はいっ詩です💛
真っ白な病室の中
ベッドの上に横たわるほむらの姿があった
身体中を包帯で覆われていて、顔にも大きなガーゼを当てられている
痛々しいその姿を見るだけで、さやかの心はひどく乱れた
……本当に大丈夫なのかな
生きてるよね、あんた
今すぐ駆け寄って抱き締めたい衝動に駆られるけれど、同時に怖いとも思う
もしもこれが夢じゃなかったらどうしよう
目覚めた時に誰もいなかったら、一人きりになっていたら、
どんなに辛い思いをすることだろう。……だから、行かない方がいい
このまま何も知らないふりをして、ここで待っていよう
やがて目が覚めて元気になった暁美さんと一緒に帰ればいいじゃないか
そうやって自分に言い聞かせているうちに、いつの間にか眠っていたようだ
はっと目覚めると、辺りはすっかり暗くなっていた
窓から見える景色も、先程までの青空とは一変して夜空が広がっている
あれ、いつの間に寝ちゃってたんだろう
ふと時計を見ると、午後七時半を過ぎている
えぇ!? もうこんな時間! 慌てて起き上がって部屋の明かりをつける
それから窓際に近付いて外を覗いてみた
……うん、やっぱり間違いない。ここは現実の世界だ
ほっとして息をつく
するとその時、玄関の方から物音が聞こえてきた
誰か帰ってきたみたいだ
でもこんな時間に誰だろう?
不思議に思いながら廊下に出ると、ちょうどまどかがリビングに入って来るところだった
彼女はあたしに気づくと、嬉しそうな顔をして近づいてきた
あたしもつられて笑顔になる
よかった、無事に帰って来れたんだね
おかえりなさい、まどか
声をかけると、なぜかきょとんとした表情でこちらを見つめてくる
……ん? どうかしたのかな
すると突然、その目に涙が溢れてきた
そしてそのまま泣き出してしまう
ど、どうしたの急に?
あたし何か悪いことしちゃった?
慌てるあたしに、まどかは首を横に振って答える
違うの
杏子ちゃんは何も悪くないんだよ
ただ……嬉しいだけなの
こうしてまたみんなと一緒にいられることが
でも、ごめんね
わたし、うまく言えないや……
しゃくりあげながら、途切れがちに言葉を紡ぐ
あの日、ほむらちゃんがいなくなってから、ずっと不安だったの
いつか杏子ちゃんも、さやかちゃんも、マミさんのことも忘れて、
一人ぼっちになってしまうんじゃないかって
でも、違った
こうしてまた一緒に過ごすことができた
それがすごく幸せなの
ありがとう、杏子ちゃん
さやかちゃん
ありがとう、マミさん
ほむらちゃんに会わせてくれて
お礼を言うと、まどかは両手であたしの手を握ってくる
そして何度も繰り返した
ありがとう、と
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