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これでバッチリ!『功利主義』のまとめ

こんにちは、らるです。

これまで『功利主義』に関して
全部で13個の記事を書いてきました。

今日は、そのまとめをやっていきます!

とりあえず、これだけ知っておいて欲しい
ということろをまとめましたので
ぜひ読んでみてください!

功利主義ってなんなの?

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『最大多数の最大幸福 道徳および立法の諸原理序説より』P101

『功利の原理』というのは
メチャクチャ単純です。

あなたにとって苦痛=悪い
あなたにとって快 =良い

これだけです。

『功利主義』がめざすところの
「最大多数の最大幸福」というのは

ようは、
社会の中の「良い」を最大にしたい
ということです。

そして、
社会の中の「良い」は
一人ひとりの「良い」を
全部足し合わせたものです。

ですから、基本的には
一人ひとりが自分の「良い」を
最大にするように頑張ればいい
わけです。

簡単ですね。

ココだけわかってくれれば
大半の人にとってはそれでいい
という気がします。

何が「良い」ことなの?

ですが、ここで疑問を持つ人が居るかもしれません。

「良い」を目指せって言っても
じゃあ、何が「良い」なの? と。

その答えは

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『最大多数の最大幸福 道徳および立法の諸原理序説より』P112

という事なんですね。

例えば
「お酒を飲む」という行為一つとっても

好きで、強い人には快を生みますし
弱い人には不快の元になりますし
病気の人には死の元にすらなってしまいます。

何が「良い」のかは
自分で判断するしかない、
ということですね。

・一人一人が、自分の「良い」を目指そう。
・何が「良い」かは自分で決めるしかない!

 
「良い」の判断ポイントとしては
以下のようなものがありますので
参考にしてみるといいかもしれません。

①快の大きさ
②快の続く長さ
③快が得られるかどうかの確実性
④快を手に入れるための時間
⑤快の多産性

その快から連鎖して、別の快が得られるかどうか
⑥快の純粋性
その快が、同時に苦痛を生み出さないか

功利主義って少数派を犠牲にしそう…

さらに、こんなことを思う人がいるかもしれません。
「最大多数の最大幸福」という言葉からすると
「少数が犠牲になる」
んじゃないの?

これは実際その通りです。

ですが、
ここでいう少数というのは
「弱者のことではありません」

犠牲になる少数=弱者という構図は
よくイメージされる
ものですが
功利主義においては違います。

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『最大多数の最大幸福 道徳および立法の諸原理序説より』P39

功利主義において、
犠牲になる少数とは
弱者ではなく、貴族や金持ち
なのです。

持たざる者に苦痛を与えるのは
総和としての幸福が減少する
=功利主義に反する

ということですね。

月収1000万円の人から5万円取っても
なんてことはありませんが


月収10万円の人から5万円取ったら
生死の危機に瀕して
しまいます。

持たざるものから奪う のは
幸福を大きく減少させるので
功利主義的にはダメ
なのです。

この辺りの話は↓の記事に書きました。

快楽を求めることより、
もっと大事なものがあるんじゃないの?

更にこんなことを考える人が
いるかもしれません。

「良い」だけ求めるって
自分にとっての「快楽」を
追いかければいいってこと?

人間には
「快楽」よりも
大事なものがあるんじゃない?
例えば…『道徳』とか『正義』とか


この疑問も、最もです。

これに答えているのが
J.S.ミルさんの『功利主義』という本です。

ミルさんの結論は
『道徳』も『正義』も
功利主義と矛盾しないよ!
ということに落ち着きます。

とても簡単に説明すると…

『道徳』も『正義』も
時代によって変わっていってるし…
絶対のものはない
よね。
(市民と奴隷が居るのが前提の時代もあったし
 戦争時代は人を殺すのが正義でしたよね)

でも…その時代の人たちの中で
『道徳』も『正義』も
なんとなくのイメージが一致するのは
「何か根本的な法則」に則ってる
からだよね?

その「根本的な法則」っていうのが
「その集団の中で、多くの人が幸せになれる」
すなわち「功利主義」の考え方
だよね?

…というのがミルさんの主張です。

道徳については第三章で

正義については第五章で

それぞれ紹介されています。

結局のところ、
「道徳」も「正義」も功利主義と一致する
というのが結論です。

まとめ

功利主義は
最大多数の最大幸福を目指すものだが
基本的には、一人ひとりが
自分の幸福の最大化を目指せばいい

功利主義で犠牲になるべきなのは
弱者ではなく強者
弱者から奪うと、不幸が大きくなりすぎる

「道徳」も「正義」も
根元まで辿れば「功利主義」と一致する

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