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夫婦のカタチ


七夕の日
彼は私の手から離れて行った

哀しい物語の主人公のように
2人には逢えることない日

願いを込めて書いた短冊は
あの日から
書けない

私にとっては
生涯忘れられない日

夫婦のカタチは
いろいろあれど

最終的に私たちは
非凡な夫婦であった
衝撃的な出会いから
32年間の夫婦生活
が終わり

ひとり残された私は
何をすべきかもわからない
あまりにも2人の時間は
濃厚で幸せだったからなのか

彼を知ったのは
15歳
彼を意識したのは
18歳

そして
俗に言う
不倫カップルであった

世間から後ろ指を刺される
立場の私はまだ10代
そして
そんな雰囲気すら感じない
世の中を知ったかぶりした
生意気な女だった

彼の悲しげな背中
哀愁の漂う表情
どこかしら寂しげで
どうにかしてあげたい
守ってあげたくなる

いつしか
プライベートな話しを
お互いに曝け出し
人には言えない部分を共有
していった

いわゆる
動機は不純と言われても
純心な心で結ばれていたのだが…

恋多き女
だから
恋のままで終わらせたら
良かったのだろうか


いつしか
大切な人となり
様々な障害を乗り越えて

晴れて夫婦となった
かと言って
私には
結婚願望なんて
なかったし
結婚式やウエディングドレスなんて全く興味はなかった

ただ、ただ
一緒に居たいの気持ちだけ

この人なら
自分を理解してくれる
この人なら
信頼できる
そんな感じの結婚だった

飽き性の私が唯一
飽きなかった
彼との生活

不協和音もあった
妻、母、嫁、社会人の
肩書きの中で
もがいている自分もいた

でも
いつも傍らに居て
寄り添ってくれた彼

彼には社会的地位があり
忙しい人生だった

仕事and生き甲斐として
人様の面倒を見ること
をしていた
自分よりも人のために
地域のために
より良い社会のために
時間を費やした生涯

家に帰ると
ただの寡黙な家人となり
家族を見守ってくれた


夫婦のカタチは
いろいろあって

私達は歳の差婚だし
公表はしていないが
出会いは人には言いたくなかった

こんな夫婦のカタチもある
人生を賭けて
愛して愛される最高の瞬間だったこと

あの世に行って
1番に彼に逢ったら

とても
幸せな人生だった
と伝えたい
ありがとう
愛していると…

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