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らせんの本棚

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SF、ファンタジー、実用書からマンガ、画集、絵本などなど、アトランダムに紹介するレビュー集。神楽坂らせんが読んで「グッ!」と来た本を不定期に紹介していきます。もちろんネタバレはな…
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2021年7月の記事一覧

『蜂の物語』レビュー

『蜂の物語』ラリーン・ポール(著) / 川野靖子(翻訳) 🐝 果樹園にある蜂の巣で、フローラ族の蜂として生を受けたフローラ七一七が主人公。サルビアであったりサクラであったり、普通は花の種類で属名が決まる中、フローラ族というのは花の名も持てない最下層の種族名です。 最上位の女王を崇め奉り、決して覆ることのないカースト。 種族と役割で厳重に管理される蜂社会は、労働を称える教理で完全に支配されています。 ”怠惰は罪” ”不和は罪、強欲は罪” ”受け入れ、したがい、仕

『まちカドまぞく』レビュー

『まちカドまぞく』伊藤いづも (著) ♡ もうさいっこう! めちゃくちゃ面白い。だいすきです。 お話としては、主人公の15歳の女の子、吉田優子がある朝、突然封印されしまぞくの力に覚醒しちゃったのです。で、彼女は『シャドウミストレス優子』というまぞく名で活動して「魔法少女」を倒すという使命を帯びるのです。が、なにしろツノとしっぽが生えてきた以外はとっても普通の(ポンコツぎみな)女の子。はたして物理少女もとい魔法少女をぶちころがせる日はくるのでしょうか? というかんじのス

『日本の鳥の巣図鑑 全259』レビュー

『日本の鳥の巣図鑑 全259』 鈴木まもる(著・絵)◇ 図鑑と書かれていますがまるで絵本のような。いやでもこの物量はやっぱり図鑑というのが正しそう。鳥の図鑑、それも、日本に巣をはる鳥たちの【巣】の図鑑です。 なんでもそうですが、モノゴトが好きで好きでたまらない人が作ったモノや書かれた本って、見ているこちらにもその愛が伝わってくるので、とても嬉しいのです。 この本を書かれた鈴木まもるさんは、家の周りで偶然古くなった鳥の巣を見つけ、その造形の不思議、美しさに魅かれ、様々