GWENTどこ置く ver.鏡の達人
はじめに
1. 近接列、間接列
2. 列効果
3. こちらの盤面に依存した効果のカード
4.各勢力における破壊、除去
おわりに
はじめに
新拡張「鏡の達人」が配信され、環境が大きく変貌し盛り上がりを見せているGWENT。偏りはありつつも様々なデッキがランクマッチを賑わせている。このゲームにおいてマッチの勝敗を分けるのはお互いの戦力値であり、カードパワーやカードシナジーを考慮しつつ、各カードを強いタイミングで切ることが戦力値に差をつけることは自明である。また、その事項と並び、戦力値に差が付くのはカード配置である。カードをどこに、戦力値何点で配置するのか、その調整1つで相手から受ける被害が変わってくる。GWENTは1点の重要性が高く、それが勝敗を左右することもあるのがこのゲームである。カード配置というのは自分でコントロールできる事項であり、適切に行えている人とそうでない人とで確実に差が付いてくる。
今回は、以前にDEKKIの掲載させていただいた「GWENTどこ置く」記事を現環境に沿った形で改め、確認していこうと思う。現在展開しているカードにおいて、こちらの盤面依存でバリューの変わってくるカードに注目しつつ、自陣における適切なカード配備について整理していく。
※採用率は◎○△×で評価
1.近接列、間接列
まずカード配備を考える上で、最も基本となる項目は近接列、間接列、どちらにプレイをするかである。以前とは違い射程の概念がなくなっているためやや神経質になる必要はなくなってきているが、依然として特定の列に対して強く働くアビリティのカードがあり、どちらの列に置いても同様の働きができるカードにおいては考えてプレイしていく必要がある。
○近接列へ強いカード
・アルバ師団の槍兵(ニルフガード) ×
○間接列へ強いカード
・強化トレビュシェット(北方諸国) △
・ドル・ブラサンナの弓使い(スコイア=テル) ○
種類はそんなに多くなく勢力も限定される。ニルフガードのアルバ師団の槍兵、北方諸国の強化トレビュシェットは放っておくと高バリューを叩き出すカードである。特に強化トレビュシェットは北方諸国シナリオ「包囲攻撃」からも生成され、とりあえず間接列にプレイするのが安定とは言えない状況を作っている。強化トレビュシェットは奮起アビリティの削除後の環境において、アルバ師団の槍兵と共に採用率は高くない。とは言え、意表をついた採用もあり特別な理由がなければ対ニルフガードへは間接列、対北方諸国へは近接列から配置していくのが充当と言える。ただし、それらのユニットでけん制し北方諸国のサブリナ・グレヴィッシグなどの列攻撃を決める動きも頭に入れておく必要もあり、アルバ師団の槍兵や強化トレビュシェット除去が難しいデッキではその辺りを考慮した列配分が重要になってくる。
ドル・ブラサンナの弓使いも間接列の方がダメージの高いユニットである。エルフハイランダーや調和などのデッキで採用されており、1点を争うショートラウンドや戦力値3点のエンジンカードや命令カードを置く際は考えておく必要がある。
項まとめ
・近接列へ置く際、相手勢力がニルフガードの場合は注意が必要。
・相手勢力が北方諸国、スコイア=テルの場合は、間接列へ置く際注意が必要。
2.列全体効果
HC後のGWENTでは盤面が2列となり同一の列に置かれるカードは増え、相対的に列全体へ影響を与えるカードは強化されている。特に現在の環境は多くのユニットを展開するデッキコンセプトが多く、脅威となりやすいカード効果である。
〇列全体へ影響を与えるカード
・ゾルタン:無頼漢(ニュートラル) ×
・レジス(ニュートラル) ×
・竜の夢(ニュートラル) ×
・ゲラルト:イャーデン(ニュートラル) ○
・巨大イフリット(ニュートラル) ×
・降伏(ニュートラル) ×
・スケリッジの嵐(ニュートラル) ×
・切り裂き(ニュートラル) △
・人虎(モンスター) ○
・サブリナ・グレヴィッシグ(北方諸国) △
・トルヴィエル(スコイア=テル) △
・圧殺の罠(スコイア=テル) △
・ドラムンドの戦争狂(スケリッジ) ×
・ティンボイ(シンジケート) △
スコイア=テルの圧殺の罠、北方諸国のサブリナ・グレヴィッシグなどはコストもニュートラルの切り裂きと比べ安価であり、費用対効果も高い。
守護者の登場後、大きくブーストするエンジンが同一列に並ぶことが増えたため、ゲラルト・イャーデンの採用が増えた他、モンスターにおいて両列天候への警戒で同列へ偏ったユニット配置を読み人孤採用も増えてきている。
これらの対策をするならば同一列に偏ってカードをプレイしないというのは、明々白々であると言える。
ただし、天候人孤に関しては計算が難しい。鏡の達人拡張から天候ワイルドハントの復活があり天候モンスターデッキが増えている。そしてそのデッキに相対したとき人孤のダメージと天候のダメージを天秤にかけながらユニットを展開する必要がある。
例えば、アードガイスと人孤が相手手札にあると読むならば、こちらが両列展開をしていることによって増えるダメージは3ターン6点、人孤のアビリティはほぼ遺言も発動することを考えると列全体各2点。両列に均等展開することで人孤のダメージを躱せるユニットが4体いれば8点躱すことができる。よって自陣他方の列にユニットはいない状況で8体以上のユニットが同列に並ぶ場合にはユニット数を各列均等に配置した方が良いと言える。その場合、4枚まで同一列に並べ5枚目のユニットから他列に並べるのが良いだろうか。当然これは1例である。エレディン・ブレアック・グラスがいる場合や赤の騎士団などもあり、その状況に応じた列配分を残りターン数やエレディン・ブレアック・グラスに対する支配や除去の有無を考慮して考えておく必要はある。いずれにしても天候デッキを相手にする場合3ラウンド全体を見据えて立ち回っていく必要があり、ロングとなった3ラウンド目に天候と列全体効果を使われると厳しい戦いが待っていると言える。
こうした列配分を考える際、事前に気を付けて行かなければいけないのはアビリティ発動列である。どちらの列にプレイするか既に決まっているカードが一方の列に偏っている手札の場合、ラウンド開始時にどちらの列に偏りそうか自分の手札を見て想定しておき、配備列に制限のないユニットをどちらの列に配置するか考えておく必要がある。
〇別の列に応じてダメージが変化するカード
・銛撃ち(スケリッジ) ×
他列のユニット数に応じたダメージを与えるカードもあるが、採用率は高くないため列全体効果を優先してケアした方が良い。
項まとめ
・近接列、間接列は基本均等な数配置できるよう、ラウンド始まりに想定しておく。
・相手に天候があるデッキならば序盤は基本1つの列に並べる。
・天候は3ラウンド目はショートラウンドにしたい。
・天候人孤は計算が大変。
3.こちらの盤面に依存した効果のカード
この項では、こちらの盤面に応じて効果・価値が変わるカードについて紹介していく。
〇点数別追撃
・ニュートラル
-1点 供物 △、グレゴアール・ド・ゴルゴン ×
-2点 ヘン・ゲイズの剣 ×
-3点 サマム ×、アラキスの毒 ×
-4点 北風 △、レジス:血の渇望 ×
-毒 悪魔のホコリダケ ×
・モンスター
-1or3点 ゲイル ×
・ニルフガード
-1点 ミルトン・ド・ペイラック・ペイラン ×
-2点 パルメリン・ド・ローンファル ×、とどめの一撃 ○
・北方諸国
-1点 ケイドウェン軍の亡霊兵 ◎、サブリナの獄炎 ×
-2点 シントラの騎士 ×、禁断の魔術 ○、ロッシュ:冷血漢 △
-3点 ファリバー ◎
・スコイア=テル
-2点 ブロキロンの歩哨 △、シルサ ×
-3点 待ち伏せ(死んだふり) ○、生命の循環 △
-5点 自然の戒め ◎
・スケリッジ
-2点 原初の獣心 △、諸族の衝突 △、血の鷲 ◎
・シンジケート
-2点 引き潮団の漁り屋 ×、永遠の炎尋問官 ×、給料日 ×、天罰 ×
-3点 ボリス ×、ディエス・イレ ○
以前は戦力値が低いユニットが多く猛威を振るった追撃というアビリティだが現在の採用は大人しめである。しかし、依然勢力によっては特定の追撃カードが高い採用率を誇っており、盤面の点数調整可能なカードが存在していたり、前のターンに上記条件の点数まで調整してきた場合などは注意が必要である。それらの戦力値を残しておくことはリスク高い状況となるため、可能であればブーストをするなどのケアをしておきたい。
〇隣り合わせになるカードや同列内の配置によってダメージが変わってくるカード
・ニュートラル…アラキスの毒 ×、悪魔のホコリダケ ×、紅霞 ×、嵐 ×
・ニルフガード…反逆 △、暗殺 ◎、ミルトン・ド・ペイラック・ペイラン、マンゴネル ×、魔術師の潜入工作員 ◎
・スコイア=テル…ムアレガ ×
・スケリッジ…ドラムンドの戦争狂 ×
・シンジケート…天罰 ×、酒場の揉め事 △
HC直後などはアラキスの毒が一定数いたため、3点や2点、そしてニルフガードと相対するときは更に1点のユニットは列の端になるようにプレイしていくケアが大事であり、これは同時に砂嵐対策にも繋がっていた。しかし、現在それらの追撃両隣ダメージカードの採用はかなり稀なため、ニルフガードやシンジケートを相対したときの反逆や酒場の揉め事などのケアとして、戦力値の高いユニットと低いユニットが交互に来るように並べると良い。ただし、ニルフガードは暗殺というカードがあり、戦力値が5のエンジンユニットを端に配置すると除去されてしまうため、護りたいユニットは内側へ配置する意識を持ちたい。また、隣同士の効果のケアを考えるのであれば、できるだけアーティファクトはユニットの間に置いた方が良い。
鏡の達人拡張にてニルフガードに魔術師の潜入工作員が実装され隣り合う低戦力値のユニットが一気に除去することが可能になった。例えば、これまで安易に置くことができていたエンドレガの幼虫の初手置きにリスクが生じるようになった。一応ストラタジェムやユニットの左側にプレイすることで、エンドレガの幼虫同士の配置位置を離すことができるためケアは可能だが注意が必要になったことには変わりがない。
項まとめ
・列の中では戦力値の低→高→低→高→…のようにユニットを配置する。
・ニルフガードが相手のときは、破壊されたくないユニットは他のユニットに挟まれるように配置する。
・アーティファクトはユニットとユニットの間に配置する。
4.各勢力における破壊、除去
〇破壊カード
・ニュートラル…焦土(盤面全体の最大戦力値複数)△、ゲラルト:プロフェッショナル(3の倍数)×、ヴィレントレテンマース(盤面全体の最大戦力値複数)×、コラスの熱波 ◎、ゴウンターオーディム(破滅)×、ダンディリオン:虚像(野獣)×、マラアル(毒×2)○、リヴィアのゲラルト(戦力値9以上)△、ゲラルト:イグニ(合計戦力値20以上の列の最大戦力値複数)○、堕落の呪い(盤面全体の最大戦力値単体)×、猛獣狩り(最大ベース戦力値単体)×、デネルのアイク(戦力値9以上)×、疫病(コスト4)×、ひとだま(破滅)×
・モンスター…イムレリスの憤怒(イムレリス)△、巨大マンティコア(遺言・最小戦力値単体)△、鷲掴み(両陣最小戦力値単体)△
・ニルフガード…ヴィンセント・ヴァン・ムーアレヘム(状態)◎、ヴァティエール・ド・リドー(封印強奪)×、イェネファーの祈祷 ○、レオ・ボンハート(戦力値9以上、ウィッチャー)×、ヴィルジフォルツ △、屍毒(盤面全体のチャージ量と同じ戦力値)×
・スコイア=テル…シーヒル(このユニットと同じ戦力値)△、毒蛇の罠(スペシャルプレイ)×
・スケリッジ…トリッグヴィ・テルショック(裂傷)◎、ヴァヴョルン(ベース戦力値以下)×、王者の猛攻(狂騒3)△
・シンジケート…グラデン(懸賞金)△、モリールセ(コイン6枚)○
現在のGWENTには破壊カードが豊富に存在する。そのほとんどはニュートラルのものだが、ニルフガードにも多いのはメタ勢力としての色付けだろうか。全体の多くには条件があり勢力ごとで注意する点を押さえておきたい。破壊カードは特に大きな戦力値のユニットに対して働くものが多く、1試合通して必死に準備して叩き出した大きな戦力値を、相手に破壊カードを持たれていただけで破壊されるリスクがある。そのためなるべく1つのユニットに戦力値が偏るのは避けること、またデッキ構成上そういったユニットが生じてしまう場合は3R目の後攻を取ること、この2つに気を付けたい。更に複数破壊もケアするならば最大戦力値ユニットが複数いる状況を避け適度に戦力値のばらけを出したい。
記載していないが戦力値を初期化するカードもニュートラルに多く存在するため1つのユニットにブーストが集中することも避けるべきである。特にニルフガードや北方諸国と相対する際は特に意識しておく必要がある。
〇勢力ごとのプレイで出せる中威力(4点~)のダメージカード
・モンスター
-4点 自然淘汰 ◎、アダ:ストリガ(支配)○
-6点 寄生虫 ◎
・ニルフガード
-4点 アードフィアインの軽騎兵隊(アーマー)×、遍歴のトゥサンの騎士(戦力値6以上)×、馬上試合 ◎、セリット(オーケスが手札)×、アトレのレインファーン(陰謀)×
-5点 マンゴネル(密偵で囲まれている)×
-6点 暗殺(隣にユニットがいると下振れ)◎
-7点 大会用シェルマール(対ニルフガード)× (´◉◞౪◟◉)
・北方諸国
-4点~ 一斉射(ランダムダメージ)△、アンセイス王子(ブーストで決闘)◎、フィリパ(2撃目以降はランダムヒット)◎
-5点 煮え立つ油 ◎
・スコイア=テル
-4点 ミレン △
-5点 自然の戒め ◎
・スケリッジ
-4点 強打 ◎、腸抜きの斬撃 △、ドナール・アン・ヒンダー(狂騒2)△、スクヨルダル・ダラムンド(2R) ◎
-5点 王者の猛攻 △、スクヨルダル・ダラムンド(3R) ◎
-6点 腸抜きの斬撃(狂騒2) △、精神錯乱(列ランダムヒット) ○、ギガスコーピオンの偏移抽出液 ◎
-7点 強打(アーマー)◎
・シンジケート
-4点 愉快痛快(コイン枚数で上振れ)△、襲撃 △、モリールセ ○
-6点 襲撃(サラマンドラ2体)△
鏡の達人拡張により配備時4~6点のエンジンが非常に豊富になった。またその一部は遮蔽を持っており、封印や毒などによるエンジンの停止が困難となっており、中ダメージ除去の価値が上がっている。安易にエンジンカードをプレイすると勢力によっては即除去されバリューを出せずに終わってしまう。リーダースキルや守護者の利用、そしてプレイするタイミングを計る必要がある。
ニュートラルも載せると種類が膨大になるため各勢力に絞って記載した。破壊カードも多かったニルフガードがここでも豊富なカードプールとなっているがやや癖が強いものが多い。特筆はスケリッジで、種類の豊富さとその癖のなさがそれらの採用率の高さを後押ししている。今回、戦力値を抑えてアーマーを付与することで破壊しづらいが点数のノビを抑える調整をされたカードが散見され、それにより強打の価値は4コストの中に収まらなくなっているように感じさせる。
項まとめ
・1つのユニットの戦力値やブーストを偏って大きくさせない。また戦力値を揃えない。
・大きな戦力値になってしまうカードがあるときはなるべく3R後攻を取りにいく。
・エンジンを配置するときは相手勢力ごとの中ダメージ除去カードを意識する。
・追撃や除去に注意する戦力値は1、2、3、4、5、6、9。つまり7、8の戦力値が防御力は高い。
おわりに
GWENTは鏡の達人拡張によりカードの種類が増えデッキは多様化してきている。そのため当然そのすべてを対策することは困難である。すべてを対策しようものなら逆に立ち回りが弱くなることもある。相手のデッキにどんなカードが入っており、それが手札に入ってきているかは常に考えておく必要がある。しかし、そういったカードが相手のデッキに入っていない、環境に少ないと読んだからといって、ケアできる場面で行わなくていい理由にはなり得ない。これらのケアを当たり前に行えることが常勝に繋がっていくのである。
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