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元勇者パーティーの雑用係だけど、実は最強だった〜無能と罵られ追放されたので、真の実力を隠してスローライフします〜㉑

その理由として俺の体の状態を周囲に知らせることで
「ユウトは病気だ」
という認識を持たせることが出来る
というのがある。
さらに俺は、彼女の作る料理を食べると
必ず腹痛に襲われてしまうという設定で、
食事の際には毎回お手洗いでこっそり吐き戻しているため怪しまれることは
ないはずであるが……。
ただどうしても気になることがあって彼女の趣味というか趣向というかを一度聞いてみることにしたのだが、
「えーと、趣味は読書、あと最近は料理を作ってみたいと思っている」
という回答を得たが俺としてはそれだけでは足りないと感じていたのでもっと具体的にどういうものを作れるようになりたいとかあるのかという事を聞いたところ、彼女はこう答えたのである。
「えーとそうですね……。お菓子なんかを作りたいなと思っています。
後はパン作りもやってみたいと考えていますけど。それから他にも色々と……」
と言っていた。
やはり何か目的のようなものはあるようで その目的を達成するために努力は怠らないという姿勢は立派だなと感じたのだった。
また俺はある時から夢を見るようになったのだが、 どうもそれはただの夢では無く前世の記憶だということが判明したのだ。
そうその夢の中身というのが実に生々しいもので最初は自分が女性になった状態での生活を延々と見せられるという 内容なのであるが徐々にそれはエスカレートしていき遂には俺の精神が乗っ取られそうになるといったものになっていたのだ。
ちなみにその時の状況というのは
以下の通りで……。
「おい起きろ。早くしないとその首跳ね飛ばすぜ!!」
どうもこの女かなり気が
立っているようである。
理由は単純で どうにも俺に対して苛々していることだけは確かだが、何故そのような態度を取っているかまでは
俺自身把握できないのだ。
だがこのまま寝ぼけたままだと殺されかねないと思い 急いでベッドの上で飛び起きる。
それと同時に枕元の照明魔道具を付けると同時に、窓の方を見て現在の時刻を確認すると どうも既に深夜帯になっていることが
分かったのだ。
さてこれからどうしたものか?
と頭を悩ませていたところでようやく目の前にいる人物のことを認識することが
できたのである。
その姿を見た瞬間、俺は驚愕に顔を歪めるしかなかったがどうやら向こうもこちらの姿を視界に入れるなり、
「げぇ!!」
などと声を上げていたことから相手も同じく動揺をしていた様子である。
何故なら今まさに俺の前に立っていた女性の容姿と特徴については、俺自身も知る人物でありなおかつ良く見覚えのあるもの
だったからだ。
ただし今の彼女とは髪型と年齢が大幅に異なるため別人である可能性も十分に有り得ると思っていたりはする。
しかしながら、もしもそうであった場合はあまりにも面倒な展開に発展することが予想されるわけだ。
何故なら仮にそうであるならば……どうみても目の前に居る女性はかつての仲間であるあの幼女神なわけであるからな。
正直な所、あまり考えたくはないが、
万が一そうだった場合の対応策などは一切無いわけだ。
68.
「ねぇ~お願いします!!
何でもするんで見逃してください!」
と頭を下げながら懇願される始末である。
俺は何とも言えない複雑な気分に
陥ったのだった。
この女性が本当にあの女神なのか?
確認を取るべく俺は問いかけることにする。
「あんたはもしかして俺が転生するときに担当したあのロリ神様だったりするのか?
それで質問なんだが俺は何歳くらいまで生きられるようになるのだろうか?
場合によっては寿命を縮めるようなこともしないといけないかもしれなくて困っているんだが……頼む助けて欲しい。後ついでにそっちも俺の体を自由に使ってくれて構わない。何しろこんな青年の体を好きに使って貰えるのだからな 、光栄なことだろう?」
すると意外な返答が返ってくる。
「そんなことでよろしかったら喜んで引き受けさせていただきます。
わたくしはあなたのような方にお仕えすることを待ち望んでおりました。どうぞご命令ください。わ・た・く・しの名は……と申されまして……」
と言いつつ突然床の上に平伏したのである。
俺はまだ状況を上手く掴むことができず、
混乱しながらも話を続けるように促す。
すると、 彼女の名前は……と自らを名乗り出したではないか。
しかも俺はその名を知っていた。
いや知っているどころの話では
なかったのである。
「なぁ……まさかお前は…… アルストリアなのか?」
と聞くと即座に反応があり肯定の意思を伝えて来たのだった。
だがどうして彼女がこんな場所にいるのかについては理解不能であり疑問を抱くばかりなのだが、ここで一つ分かったことがあった。
この世界に俺の知り合いの女の子はほとんどいないということが。
そもそもこんなに可愛くて強い子を今まで見たことも無いし聞いたこともないしな……
一体この子は 一体何者なんだ。
そして俺に一体何を求めているんであろう……そういえばさっきの自己紹介の時に、 私の名前は……と名乗ってくれていたな。
ということはやっぱり偽名なのだろうが本名が明かされるまで待つしかないだろう。
ただ俺には何が起こっているのかさっぱりとわからないままではあったんだ。
そう、あれはいつのことだったろう……いや俺の中ではもう何年も前のことになっていたのだけど……ある日の晩に俺達は、突如襲撃を受けてしまいそのまま俺は連れ去られてしまったんだ。
その後しばらく時間が経過すると……今度は、魔王軍の刺客と思われる連中が次々に現れ、そして俺の仲間たちも全員捕らえられてしまいそのまま処刑されてしまったのだ。
69.
そして……俺だけが生き残った。
まぁ……俺の場合は彼女達の犠牲のおかげで助かったのだろうが……それにしても一体どうしてこのようなことになったのだろう。
俺には全く思い当たる節がなかった。
そして……気が付けば見知らぬ部屋のベッドに横たわり眠っていた。
おそらくここはどこかの
宿屋の一室なのだろう。
一体誰が俺を助けてくれたのだろう。
そして一体誰なのだろう。
そして俺にはこの世界に来て
以来ずっと抱えている悩みがあった。
それは……この世界の常識についてである。
というのも……この世界での俺の立ち位置が未だにはっきりしないということが
問題だった。
「それじゃあ 早速行こう。
私はいつでも準備できてるからね」
と言って俺の腕を引っ張ると無理やり外に連れ出そうとしてきたのだった。
「ちょと待て、落ち着け!!」
全く状況を理解していない俺は、
当然彼女に尋ねてみることにする。
すると彼女は親切に説明を
してくれたのだ。
まず、現在俺達が歩いている場所だが、
ここは、王都から見て南西の位置に
あたるらしい。
そして俺達の目的としているのは、
「水の森ダンジョン(通称ウォーターフォレスト)」
であるそうだ。
そこには俺がかつて行ったことのある場所であるが、 俺の知らないような施設も存在するようで、そこに行きたいという
ことらしい。
そこで俺の知識を活かして役立って欲しいという話をされた訳だ。
ちなみに先ほどから会話をしている彼女は…… 実は俺と同い年である。
ただ見た目に関しては子供そのものだからとてもじゃないが信じ難い 出来事でしかないんだよな。
「ここが入口だね。
ここから先は……特に危険なモンスターが出現するエリアではないんだけど、 それでも用心するに越したことは無いからね」
と俺に注意を促してきた。
確かにその通りだと思いながらも俺は、
黙って彼女の後ろについて行くことに
したのだった。
この森の特徴は、名前の通り深い霧で覆われていて常に視界が悪い状態である。
そのため、奥地へと進むにつれて道がわからなくなり迷ってしまう恐れもあるので、彼女から離れないように注意しながら
進んでいった。
このダンジョンには何度も来たことがあるはずなのに、 俺はまるで初めて
の時のように感じている。
それだけ緊張しているってことだな。
70.
「ちょっとストップだ。
この先に魔物がいるようだ」
と俺のことを呼び止めてきた。
ちなみに彼女も、戦闘に参加するらしく武器を用意しようとしている。
そして彼女が手にしている
得物は……鞭である。
そして彼女がそれをヒュンと勢いよく振るうと、 風を切る音が聞こえてきた。
これはかなりの腕前であることが
容易に想像できる。
ちなみにその鞭というのは、彼女が愛用しているものらしくて非常に攻撃力が高い代物らしくて、これを振るうだけで大抵の敵は倒すことが可能らしくて
非常に頼りになる存在だ。
俺が召喚術を使えるように
なったと知った時には、
「へぇーそうなんですか。それは素晴らしい能力ですよね。だって私に死ねと言っているようなものですもんね」
などと意味不明な言動を繰り返すようになっていったのだ。
その意図は不明だが明らかにいつもとは様子が違ったので思わず怖気づいて腰を抜かしてしまったのだった。
その様子をみたあいつは、更にニヤリとした表情を浮かべ、ゆっくりとこちらに向かって歩み寄ってきたのだ!
こいつは絶対にヤバすぎる……。
このままだと俺の命が危ない……。
なので俺は、魔法を唱えることにしたのだが……。
「ユウト様のお情けを受けることができるなんて……本当に幸せでございます」
そう言い放つと彼女は服を脱ぎ始めたのだ。
もちろんそれを止めるのは簡単だったが、
何故か止めることができなかった。
「ねぇ……キスをしてよ……。お礼の意味を込めて……」
と潤んだ瞳を向ける。
ここまで迫られて拒否することは
さすがにできなかった。
彼女は俺に口づけを求めてきて
俺は受け入れた。
ちなみに今の彼女はというと既に俺に対して敵対意識のようなものは完全に消え失せており、俺に対する態度もこれまでの ツンデレ具合とは異なりすっかり素直になってしまったのだった。
ちなみにその前に、彼女が身につけていたアクセサリーは全部没収していた。
そして代わりに俺が買った物をプレゼントとして渡してあげて、彼女は嬉しさのあまり泣き出してしまいしばらくの間、俺にしがみついてきて離れてくれなかった。
こうして、俺は無事に彼女を仲間にすることに成功し、
「あなたがマスターですね? 初めまして。私の名前は全ておわかりになっていますよね? えぇ勿論。ただ申し上げるのは面倒でしたので、省かせてもらいました。それよりも私のことを愛でてくださいませ♪ その手で触れることにより更なる快感を得られると思いますのでどうぞよろしくお願いします。それと後でマッサージもして欲しいですね。疲れていますので宜しく御願い致しまーす!!」
と言うなり俺の胸に抱きつく形で密着してきてスリスリし始めたのだ。
俺のことを男扱いしていないのか?
と疑いたくなるが、そもそも男女問わずスキンシップを求めてくるのが、俺の奴隷の特徴みたいなものでもある。

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