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2023年、良かったエンターテインメントの10選

こんにちは、ラララギです。
2023年は社内試験もあり、かなりの時間を勉強に費やした挙句に普通にダメだったというかなり厳しい一年だったので、自然とあらゆるコンテンツから離れた一年でした。
特に本年度上期の記憶の無さはヤバくて、こうやってライフワークバランスという言葉は人生に曖昧に溶けて消えていくのかと戦慄した次第でありますが、それでも年の瀬になりギリギリでオタクとしてのアイデンティティを取り戻し、今年触れたエンターテインメントコンテンツで良かったものを10個選びました。
本来なら漫画とかゲームとかアニメとか、何かしらカテゴリ分けしたいところなのですが、それも叶わないくらい記憶がないので、ガチのオールジャンル10選となっております。順番は後になるほど良かったものです。

1、結束バンド 「結束バンド」

いきなり昨年度放送のアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』の劇中バンドである結束バンドが2022年12月28日にリリースしたアルバムを挙げてしまって、大変申し訳ありません。
申し訳ないとは思うのですが、本当に今年の上期はこれしか聴いてなかったってくらいこのアルバムを聴いていました……
アニメに付随した楽曲のアルバムとして、冗談抜きに最も完成度が高いものの一つじゃないでしょうか。
ロックの楽曲としてもゼロ年代に教室の隅でロキノン系と呼ばれるバンドの曲をシコシコ聞いていた虚弱なオタクにぶっ刺さるクオリティがあり、キャラクターの個性や演奏の実力まで楽曲に落とし込んでいる傑作です。


2、ちいかわ 島編

僕はちいかわのことを怪異バトル漫画だと思っているのですが、島編は今までのちいかわ族の主要登場人物がほぼ登場するオールスター的な側面もあり、予想のできないストーリー展開とツイッターで投稿されるというライブ感が織りなすグルーブが非常に良かった。
特に、セイレーンという無邪気な暴力に為す術なく蹂躙された一般島民が、友を助けるためにセイレーンの子供の殺害に手を染める流れ永遠の命の行く先にビビって同じ運命を強要する感情の動き、稀に見る高度な漫画体験で本当に良かった。ちいかわが彼らの罪に気づきつつも、それに触れなかった所など、もはや真夏の方程式か?と東野圭吾作品さえ脳裏を掠める作劇に、日々興奮してしまいました。
それにしても「なんか小さくてかわいいやつ」が織りなす物語にしては重厚すぎるだろ。


3、アイシールド21

本当に今更ですが、初めてちゃんと全部読みました。
イカれた画力に恐ろしく魅力的なキャラクターの描写、ルールがいまいちピンと来なくても面白さを感じさせる圧倒的な漫画力で、「こんなもん面白すぎるだろ、いい加減にしてくれ」ってずっと思い続ける怖い漫画。
何をどうしたら読者が面白いと感じるのか、を徹底的に突き詰めているのが感じ取れてしまう。本当に週刊連載なのか?
2024年1月29日発売のジャンプに掲載されるらしい特別読み切り、楽しみですね。


4、イクイノックス

もはやオタクコンテンツでもなんでもなくて申し訳ないのですが、おそらく今年一番脳汁が出たのが競走馬イクイノックスの走りだと思う。
僕は基本的にキャラクターや演者を「推す」ことはない(俺の推しは俺だけだと考えている狂い人“くるいんちゅ”なので)のですが、僕が初めて「推し」という概念を明確に理解したのが、このイクイノックスだと自覚しています。いくらなんでも最強すぎてファンになってしまった。お金も増えるしね(小声)
しかし、秋の天皇賞で引退が決定してしまい、折角「推し」という概念を自覚したのに速攻で「推し」が引退してしまった。この短期間に「推しは推せる時に推せ」という言葉まで経験させてくれたイクイノックスには感謝しかありません。
馬名の由来が「昼と夜の長さがほぼ等しくなる時」というのがエグいカッコ良くて好きです。


5、ガールズ & パンツァー 最終章 第4話

こいつマジでコンテンツの節操が無さすぎるだろ、と思ってる皆さんへ。
僕は節操のないオタクなんです。諦めてください。
ここ毎年一回は大洗に一泊するほど僕はガルパンが好きなんですけど、最終章はあまりに公開までの時間が長すぎて、ガルパンより大洗を楽しむことの比重が重くなってしまいました……大洗は本当に良い町です。
ここ数年は里海邸 金波楼本邸という宿に泊まってますが、部屋、景観、食事、全て素晴らしく、オススメです。

最終章4話は相変わらずイカれた面白さでした。鑑賞している間、「こんな面白いアニメーションが存在していいのか?」と疑問が浮かぶほどエンターテインメントに全振りしている。
特に今回は僕の好きな澤梓のエグい活躍と、ダージリンのあまりに無慈悲な秘策のお目見えがあり、滅茶苦茶良かった。
戦車にさほど興味のない僕でさえここまで面白いのだから、作劇と演出とキャラクターがそれほど優れているのでしょう。怖いね。
後はオタクの寿命が尽きる前に完結することを祈ります。


6、シン・仮面ライダー

個人的にはめちゃ良かったけど作家性が強すぎて変なオタクにしか刺さらなかったのか、そんなに話題にならなかったのが残念。
シン・仮面ライダーの感想は観たばかりの時の個別記事がありますので参考までに。


7、パテックフィリップ展

高級時計界の頂点にして究極の到達点であるパテックフィリップのイカれた催事《ウォッチアート・グランド・エキシビション(東京2023)》
2023年6月10日から6月25日まで東京の新宿三角広場で開催されたこの催事は、2023年新作および現行コレクションのみならず、ジュネーブのパテック フィリップ・ミュージアムから貸与された180点の歴史的タイムピースや博物館でしか見ることがないようなヤバすぎる時計など、狂った見ごたえがあるにも関わらず、入場料が無料という、「どれだけ経済的な余裕があるんだ……?」と青ざめてしまうヤバい催事でした。
それにしても時計という製品はオタク好みで良いですね。人類の手工業製品の極みでしょう。
特にこのパテックフィリップは、世界三大時計の中でも別格と呼ばれているだけあり、実用性と機能性を追求した上で貴族が使用することを前提とした圧倒的なデザイン性を持ち合わせている。
その研ぎ澄まされた「美」には、職人達の創造力や革新性のみならず、西洋世界の文化や歴史、果ては人類の物作りに対する一種の祈りさえ感じられる。
僕はこの「思いを馳せる余地がある」という作品、製品、芸術こそが、世界と自分を接続する一つの方法であり、人の内面を深化させる手段であると信じています。


8、おいでよ 魔法少女村(不法占拠) ギンガム

今年一年、ギリギリ精神を保てたのはギンガム先生の魔法少女村のおかげと言っても過言ではない、今一番好きなTwitter(X)不条理ギャグ漫画。
人間の男性が「魔法少女捨っ木」と呼ばれるアイテムで変身し、魔法少女と呼ばれる人間を超越した力を持った少女になってしまいます。
大陸を沈められる程の力を持っていて、通常の兵器はおろか核も効かない耐久性があり、しかも不老不死の彼女(彼)らが織りなす狂気と日常の物語、本当に目が離せない。
登場する魔法少女の設定や能力、キャラデザ等ももの凄く良い。
苫小牧ちゃんのイカれた飯(ギンガム飯)も外連味として効いているし、何より初登場の魔法少女の魅せ方がめちゃ上手い。
昨今判明した魔法少女第二形態の「魔乗体」が登場した時も、猿払の戦闘も普通に少年漫画の文脈でめちゃ興奮してしまった。
漫画が上手いだろ、本当は。相当積みあげて来たんだろ、その漫画の上手さは。分かるぞ。応援しています。


9、片貝まつり(浅原神社 秋季例大祭奉納大煙火)

新潟県小千谷市片貝町で400年の伝統を誇る「片貝まつり」における花火大会を拝見しました。
この花火大会は浅原神社へ奉納する花火で、個人や企業が色々な想いを込めて花火を奉納します。 具体的には子供の誕生祝、結婚祝、家内安全、健康祈願、社業発展、物故者追善供養等、想いを込めて花火を奉納する。
なので、打ち上げの前に実況の方が、「祝○○誕生、みんなに愛されるカワイイ女の子になぁれ!」、「〇〇一周忌、天国で見守っていてね、おじいちゃん」などアナウンスしてから花火が打ちあがるわけです。
こんなの、「祈り」以外の何物でもないじゃん
まず花火自体が人類の生み出した「祈り」みたいなものなのに。人類はその一瞬の輝きと美しさに、濫觴、開闢、進化、衰退、週末を感じてエモーショナルを乗っけるじゃないですか(偏見)。
片貝花火は奉納花火なので、ガチの「祈り」のわけです。祝い事も仏事もまとめて神事として奉納されるの、あまりにハレすぎて祈りの果てとしか言いようがない。
しかも最後は世界最大とされる四尺玉花火の打ち上げで、ほかにはないスケール感を生で味わえる。エンターテインメントとしても完成されているわけです。
恐らく人生で見てきた花火大会の中で最も心を動かされた。
オススメです。

10、出会って4光年で合体 太ったおばさん

色々考えたけど、やっぱりこの作品が今年一番だなって
TLに流れてきた「出会って4光年で合体」というなんか凄いという噂のエロ同人誌、直観でこれは絶対に読まなければならないと思い、DMMで即購入しましたが、本当に良かった。出会えて良かった、本当に。
382ページ、一大スペクタクル巨編。
恐ろしい文章量に最初は目が眩んでしまうかもしれないが、これは「そういうもの」だと認識して、小説を、あるいは「ノベル主体のエロゲ」を読む気持ちに切り替えた。
辺鄙な島に引っ越してきた不細工な主人公が美しい少女に出会う。
少女は化け狐をルーツに持つとされ「くえん」という名を代々引き継ぐ家系の末裔だった。
一見は王道のボーイミーツガールものだが、描かれる情景は多岐にわたる。
オカルト、田舎の因習、怪異、SF、ミステリ、青春群像。あらゆるジャンルを内包し、それでもエロ漫画であることを堂々と主張する。
壮大なストーリーの主軸はあくまでポルノ。
物語の結末は本当に笑ってしまうような、ギャグのようでいて愛に溢れていて美しい収束を迎える。
人間の善性を信じた、人間賛歌の祈りの物語。
ゼロ年代を二次元ポルノと共に駆け抜けたオタク全員に読んでほしい傑作です。


今年を思い返してみると、オタクのイデアに対して向き合う作品が多く、咀嚼する時間が多かったと思います。
残念ながら選外にさせていただきましたが、ジブリの「君たちはどう生きるか」も宮崎駿監督の精神性をこれでもかと食らい久々にアニメーションに向き合う機会となって良かったし、たとえばエロ漫画というジャンルでは高柳カツヤ先生の2冊目の単行本「糸を撚る」も退廃的なポルノで表現される人間の本質的などうしようもなさ、付随してこの領域に到達した作者の数年間の軌跡に思いを馳せる怪作でした。
また、「アイカツ! 10th Story ~未来へのStarway~」はアイカツというシリーズの集大成かつ総決算として、並々ならぬ思いを抱かせる、ファン感涙の傑作だったと思います。失われつつある少女性と彼女達の物語の「終わり」に向き合うのが怖くて、自身の精神性の幼稚さに苛まれたため選べませんでした。
また、今年最も聴いた曲としては「INTERNET YAMERO」が断トツ再生回数トップでした。
皆さんもいっせーのせーでインターネットやめましょう。





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