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現在の懸念

まず大前提として。
僕はワクチン接種しました。奥さん(医者)も接種しました。副反応はオッさんらしくちょっとだけ〔接種24時間後に肩が痛くなったり1日寝込んだりした〕で、得られた安心感はプライスレスです。医者という業務の特性上、マスク生活から完全に脱した訳ではありませんが、例えば息子や娘が発熱しても、不安感が段違いに軽減されます。これまでなら、自分たちが新型コロナを伝染させてしまったのではないか、あるいは学校・幼稚園で新型コロナに罹患してしまった〔= 看護する自分たちに伝染する可能性がある〕のではないか、という懸念が先行していたことと思いますが、その可能性がゼロとは言わずとも低く見積もれるようになったのは有難いです。
新型コロナのワクチン接種しましょう。むしろ接種してください。お願いします。
ここまで前口上〔2021.06.03追記〕

SNS上で反ワクチンの方を「説得」というよりは「disる」、あるいは「叩く」という言説が目立つこと。甚しきは「◯◯は反ワクチンと同じなので徹底的に叩く」という表現まで見掛ける。まぁ好きにしたらいいけどね。
その反動として、現在のSARS-CoV-2に対するワクチン〔mRNA, ウイルスベクターとも〕を(実力を超えて)称揚してしまうこと。
「あんなに安全なワクチンなのに………」「ワクチンのおかげでイスラエルや英国はマスクを外したコロナ前の生活に………」
どちらも近い将来の反転可能性〔刃が自分に向かってくること〕が懸念されます。

医療者が「安全に」接種できても公衆衛生レベルで「安心して」接種できないのはご案内の通り(Covid-19における、医師の言う「軽症」が何であったかを想起されたい)。また、公衆衛生的に接種メリットが高いと現時点で個人的に判断しているけれど、迂闊に「安全」と言い過ぎない方がいいという傍証・報告は目にします。かと言って、日本の無茶苦茶高いレベルに設定された「安心」ハードル越える必要はないと思う。安心に渡れる橋を探しているうちに濁流で溺れちゃうから。その辺難しいね。

また、接種がある程度進んだところで欧米でのB.1.617クラスター発生が相次ぎ、英国は再度ロックダウン、mRNAワクチンとしては勿論対応可能であるものの、雰囲気としてワクチン無駄じゃね?という感じになり、30%超えあたりで横ばいになる悪いシナリオの霊感も。
そして「ワクチン後遺症」訴訟。

僕の専門領域の疾患に「全身性エリテマトーデス SLE」という疾患があり、人種ごとに治療難易度が異なる〔Afroamerican(黒人)が難治性〕。ある種の免疫調整薬を内服してようやく、AfroamericanのSLEの治療難易度は日本人SLEのそれに近くなるという感覚。
いまの、伝播力が高まった変異ウイルス 、つまり「シン・新型コロナウイルス」に対しては、ワクチン接種してようやく「新型コロナウイルス」相当になるんちゃうか、ぐらいの心積りでいた方が、失望も少ないように思う。

一方で、Covid-19治療はもう一皮剥けそうな気がする。現行のものよりsophisticatedな抗ウイルス薬と、副作用の少ない抗炎症薬の合剤が出来るのでは。
その過程で、皮肉なことに(?)大木提言的なものの一部は組み込まざるを得ないのではないか。鬼の首取ったように誇るTweetが目に浮かぶ。ただ、医療体制の再整備だけでどうこうならんだろう。ご本人はTwitter上では何やら愉快なキャラが定着しつつある。そこ、さておくのか。手術適応は「さておいて」、切って切ってきりまくってないだろうな〔注: 外科医としての力量は確かなものだと聞いています。 #知らんけど〕


まぁオリパラ後に既定事項としてスガ政権が倒れて、その後〔色々な意味で〕どうなるか、ですかねぇ。いずれにしても「ワクチン打ってマスクを外そう」にはbetしにくい現状だと思いました。

追記〔2021.05.31〕

追記〔2021.06.03〕
コナミティ → コミナティ

だがしかし、以下の意見に首肯するものである。つまりはnote本文のような懸念があるという事。

いただいたサポートで麦茶とか飲みます。