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平成31年(2019年)度 東京都登録販売者試験問題( 午後 )その7 問91-95

・はじめに

ひきつづき、少しずつ過去問を解いていきましょう。
流れとして、
問題→解説→ワンポイント(現場で使えるような自分なりの考え方)
を入れて少しでも親しみやすくなれば幸いです。^^

もし、個人講義やある程度の集団勉強会をご希望の方がいらっしゃれば、仕事依頼連絡先からコンタクトください。可能な限りサポートいたします。

問91

毛髪用薬の配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
aヒノキチオールは、ヒノキ科のタイワンヒノキ、ヒバ等から得られた精油成分で、抗菌、抗炎症などの作用を期待して用いられる。
bカルプロニウム塩化物は、末梢組織において抗コリン作用を示し、頭皮の血管を拡張、毛根への血行を促すことによる発毛効果を期待して用いられる。
cカシュウは、ウコギ科の生薬で、血行促進、抗炎症などの作用を期待して用いられる。
   a b c
1正 正 正
2誤 正 正
3正 正 誤
4正 誤 誤
5誤 誤 正

(答え)4
a〇 これは〇になります。ヒノキって実は抗菌効果があるということは昔から知られています。そういう意味だとヒノキの家は清潔なんですよね。昔の方々の知恵は素晴らしいですね。
b× これは一見〇っぽそうに見えますが×になります。抗コリン作用を示すということは副交感神経の働きを抑えるので、交感神経が働くと考えた方がわかりやすいかと思います。なので血管は収縮しますよね。ここは抗コリン作用→コリン作用と直せばOKになります。
c× これは×になります。カシュウは、タデ科のツルトクタミの塊根を基原とする生薬になります。効能は、頭皮における脂質代謝を高めて、余分な皮脂を取り除く作用になります。
ちなみにこの文章はチクセツニンジンになります。

問92

歯痛・歯槽膿漏(のうろう)薬の配合成分とその配合目的の組合せの正誤について、正しい組合せはどれか。
    配合成分                配合目的
aイソプロピルメチルフェノール  歯肉溝での細菌の繁殖を抑える
bチモール            歯の齲蝕(うしょく)(むし歯)により
                 露出した歯髄を通っている知覚神経の
                 伝達を遮断して痛みを鎮める
cカルバゾクロム         炎症を起こした歯周組織からの出血を
                 抑える
dグリチルリチン酸二カリウム   歯周組織の炎症を和らげる
 a b c d
1正 誤 正 誤
2正 正 誤 正
3正 誤 正 正
4誤 正 正 誤
5誤 誤 誤 正

(答え)3
a〇 これは〇になります。実はフェノールって殺菌効果があるんですね。クレゾールってご存じですか?これもフェノールの骨格があって似ているんですよね。
b× これは×になります。チモールも上記同様の作用になるためその段階であやまりです。この文章は局所麻酔薬なので違うんですよね。
c〇 これは〇になります。医療用だと内服の医薬品でこの成分があります。
d〇 これはすぐに〇とわかってほしいですね。よく歯磨き粉などにも入っています。実は甘草の成分なのはご存じでしたか?これなんですね。豆知識として覚えておくといいですね。

問93

 咀嚼(そしゃく)剤である禁煙補助剤及びその配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a噛(か)むことにより放出されたニコチンは、主に口腔(こうくう)粘膜から吸収されて循環血液中に移行する。
b口腔(こうくう)内を酸性にする食品を摂取した後は、しばらくは使用を避けることとされている。
cニコチンは、アドレナリン作動成分が配合された医薬品との併用により、その作用を減弱させるおそれがある。
dニコチンは、インスリンの血糖降下作用を促進して 、効果を増強させるおそれがある。
 a b c d
1正 正 正 正
2正 正 誤 誤
3正 誤 誤 正
4誤 誤 正 誤
5誤 正 誤 正

(答え)2
a〇 この通りですね。ポイントは噛んだ後、ほほの内側にはさんで歯茎などの口腔粘膜から吸収させることですね。あとは味を感じなくなったらまた噛むことですね。
b〇 この通りですね。コーヒーや炭酸飲料などの酸性食品を摂取すると口腔内が酸性となり、吸収が落ちます。ということは、レモンなどのすっぱいもの(梅干しはアルカリですが・・・)は注意ですね。どのぐらい間隔を空けたらいいかは添付文書をみましょう。
c× これは一見〇に見えますが実は×なのです。ニコチンは交感神経刺激作用を有します。そのためアドレナリン作動成分が配合された医薬品との併用により、その作用を増強させるおそれがあるので注意が必要です。
d× これは×になります。ニコチンがインスリンの血糖降下作用に拮抗(きっこう)して、効果を妨げるおそれがあります。
参考までに、これが何を意味するかというと、インスリンが効かないとブドウ糖が体の中にエネルギー源として蓄えられないばかりではなく、高血糖が続くのでこん睡を起こすことも考えられます。一番の注意はこういったのを急に始めたり、急に中断すると体の反動が起こります。その時に悪影響が起こる可能性があるので注意が本当に必要です。

問94

ビタミン主薬製剤の配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
aビタミンB1は、下垂体や副腎系に作用してホルモン分泌の調節に関与するとされている。
bビタミンB6は、タンパク質の代謝に関与し、皮膚や粘膜の健康維持、神経機能の維持に重要な栄養素である。
cビタミンDは、腸管でのカルシウム吸収及び尿細管でのカルシウム再吸収を促して、骨の形成を助ける栄養素である。
 a b c
1誤 正 正
2誤 誤 正
3正 正 正
4正 正 誤
5正 誤 誤

(答え)1
a× これは×になります。ビタミンB1は、炭水化物の代謝に関与、神経の正常な働きを維持、腸管運動を促進、神経痛、疲労、手足のしぴれ、眼精疲労、便秘等の改善になります。水溶性ビタミンなのと不足すると有名なのが脚気(かっけ)ですね。
参考までに、脚気を治療したのが野口英世で玄米に含まれている胚芽の部分にB1が含まれていることなんかも覚えておくといいかもしれませんね。
b〇 これは〇になります。ドリンク剤を飲んでおしっこが黄色くなるのはこのせいです。これも水溶性ビタミンです。
c〇 これは〇になります。骨密度を上げる場合には大きく二つになります。骨形成と骨代謝(破壊)になります。実は、骨は作られて壊すことによって新陳代謝をはかっています。なので骨粗しょう症の方に使う場合には、骨形成を上げるか骨代謝を抑えるかになります。ビタミンDやカルシウムは骨形成を上げると覚えておくといいと思います。

問95

滋養強壮保健薬の配合成分とその配合目的の組合せのうち、正しいものの組合せはどれか。
 配合成分               配合目的
aシステイン              肝臓においてアルコールを分解
                    する酵素の働きを助け、アセト
                    アルデヒドの代謝を促す
bアミノエチ ルスルホン酸(タウリン) 骨格筋の疲労の原因となる乳酸
                    の分解を促す
cアスパラギン酸ナトリウム       虚弱体質、腺病質における骨歯の
                    発育促進、妊娠・授乳期の骨歯の
                    脆弱(ぜいじゃく)予防に用い
                    られる
dヘスペリジン             ビタミンCの吸収を助ける
1(a、b) 2(a、c) 3(a、d) 4(b、c) 5( b 、d)

(答え)3
a〇 これは〇になります。紛らわしいのがカルボシステイン。ハイチオールCのシミそばかすがこれですね。ほかにもアルコールの分解も抑えます。
b× これは×になります。タウリンは、肝機能を改善すると覚えておくといいと思います。たこやイカなんかに多いですね。
この文章はアスパラギン酸ナトリウムです。
c× これは×になります。アスパラギン酸ナトリウムは、乳酸の分解を助けます。
この文章はカルシウムになるので誤りです。骨や歯もカルシウムなので覚えておくといいですね。
d〇 ヘスペリジンはビタミン様物質のひとつで、ビタミンCの吸収を助ける等の作用があります。
参考ですが、ビタミンCは抗酸化物質で水溶性です。そのため多くとってもおしっこで出てしまいます。

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