見出し画像

続・「内緒」について思うこと

昨年の2月、こんな記事を書いた。


お時間がある方は目を通して頂けるとありがたいが、何の変哲もない記事なので内容をざっくりと書くと…

・どういう訳か見ず知らずの人から物を貰うことが多い。
・他人と比較しようも無いが、そんな気がする。
・飲食店勤務時代、反社会的な風貌の人物から5千円を握らされそうになるが、いま思い出しても赤面するような恥ずかしいセリフで断固拒否したことも。

※自分の過去記事を引用する時に毎回思うが、数行でまとまる話を何千字も使ってダラダラと読ませてしまっていることについては本当に申し訳なく思っている。

特に貧相な身なりをしているつもりもないのだが、なぜか「内緒だよ!」の言葉とともに、知らない人から物を貰ってしまう星の下に生まれたようだ。
ちなみに、当時のコメント欄には「貴方はよほどのイケメンなんだろう」との感想もチラホラ頂いたのだが、残念ながらそれは全く違う
イケメンのただのオジサンだし、なんなら若い頃からオジサンだし、最古の記憶では中学生の頃からオジサンだ。
…嗚呼、つらくなってきた。

『転生した先の異世界が偶然そういう価値観の場所だった』みたいな環境設定でもない限り、「イケメンぶりに心を鷲掴みにされた人々が次々と貢ぎ物を持ってくる」みたいなハーレムじみた理由ではない。
原因は今のところ不明だ。

記事投稿から経過したこの1年ちょっとの間にもその感じは変わらない。
とはいえ特に強めのエピソードもないのでここに羅列することはしないのだが、ここ最近気づいたことがある。


「知らない人が物をくれる現象、娘に遺伝しているっぽい。」


うちの娘はもうすぐ3歳。
「いわゆる『かわいいさかり』みたいな時期だからウチの娘に限ったことではなく誰でもそうなのだろう」と思っていたのだが、それでも多くないか?と思い始めたのだ。


case.1

ひと月ほど前の休日。
その日の僕はひどく疲れていたが、散歩がてら近所のスーパーに娘を連れて買い物に向かう。

店外のスペースでは何やら子ども向け英会話教室のPRを行なっている。
興味が無いうえに体調が悪いので、話し掛けられないように見事なまでのスルーをした…つもりだったのだが、手を繋いでいる娘が急に歩くのをやめる。

見れば、そこのスタッフのお姉さんから今まさに風船を手渡されようとしているところだった。
(これから買い物するのに風船は勘弁してくれ…)というオーラを察したのか、「お子さんにプレゼントしていいですか?」と許可を求められる。
そう言われてしまっては仕方がない。
「えぇ、ありがとうございます。」と答えると、当然のことながら僕にも仕掛けてくる。
「お子さんの英会話教室にご興味は…」
 「いえ、まだ今のところは。」
「では、もしご興味が出ましたら是非…」
と、言いながら教室名と電話番号が載ったポケットティッシュを渡される。
礼を言い立ち去ろうとすると、「お父さん、だいぶお疲れですか?」と言いながら、何故か栄養ドリンクを1本渡された。
若干戸惑いながら「…これは?」と尋ねると、どうやら説明を聞いてくれた人に配布しているとのこと。
特に説明を聞いていないので申し訳ない、と遠慮しようとしたが、どうぞどうぞと押し切られてしまった。
結局親子揃って頂いたものを置きに駐車場に戻り、再度スーパーに向かった。

とはいえこのケースは販促イベント。
まぁ、無くはない。


case.2

昨年の母の日、こんな投稿をした。

勤続年数に応じて今年は100円の昇給、600円渡してみた。
花代に不足した分は僕が補助金を出す仕組みだ。
ちなみに投稿日現在、宮城県の最低賃金は1時間当たり883円。
「883円に対して600円なんて、何というブラックな雇用主なんだ!」とお怒りの方もいらっしゃるかもしれないが、彼女の業務内容は洗濯物(ハンカチとタオル限定)を畳むというもので今回の労働時間は約10分間。
仮に時給換算すれば3,600円/時間。
1日7.75時間働いたとすれば27,900円/日。
月あたり20日間働いたとすれば558,000円/月。
12ヶ月の労働で6,696,000円/年。
※各種天引き項目・賞与は除く

2歳児界で言えば中々の高給取りだろう。

話は逸れたが、今年も娘を連れて花店へ。
昨年よりも物事を理解しているため、「ママ喜ぶかなぁ」「何色のお花がいいかなぁ」などと移動中の車内で騒いでいる。

店内外に所狭しと並べられている花を一つ一つ見ては「可愛いねー!」などと言っている娘に気付いたのか、店員さんが近付いてくる。
声を掛けてきた店員さんに向かって「お花可愛いねー!」と告げる娘。
それに対し「お嬢ちゃんも可愛いよー!」と店員さん。

…何だこのやり取りは。

「わぁ、素敵なお花!」
「□□ちゃんの方が素敵だよ」
みたいなやり取りをキャバクラあたりで見たことがある気がするが、それに似ているのは気のせいだろうか。

買う花が決まり会計を終えると、「お嬢ちゃんは何色が好き?」と店員さん。
「ピンクー!」と答える娘。

この流れは…。


帰りの車内。
車の荷室には母の日用の花束、チャイルドシートに座る娘の手には花店でプレゼントされた小さな花束があった。

年上女性キラーか。


帰宅後、娘から妻に花束が手渡された後にそのエピソードを話すと、半分呆れたように「父子そろって何なのその感じ。私はそういう経験全然無いんだけど。」と言われた。
やはり、少し奇異な出来事のようだ。

将来娘が数多の人から貢がれている姿を想像すると少々ゲンナリしないでもない。
が、世間に愛想を振り撒きつつ上手く世の中を渡り歩いてくれるなら、それはそれで良いことなのかもしれない。

記事化に堪えうるエピソードとしてはまだ若干少なめではあったが、親子というものは妙なところが似るものだなと思った話。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?