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らせんの本棚

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SF、ファンタジー、実用書からマンガ、画集、絵本などなど、アトランダムに紹介するレビュー集。神楽坂らせんが読んで「グッ!」と来た本を不定期に紹介していきます。もちろんネタバレはな… もっと読む
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2021年3月の記事一覧

『彼方のアストラ』レビュー

『彼方のアストラ』篠原 健太(著) ◇ 時は西暦2063年、宇宙旅行もあたりまえの時代。高校の班旅行で「惑星キャンプ」に旅立つカナタ、アリエスら9名の少年少女たち、未体験の宇宙旅行に胸躍らせ、初めての別惑星に降り立った彼らの前に、突然、謎の光の球体が現れます。 その球体に飲み込まれた9人は、気が付けば宇宙空間に飛ばされてしまっていました。 さいわい近くに無人の宇宙船を発見した彼らは、なんとかそれに乗り込み難を逃れるのですが、現在位置を確認すると、そこは故郷から5千光年

『ソフトウェア』『ウェットウェア』『フリーウェア』レビュー

『ソフトウェア』『ウェットウェア』『フリーウェア』ルーディ・ラッカー(著)/ソフトウェア・ウェットウェア(黒丸 尚 訳)/ フリーウェア (大森 望 訳) ――― 天才となんとやらは紙一重。なんて言いますが、ワタクシが認めている天才のお一人に数学者でSF作家のルーディ・ラッカーさんがおります。 本名(ドイツ名)ルドルフ・フォン・ビター・ラッカー。 そう、天才です。もちろん紙一重のほうじゃないと思います。タブン……ね?w と、ゆーわけでそんなルーディ・ラッカーの代表

『「死」とは何か イェール大学で23年連続の人気講義 完全翻訳版』レビュー

『「死」とは何か イェール大学で23年連続の人気講義 完全翻訳版』 シェリー・ケーガン(著/文)柴田裕之(翻訳) ――― 誰だって生きてる以上いつかは死ぬわけで、「死」というものはすべての人間(というか生命)に平等に与えられている「終わり」なわけです。 そして、その「終わり」の後、どうなっちゃうのかは誰にもわからない。 もちろん、物質としての身体は、生命活動が終わったあとは土に埋められて腐っちゃったり、燃やされたりして、いつかは塵となって……、という風に、物質の分子