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古い宗教は消え去って、新しい宗教が出来たのか?【宗教の起源③ 第一章-①】

こんにちは、らるです。

今日から『宗教の起源』第一章を
見ていきたいと思います。

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宗教の発展と宗教の研究に用いられてきた手法について
というのが、第一章全体の話なんですが

今日は、そのうちの宗教の発展の部分…すなわち
歴史の話を紹介していきます。


宗教の大分類

宗教の歴史…というのは

大別すると
・初期のアニミズム宗教=原始宗教
・その後の教義宗教

の二つに分けられている

というのが定説になっているのだそうです。


ますアニミズム宗教というのは
アニマ=霊という言葉が語源になっています。
人間以外の生物や泉、川、森、山…
みたいなものにも、このアニマ=霊が宿る
…というような感覚に基づいている
宗教です。

こういった宗教が、原始宗教と言われています。

ただ、原始…といっても
実はこの感覚というのは、今でも私たちに残っています

人間の精神の根っこ
デフォルト状態の心理(素朴心理)に
この「アニミズム」的な感覚が残っているというわけですね。

例えば、こんなことをやったり、見たことはありませんか?

・湖や水の中に、お金を投げ込んで願い事する
・おみくじ引いて、木の枝などに結ぶ

おそらく、多くの人はあるんじゃないでしょうか?

こうしたことを、どうしてやるのか?
…というのを改めて考えてみると

そういった自然物に「何か特別な力がある」という考えが
どこかにあるはず
なんです。
これが「アニミズム的だ」というわけなんですね。

もちろん、本気で信じてるかと言われたら、
そうではないかもしれせまんが

「それでも、なんとなくやっておいたほうがいいかな…」

という感じが、おそらくしてしまう人が
多いでしょう。

これがまさに、人間の根っこ、素朴心理に
アニミズムがある…ということなんですね。


その後に現れた『教義宗教』


では、その後に現れた
教義宗教の話をしていきます。

今、世界に広まっている宗教は
大体こちらの『教義宗教』に分類
されます。

キリスト教、仏教、イスラム教なんかは
典型例です。

「形式的になっている」という点が特徴で
・信仰の場が常設される状態になっている
・神学も体系されている
・組織の形もバッチリ整っている

これはおそらく、
多くの人の宗教のイメージ通りでしょう。

ですが実は、この教義宗教が主流になったのは
人類の歴史…という観点で言うと
「ごく最近の話なんだ」
と、ダンバーさんは言っています。


昔の原始宗教は消え去ったのか?

昔は原始、今は教義…というのが
定説になっている…という話だったのですが
実は、これは
「明確に分けられるものではない」というのが
ダンバーさんが強調しているところ
です。


教義宗教というのは

原始宗教とかアニミズム宗教の上に接ぎ木されたものだ

古い宗教は無くなったのではない
今の宗教のは、古い宗教の上に積み重なっただけだ
と言っているんです。

ここは、ダンバーさんが「本書の核心」とまで
言っているくらいなので大事なところです。

教義宗教であるキリスト教にも
まさにその例が見られるようで

例えば、クリスマスが
それ以前からあった
古代ローマのサトゥルナリア祭に重ねて行われていたり

イースター(復活祭)も、
もともとはゲルマンの女神の名前で「彼女に捧げる月」と言う
いかにもアニミズム的なものを感じる言葉からきているそうです。


古い宗教は無くなったのではない
新しい宗教の土台になっている

…という点を、今日はぜひ覚えてもらえるといいでしょう。



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