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平成31年(2019年)度 東京都登録販売者試験問題( 午後 )その3 問71-75

・はじめに

では、少しずつ過去問を解いていきましょう。
流れとして、
問題→解説→ワンポイント(現場で使えるような自分なりの考え方)
を入れて少しでも親しみやすくなれば幸いです。^^

もし、個人講義やある程度の集団勉強会をご希望の方がいらっしゃれば、仕事依頼連絡先からコンタクトください。可能な限りサポートいたします。

問71

(問題)
口腔咽喉(こうくういんとう)薬 ・うがい薬( 含嗽(がんそう)薬)に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a トローチ剤は、有効成分が口腔(こうくう)内や咽頭部に速やかに 行き渡るよう、 噛(か)み砕いて使用されることが望ましい。
b 噴射式の液剤では、息を吐いたり、声を出しながら噴射すると、有効成分が口腔(こうくう)内や咽頭部に行き渡らないおそれがあるため、息を吸いながら噴射することが望ましい。
c 含嗽(がんそう)薬は、水で用時希釈又は溶解して使用するものが多いが、調製した濃度が高いほど十分な効果が得られるとされる。
d 白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)は、体力中等度以上で、熱感と口渇が強いものの喉の渇き、ほてり、湿疹(しっしん)・皮膚炎、皮膚のかゆみに適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸虚弱で冷え症の人では、食欲不振、胃部不快感等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。
 a b c d
1誤 誤 誤 正
2正 正 誤 正
3誤 正 正 誤
4正 誤 正 誤
5誤 誤 誤 誤

(答え)1
a× これは×になります。トローチは喉の奥を殺菌するのですが、噛んでしまうとすぐに胃に落ちてしまうので、かまずになめて少しでも時間がかかるようにします。
b× これは×になります。吸いながらだと気道に入って逆にむせると思います。なので軽く吐きながらか声を出しながら行うのが重要です。
例えば、食べ物が入るときは喉頭で気道が閉塞し食道の方に代わる弁みたいな感じになりますが、通常は気道が開くようになっているので、この状態で気道に液体が入れば炎症を起こすので注意が必要です。
c× これは×とすぐにわかってほしいですね。濃度が濃いから効くとかはありません。しかも濃ければ細胞に障害を与えることもあるかもしれません。大事なのは濃さではなく、接している時間になるので、通常であればしっかりした回数の方が効果が高いと思います。もちろんうがい薬は喉の雑菌なども出せるので、それだけでもプラスに働くと思います。
d〇 これは〇になります。白虎加人参湯は、のどの痛みを改善する漢方薬です。桔梗湯も有名なので覚えておくといいと思います。

問72

(問題)
胃の薬の配合成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a リュウタンは、クマ科のヒグマその他近縁動物の胆汁を乾燥したものを基原とする生薬で、苦味による健胃作用を期待して用いられる。
b センブリは、味覚を刺激して反射的な唾液や胃液の分泌を促すことにより、弱った胃の働きを高めることを目的として、配合されている。
c デヒドロコール酸は、胆汁の分泌を促す作用(利胆作用)があるとされ、消化を助ける効果を期待して用いられる。
d ロートエキスは、吸収された成分の一部が母乳中に移行して乳児の脈が遅くなるおそれがある。
1(a、b)2(a、d) 3(b、c) 4(b、 d) 5(c、d)

(答え)3
a× 〇っぽそうに見えますが×になります。ヒグマはユウタン(熊胆)ですね。熊をユウとよめれば意味合いがわかりやすいですね。リュウタン(竜胆)は、リンドウ科のトウリンドウ等の根及び根茎を基原とする生薬です。苦味があり、この苦みが胃液の分泌を促すのでオブラートは使わないこととなっています。
b〇 これはこの通りです。せんぶり茶でわかる通りかなり苦いですよね~。よくテレビ番組で罰ゲームでやっていたのを思い出します。
c〇 これはこの通りですね。医療用でもウルソって薬がこの成分になります。肝機能を助けたりもします。
d× これは×になります。抗コリン作用を示すので頻脈になります。覚えずらいですよねー。抗コリン→副交感神経が遮断→代わりに交感神経が働きやすい→頻脈って覚えるとわかりやすいかと思います。

問73

(問題)
腸の薬及びその配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a トリメブチンマレイン酸塩は、消化管(胃及び腸)の平滑筋に直接作用して、消化管の運動を調整する作用があるとされている。
b 収斂(しゅうれん)成分を主体とする止瀉(ししゃ)薬は、細菌性の下痢や食中毒のときに使用して腸の運動を鎮めると、かえって状態を悪化させるおそれがある。
c ゴバイシは、ミカン科のキハダ又はフェロデンドロン・キネンセの周皮を除いた樹皮を基原とし、腸管内の異常発酵等によって生じた有害な物質を吸着させることを目的として用いられる。
d ベルベリン塩化物、タンニン酸ベルベリンに含まれるベルベリンは、生薬のオウバクやオウレンの中に存在する物質のひとつであり、抗菌作用のほか、抗炎症作用も併せ持つとされる。
 a b c d
1誤 正 正 正
2誤 誤 誤 正
3正 正 正 誤
4正 誤 正 誤
5正 正 誤 正

(答え)5
a〇 これは〇になります。これは下痢とかで使われます。医療用だとセレキノンっていう名前になりますね。
b〇 これは〇になります。下痢だから必ず止めるということは危険だということは覚えておいた方がいいです。下痢は、体から異物を出す防御反応のひとつなので、細菌性であれば悪いものを出してしまった方が治りが早くなります。この問題文のように、無理に止めてしまうと悪い菌が残っていればそれだけ体に対して悪さをするので長引くことがあります。
c× この文章はオウバクの文章になるので誤りです。難しいですよねー。下痢で使われるので覚えておくといいです。
ゴバイシはアルブミンに含まれるタンニン酸が含まれている生薬になります。これはどちらかというと収れん作用なので動きを遅くするような感じですね。
d〇 この文章は〇になります。上記と説明は同じになるので省きます。

問74

(問題)
腸の薬及びその配合成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a ヒマシ油は、ヒマシ(トウダイグサ科のトウゴマの種子)を圧搾して得られた油を用いた生薬で、大腸を刺激して排便を促すことを目的として用いられる。
b ケンゴシは、ヒルガオ科のアサガオの種子を基原とする生薬で、大腸刺激による 瀉下(しゃげ)作用を期待して配合されている。
c プランタゴ・オバタの種子又は種皮は、腸管内で水分を吸収して腸内容物に浸透し、 糞便(ふんべん)のかさを増やすとともに 糞便(ふんべん)を柔らかくすることによる 瀉下(しゃげ)作用を期待して用いられる。
d マルツエキスは、細菌感染による下痢の症状を鎮めることを目的として用いられる。
1(a、b)2(a、d) 3(b、c) 4(b、d) 5(c、d)

(答え)3
a× これ〇っぽいのですが×なんです。小陽で、リパーゼの働きによって生じる分解物が、小腸を刺激して下剤作用を示します。ヒマシ油というわりにゴマからできているというのが覚えずらいですよね。
他にも、腸内容物の急速な排除を目的に使用(通常の便秘には用いない)。ただし、脂浴性物質(防虫剤、殺鼠斉」等)の誤食・誤欲には使用しない⇒中毒症状を増悪させるおそれがあることも覚えてほしいですね。
b〇 これは〇になります。覚えるの難しいと思いますが朝顔のタネも下剤になることを覚えておくといいですね。
c〇 これはおなかで膨れて下剤作用をしめすので〇になります。プランタゴオバタはインドオオバコの学名で、便のカサを増やしてくれる食物繊維なので、イメージ突きやすいのではないでしょうか?もちろん、食物繊維なのでおなかの痛みなどはおこりにくいです。
d× これは×になります。マルツエキスはよく乳幼児で使われるので覚えてほしい薬ですね。乳幼児の便秘時に使われます。中身は麦芽糖なのでなめれば甘いです。腸内細菌でガスがでてその力で排便をします。
この文章は細菌性の下痢を鎮めるのには、ベルベリン系、木(もく)クレオソート、アクリノールなど殺菌系を使います。

問75

(問題)
胃腸鎮痛鎮痙(いちょうちんつうちんけい)薬及びその配合成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a パパベリン塩酸塩は、胃液分泌を抑える目的で使用される。
b オキセサゼインは、局所麻酔作用のほか、胃液分泌を抑える作用もあるとされ、胃腸鎮痛鎮痙(いちょうちんつうちんけい)薬と制酸薬の両方の目的で使用される。
c エンゴサクは、ナス科のハシリドコロの根茎及び根を基原とし、鎮痛鎮痙
(ちんつうちんけい)作用を期待して配合されている。
d 胃腸鎮痛鎮痙(いちょうちんつうちんけい)薬に配合されている成分は、胃腸以外に対する作用も示すものがほとんどであり、複数の胃腸鎮痛鎮痙(いちょうちんつうちんけい)薬が併用された場合、泌尿器系や循環器系、精神神経系などに対する作用(副作用)が現れやすくなる。
1(a、b)2(a、d) 3(b、c) 4(b、d) 5(c、d)

(答え)4
a× これは×になります。パパベリンは平滑筋に直接作用して痙攣を抑えるので間違えです。抗コリンではないですが緑内障にも注意が必要というところもポイントですね。
b〇 これは〇です。医療用でもよく使われます。医療用だとストロカインという名前になります。胃腸が本当に痛む方には使われますね。
c× これは難しいとおもいますが×になります。エンゴサクはケシ化のエンゴサク(延胡索)なので誤りです。
この文章はロートコン(ロートエキス)になります。
d〇 これはこの通りですね。先ほどのロートコンなどで抗コリンがあると、尿閉が起こることがあります。もちろん口喝、便秘、動機なども起こります。緑内障なども注意が必要ですね。

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