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平成31年(2019年)度 東京都登録販売者試験問題( 午後 )その12 問116-120

・はじめに

ひきつづき、少しずつ過去問を解いていきましょう。
流れとして、
問題→解説→ワンポイント(現場で使えるような自分なりの考え方)
を入れて少しでも親しみやすくなれば幸いです。^^

もし、個人講義やある程度の集団勉強会をご希望の方がいらっしゃれば、仕事依頼連絡先からコンタクトください。可能な限りサポートいたします。

問116

医薬品医療機器等法第68条の10第2項の規定に基づく 医薬関係者に義務付けられている医薬品の副作用等の報告に関する次の記述の正誤について 、正しい組合せはどれか。
a 医薬品との因果関係が明確でない場合は、報告の対象とはならない。
b 保健衛生上の危害の発生又は拡大防止の観点から、医薬品の販売等に従事する専門家は、報告の必要性を認めた日から起算して、15日以内に報告しなければならない。
c 報告内容の正確性を高めるため、報告様式には患者氏名のイニシャル、性別、身長及び体重をすべて記載しなければならない。
d 安全対策上必要があると認めるときは、医薬品の過量使用や誤用によるものと思われる健康被害についても報告がなされる必要がある。
 a b c d
1誤 正 誤 正
2正 誤 正 正
3誤 誤 誤 正
4誤 正 正 誤
5正 正 誤 誤

(答え)3
a× これは明らかに×ですね。因果関係が明らかでなくても、専門家の目で見た時に代わるケースも考えられます。
b× これは一見〇っぽそうですが×になります。適宜速やかに報告することとなっているので15日の部分が×になります。
c× これは×になります。報告様式の記入欄すべてに記入がなされる必要はないため誤りです。もちろん、この後に副作用救済機構などに給付金などの対応も必要のため、実際にはお名前等もお聞きしておきながら、運用としてどこまで報告するかなども患者さんに説明しておく必要があると思います。
d〇 これはこの通りですね。誤用なども安全性情報として取り上げられます。特に似た薬剤名の誤調剤なども情報として挙げられているぐらいです。

問117

医薬品等副作用被害救済制度に関する次の記述 の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 救済給付業務に必要な費用のうち、給付費については、製造販売業者から年度ごとに納付される拠出金が充てられる。
b 個人輸入により入手した医薬品による重篤な健康被害は、「医療費」の給付対象となる。
c 一般用医薬品の殺虫剤を使用して入院治療が必要と認められる程度の健康被害が生じた場合についても給付対象となる。
d 副作用による疾病のため、入院治療が必要と認められるが、やむをえず自宅療養を行った場合についても給付対象となる。
 a b c d
1正 正 正 正
2正 誤 誤 正
3正 誤 正 誤
4誤 誤 誤 正
5誤 正 正 誤

(答え)2
a〇 これはこの通りですね。財源は製薬メーカーなどから拠出されています。実際は売上高に応じて拠出額が決められます。
b× これは対象になりません。個人輸入した場合には対象外です。
参考までに、化粧品や医薬品などを個人輸入した場合には、責任を求める会社が存在しないこと、「薬監証明」という特殊な輸入を行って対応するため、自分で責任を取らなければなりません。もちろん、輸入して転売した際にも同様に副作用救済の対象外ですし、医薬品の転売は業を持っていないと販売はできませんのでしないことを強くお勧めします。
c× これは×になります。対象外のものとして、特に医療機関での治療を要しないような軽度のものであったり、要指導医薬品又は一般用医薬品の中で、殺虫剤・殺鼠そ剤、殺菌消毒剤(人体に直接使用するものを除く)、一般用検査薬、一部の日局収載医薬品(精製水、ワセリン等)は医薬品副作用救済制度の救済給付対象外になります。それ以外にも製品不良や未承認医薬品や健康食品なども対象外です。
d〇 これは〇ですね。あくまで入院を必要としても別途が空いていないケースなども考えられるのでそれについては対象になります。
対象になるケースとしては、
・添付文書に従つて適正使用
・入院を必要とする程度の重篤な副作用(入院しないで自宅療養を行つた場合でも対象になる)
・重い後遺障害
になります。

問118

医薬品PLセンターに関する次の記述の正誤について 、正しい組合せはどれか。
a 医薬品及び医療機器に関する苦情の申立ての相談を受け付けている。
b 健康被害以外の損害に関する申立ての相談は受け付けていない。
c 製造物責任法の施行と同時に、独立行政法人医薬品医療機器総合機構により開設された。
 a b c
1誤 正 正
2正 誤 正
3誤 誤 誤
4誤 誤 正
5正 正 誤

(答え)3
a× これは×になります。医薬品又は医薬部外品に関する苦情(健康被害以外の損害も含まれる)について製造販売元の企業と交渉するに当たって、公平・中立な立場で申立ての相談を受け付けています。文章からわかる通り医療機器については対象外ですね。
b× これは×になります。上記の通り健康被害以外も相談に乗っています。
c× これは紛らわしいのですが×になります。日本製薬団体連合会において、PL法の施行と同時に開設されています。

問119

一般用医薬品の安全対策に関する次の記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組合せはどれか。なお、複数箇所の a 及び b 内にはそれ
ぞれ同じ字句が入る。
小柴胡湯(しょうさいことう)による( a )については、1991年4月以降、使用上の注意に記載されていたが、その後、小柴胡湯(しょうさいことう)と( b )の併用例による( a )が報告されたことから、1994年1月、( b )との併用を禁忌とする旨の使用上の注意の改訂がなされた。しかし、それ以降も慢性肝炎患者が小柴胡湯(しょうさいことう)を使用して( a )が発症し、死亡を含む重篤な転帰に至った例もあったことから、1996年3月、厚生省(当時より関係製薬企業に対して( c )の配布が指示された。
   a         b               c
1 間質性肺炎  インターフェロン製剤       緊急安全性情報
2 脳出血    塩酸フェニルプロパノールアミ ン    安全性速報
3 間質性肺炎  塩酸フェニルプロパノールアミ ン    安全性速報
4 脳出血    インターフェロン製剤       緊急安全性情報
5 間質性肺炎  インターフェロン製剤       安全性速報

(答え)1
まず小柴胡湯ときた瞬間に、「インターフェロン」と「間質性肺炎」はすぐに覚えてほしい内容になります。
あとは再発をしているケースがあるので「緊急安全性情報」の発出が行われるようになった。と覚えるのがいいかなと思います。

問120

 医薬品の適正使用及び薬物乱用防止のための啓発活動に関 する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 「6・26国際麻薬乱用撲滅デー」を広く普及し、薬物乱用防止を一層推進するため、 毎年 6月20日~ 7月19日までの1ヶ月間 、 国、自治体、関係団体等 により 、「ダメ。ゼッタイ。」普及運動が実施されている。
b 医薬品の適正使用の重要性等に関しては、認識や理解が必ずしも十分とはいえない小中学生には積極的に啓発すべきではない。
c 医薬品の持つ特質及びその使用・取扱い等について正しい知識を広く生活者に浸透させることにより、保健衛生の維持向上に貢献することを目的とし、毎年10月17日~23日の1週間を「薬と健康の週間」として、国、自治体、関係団体等による広報活動やイベント等が実施されている。
d 登録販売者は、適切なセルフメディケーションの普及定着、医薬品の適正使用の推進のための活動に積極的に参加、協力することが期待されている。
 a b c d
1正 正 誤 正
2誤 正 正 誤
3誤 正 誤 誤
4正 誤 正 誤
5正 誤 正 正

(答え)5
a〇 これはこの通りです。
b× これは明らかに×です。最近、医薬品の乱用や覚せい剤等の違法薬物が小中学生に広がっています。医薬品の適正使用の重要性等に関して、小中学生のうちから啓発を行うことが大切です。
c〇 これはこの通りです。日本薬剤師会などでもキャンペーンをしていますが、なぜか地味な感じがしてしまいます。
d〇 これはこの通りです。現在、薬剤師が様々な普及活動を行っていますが、登録販売者も同じようになると思います。是非、様々なアイデアを使っていろんな啓蒙活動をしていただけたら、薬剤師側も刺激となると思います。

・最後に

ここまでお読みいただき本当にありがとうございました。
お分かりの通り、通常の解説書とは異なると思います。
テストのみの勉強では現場に出ても不安に駆られると思います。

是非、テスト勉強のみならず、今回勉強されたことを現場で生かしてほしいと強く思います。

もし、お読みいただき参考になったのであれば喜ばしい限りです。
一人でも多くの医療従事者の方々が、現場で活躍していただけることを心から期待しています。
もちろん、薬剤師、登録販売者はできる範囲があると思いますので、お互いの範囲外のことをしないよう注意をしながら業務を行っていただければと思います。

改めて、ここまでお読みいただきありがとうございました。

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