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らせんの本棚

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SF、ファンタジー、実用書からマンガ、画集、絵本などなど、アトランダムに紹介するレビュー集。神楽坂らせんが読んで「グッ!」と来た本を不定期に紹介していきます。もちろんネタバレはな… もっと読む
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2023年2月の記事一覧

『三体0 球状閃電』レビュー

『三体0 球状閃電』劉 慈欣(著)/ 大森 望、光吉さくら、ワン・チャイ(訳) 〇 主人公、陳(チェン)の14歳の誕生日。 嵐となったその夜、両親と食卓を囲んでいたところ、突然、彼らの眼前に家の壁を通り抜けて球状の雷(ボール・ライトニング=球状閃電=球電)が現れました。 うっかりその球電に触れてしまった両親は、閃光とともに一瞬にして灰となってしまいます。 その衝撃的な瞬間が陳(チェン)少年の人生を完全に方向づけ、球電現象の研究の道に進むことになるのでした。 しかし、この

『僕と魔女についての備忘録』レビュー

『僕と魔女についての備忘録』三つ葉優雨 (著) ◇ 森に捨てられた幼児「渉」を拾ったのは、若く美しい姿のまま100年以上の時を生きてきた「魔女さん」。 時を超えて生きる魔女さんと、普通の人間の時を歩む渉。母子のような関係はやがて渉の成長とともに変化していくのですが、お互いの愛おしく想い合う心は変わることがありませんでした。 魔女さんと同じ時を生きられないさだめを小さなころから理解していた(かしこい!)渉は、日々忘れたくない事を備忘録として綴っていきます。 そんな、渉の想い