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20210317 薬剤師のためのLINE活用、成功事例紹介セミナーを聴講して

・はじめに

2020年度も3月を迎えて、コロナ下の中、来月には薬価改定が行われます。
4月より、新型コロナウイルス対策による加算も薬局にもつきますが、
患者さんの減少により、厳しい経営状況が続いている話をよく聞きます。

クリニックの閉院薬局の閉局も少なからず起こっている話も
聞こえてきています。

ただ、苦しいながらも、このコロナ下であっても、
大手調剤薬局は、ほぼ増収増益を続けているのが現状です。

この差異として、患者さんの利便性を加味した囲い込みであったり、
多角経営をしており、リスクを減らしていることも
理由ではないでしょうか?
もちろん、加算をしっかりとり、
それに対応した患者サービスを提供
していることについても、
言うまでもないと思います。

前回の診療報酬及び今回のフォローアップ義務化より、
焦点となっているトレーシングレポートであったり、
服薬情報提供料かかりつけ薬剤師対応のヒントがもらえると思い
当セミナーを自分も受講しました。

・内容及び感想

ポイントなどを下記に記したいと思います。

 ①LINE活用と 「あなたの調剤薬局」 ご紹介

・圧倒的なユーザー数
LINEは、ユーザー数が2020年9月末時点で月間8,600万人以上存在し、さらにそのうち86%が毎日利用しているという日常生活には欠かせないコミュニケーションアプリ。
・圧倒的なメッセージ開封率
LINE公式アカウントの平均メッセージ開封率は60%を超えており、従来メディアの比ではないほどのメッセージ到達率を実現。

ラインアカウント(一般用アカウント・ビジネスアカウント)を
うまく使い、
•オンライン服薬指導
•LINE音声通話
•あなたの調剤薬局と連携
•LINEクーポン、ショップカード、リッチメニュー、リサーチ等の販売促進機能の対応


「あなたの調剤薬局」でできること
患者さんとLINEでつながるだけで、
1.LINE で処方せん予約・受付
2.LINE で投薬後の自動フォローアップ
3.LINE でお薬相談
4.LINE メッセージが服薬情報提供書に
5.LINE ログイン連携する電子お薬手帳
6.LINE でかかりつけ

フォローアップも、
オープンクエッション・クローズクエッションをうまく用いて、
店舗負担をなるべく減らし、
問合せの内容・回答をそのままトレーシングレポートとして
書面で印刷するため、再入力の必要が不要。
薬局の効率化に一役買っているシステムになっています。

 ②LINEを使った服薬期間中フォローアップによる成果報告と薬局のあるべき姿(エール薬局大井町店 中里先生発表)

導入前後による、オペレーションについて説明。

導入前オペレーション
・処方せん予約機能
 →違う会社のものを使用、費用面が高い
・電子お薬手帳
 →違う会社のものを使用、使い勝手があまり良くない
・健康に関する相談
 →薬局にかかってきた電話での対応がメイン
・服薬後フォロー
 →電話での実施を数件してみたが、電話がつながらないなど課題あり

→2020 年 6 月より、あなたの調剤薬局を導入することで効率化

導入後
・受付時、患者さんへLINE 友達登録、お薬手帳アプリのダウンロード説明(事務)
→声掛けフローチャートが作成されており、最初にOJTにて実施。
→声掛け時は、友達登録に関するチラシ(説明チラシフォーマットあり)を
 用いて説明
・患者さん獲得のために、
 LINEタイムライン、 GOOGLE へ広告を入れて集客を実施
  目的:人口の多い駅前立地を生かした薬局の周知と面処方の獲得
  費用:補助金を活用

・実績
LINE お友達登録数:約 1,200 人
内訳:連携している患者数 750 人(薬局でQR読んでくれた人)
   →全ての機能が利用可能
   未連携の患者数 450 人(広告から友達になってくれた人)
   →服薬後フォロー以外の機能が利用可能
   登録年齢層:10代~70代
処方せん予約機能:1日あたり4~5枚/日を応需
※連携していただいた患者さんの家族の処方せんが多く集まる傾向あり
 また、電子お薬手帳機能について連携している患者のほぼ全員が使用

・健康相談機能について
 健康相談は20件/月、患者さんが気軽に相談できる環境作成
・服薬後フォローについて
 服薬後フォロー返信から体調変化があった割合は約4%
 服薬情報提供料は,、15 件/月増加。
 飲み忘れや副作用に関する返信が多い
・LINE タイムライン広告、 GOOGLE 広告について
 広告でLINE お友達登録者数が一気に増加
 面処方せんの新規患者がGOOGLE、LINE 合わせて平均7枚/月獲得。
・コロナ禍で処方せん枚数が減ったが、月当りの応需医療機関数は、
 コロナ前より増加。(面応需推進)
・LINE 広告での OTC 販売告知
 新型コロナウイルス感染症の抗原検査キットを50個販売。
 販売時には、使用後の対応方法も伝えることで信頼獲得。
 →プッシュアップ機能が有用

 ③LINEを店舗オペレーションに定着させる中から見えてきたこれからの薬局像(イントロン株式会社 鎌田先生)

あなたの調剤薬局を使った成果(1年)
・LINE登録者数 92倍UP
・処方箋予約件数 6.4倍UP
・かかりつけ算定件数 1.3倍UP
・服薬情報提供算定回数 15.4倍UP
・健康相談件数 9.8倍UP
・基本調剤料3→1 地域支援体制加算取得(一部の店舗)

①『 あなたの調剤薬局 』 運用ルールを検討
②運用マニュアル作成
③エリア長へ説明会実施 →エリア長から店舗へ説明
④登録目標値を設定(店舗の年齢別受付回数をベース)
⑤各店舗の対応方法、悩み、課題を共有 (Q&A 表を作成)
⑥⑤を参考に各店の登録・利用状況と悩み・課題の解決
 のために全店舗に担当を派遣
 →機能説明、使い方説明、患者様への声掛け実演

健康サロンで導入プランがすでに用意されている。
また、会社全体で取り組みを行いフォローをしている

 ④聴講した感想

個人的にポテンシャルがあるシステムだと思っていましたが、
やはり、期待を裏切らない結果をたたき出しているなと
感じました。
店舗での負担軽減、ラインという国民が慣れているアプリをうまく使った
顧客誘導及び囲い込み。
確かに、今回、ラインの情報漏洩は問題かと自分も思っています。
しかし、これがあったとしても、まだ現段階では、
ラインが日本で一番使われているコミュニケーションアプリである
ということも事実です。

今回、一つのキーがありました。
はじめに講演されていた先生の内容で、
ラインの導入が10~70代ということです。

高齢者の対応については、皆様意見が分かれる部分があると思います。
電話対応は、なかなか相手が捕まらなかったり、
相手の都合がわからないままかけたり、
逆に店舗が忙しいときに電話で相談を受けて困った事例を
皆さんたくさんお持ちではないでしょうか?
そういった意味でもこういったアプリは、大変有用です。
既読で読んだことがわかるメリットもありますし、
事前に返答に時間がかかることがあることを説明しておけば
トラブルを事前に回避することもできます。

一部懸念点は、オンライン診療との紐づき部分については、
まだ課題は一部あると思います。
しかしながら、今後、こういったことも少しずつ解決していくでしょうし、
コロナ下だからこそ、ノウハウがある会社のアプリを使うということは、
アプリの使用料以外にもノウハウも共有していただけるので、
十分ペイできるシステムかなと改めて思いました。

IT補助金も2020年12月で一回締め切ってしまっているので、
2021年度がどうなるかわかりませんが、
集客や加算を増やしたい方は、一度コンタクトされることを
強く勧めます。

・最後に

皆さんも、現場で色々考えながら業務を行っていると思います。
インターネットの普及に伴い、スマホの所有率も増えてきており、
進歩が一気に進みだしてきています。
特に、IT関係は、ここ数年で目覚ましい発展を遂げています。

他にも、ドローンによる試験的配達なども行われてきています。
ひょっとしたら、このシステムも、オンライン服用後、
アマゾンのように、いつ頃配達されるかなども
プッシュアップされることでしょう。

大手は、すでに様々なIT関連に投資をしています。
中小薬局こそ、こういったパッケージを使い、効率のいい運用をした方が
圧倒的にお得だなと改めて感じます。

少しでも参考になれば幸いです。

本日もお読みいただきありがとうございました。

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