうが、亡き母を愛するデイヴィッドにとって父親のその行為は重大な裏切りでした。 やが

『ブロントメク!』レビュー

『ブロントメク!』マイクル・コーニイ(著) / 大森望(訳) ◇ 『ハローサマー、グッドバイ』と『パラークシの記憶』ときたら、こちらも取り上げないわけにはいきません。 『ハローサマー…』に並んでマイクル・コーニィの代表作です。 『パラークシの記憶』のあとがきで翻訳者の山岸真さんが語っていた、マイクル・コーニイの(傑作の)三大特徴が、今回もそのままがっつり当て余ります。 つまり、 ですね。 今回の舞台はアルカディアという海洋惑星で、これまた大洋に囲まれた大陸の、いくつ

『パラークシの記憶』レビュー

『パラークシの記憶』マイクル・コーニイ著 / 山岸 真 訳 ◇ SF史上屈指の大どんでん返し&青春小説と、先日ぶちあげた『ハローサマー、グッドバイ』の続編です。 続編、とは言っても、あれから数百~千年以上あとのお話。前作の恋人たちも直接はお話に登場しません。 ただし、舞台であった『パラークシ』はタイトルにもあるようにお話に重要なかかわり方をしてきます。 もうひとつ、『記憶』とタイトルにはあります。 この『記憶』も、ものすごく重要なキーワード。 人間そっくりの異星人であ

『ハローサマー、グッドバイ』レビュー

『ハローサマー、グッドバイ』マイクル・コーニイ著 / 山岸 真 訳 ☆ バリバリの青春小説で、ラブストーリーで、かつ、がっつりSFです。 作者自身、冒頭で『これは恋愛小説であり、戦争小説であり、SF小説であり、さらにもっとほかの多くのものでもある。』とはっきり語っています。 それぞれどの要素も最高の水準です。そしてそれらが絡み合って一体となっていることで、これまたこの作品のすばらしさを何倍何十倍にも引き上げている。わたくし的ランキングでオールタイムベストに入る青春・ラブス

「まちライブラリー」@MUFG PARK 行ってみたよ

先日こんな記事を見かけまして、ちょうど近くへ行く用事があったのでちょっくら偵察に行ってまいりました。 場所はこのあたり、武蔵野大学 武蔵野キャンパスのまんますぐお隣です。 大きな三角形の形をしている公園で、南側のカドが正面ゲート。(大学正門の真横です) 奥に見える平屋の建物が 目的地の「まちライブラリー」です。 早速中へ~♪ 気になる蔵書は、「まちライブラリー」というだけあってまちの皆さんからの寄贈本で構成されています。けっこうなじみ深いものも沢山☆ 居心地の良