「アトピーライフハック」上梓に寄せて

自分のアトピーは、よっぽどひどくならない限りあきらめていました。アトピーとは、生まれてから40年以上の付き合いなので「これはもう治らない」と。

多くのアトピーさんと同じように、まぶたが赤く腫れたり、首をポリポリかいたりしながら会社に行ける最低限の状態を維持できるノウハウは身につけて、なんとか日常をやりすごしていたのです。

ただ、代わり映えしない日常に少し変化が起きました。高校生の息子がアルバイトを始めたくらいから、アトピー症状がひどくなってきたのです。あんなにプクプクだった顔が、夜に描きむしって血が滲み粉をふいています。自分のことなら我慢も出来ます。ですが、まだまだ若い息子の日増しに悪化する肌に、親としては自分のDNAが本当に申し訳なくて呪いたくなる気持ちです。「なんとかしてやりたい。」心の底から思いました。

アトピーさん「あるある」だと思うのですが、あまりに色々なアトピー改善策を試しては「大して効果がない」を繰り返しすぎて、新しい薬や治療についてだんだん興味が失せてきます。医者も長い時間待たされたあげく「これ塗っといて。また来て。」で説明なしに大量の５g塗り薬を出すだけ。保険の効かない薬に毎月2，3万払っていた時期もあります。安い給料では続くわけがありません。アトピーについてホトホト聞くのも嫌になって、ここ10年ほどは正直耳をふさいでいたような状態でした。私の情報がアップデートされていないのです。

【私が試したー例】漢方薬／ＳＯＤ／クロレラ／キョーレオピン／黒ニンニク／玄米食／断食／肉を食べない／砂糖を採らない／黒酢ドリンク／カスピ海ヨーグルト／米ぬか／亜麻仁油／桃の汁／どくだみ茶／ルイボスティー／アロエ／脱ステロイド／脱保湿／温泉治療／各種ステロイド／腸活／アレルギー注射／オゾン水／椿油／馬油／ヒルドイド／尿素クリーム／糖質制限／早朝マラソン等の体力強化

ただこの頃から息子の肌の改善を願って、モーレツにネットの情報や文献など読み漁ります。また、現在の自分が日常的に行っているケアで何故さほどひどくならないのか、なぜ良くもならないのか。納得できる理屈をさがし続けました。

20年前と比べて原因・要因と思われる研究や発見がありつつも、劇的なアトピー改善策は見つかっていないようです。ただ、個人でこんなに沢山の情報が集められるのが以前に比べると雲泥の差です。

私のアトピーに関する新しい情報と、自分の40年以上におよぶ経験とを照らし合わせて浮かび上がってきた考えが「アトピーライフハック」です。

我慢や苦痛を感じない程度に生活の中で続けている、気を付けている少しのコツ。それこそが「アトピーを悪化させない方法」であり、何とか私が会社に行けるくらいの肌を維持できていた理由だったのです。

ここにアトピー悪化に「黄色ブドウ球菌」が大きく関わっているという研究結果から、「次亜塩素酸水で肌を殺菌する」ことでアトピーを改善する方法を追記しています。私自身が人柱的に試した成果を「アトピーを良くする方法」としてまとめ書いたものがこの「アトピーライフハック」です。

悪くも良くもならなかった私のアトピーケアに足りなかった「肌が良くなる」部分を加えたことで、爪でかいても白くならない肌を手に入れたのです。私の人生では、初めての肌質です。

この本で書いたのは

• めんどうが少なく

• すぐに試せて

• お金がかからず

• 続けていける

そんなアトピーと上手く付き合う方法です。
参考情報のひとつとして、役に立ったなら私のこの上ない幸せです。

「アトピーは治すのを辞め
アトピーライフハックで攻略する」
イチノセ　テルオ著
https://a.co/44iV7UL