【映画】ミッドサマー

概要

最初から最後まで全部最悪で良かったです。

あらすじ

主人公は病んでる女子大生!
彼氏に悩みを相談してたけど、なんだか鬱陶しそう……。

そんな中、彼氏とパーティーに参加した時に「彼氏が友達とスウェーデンに旅行に行く」ということを聞かされた!
なにそれ! 私、そんな話聞いてないんだけど!?
彼氏は遠慮がちに「一緒に行く……?」と聞いてくれた。モチ行きます。

着いた先は明るくて開放的な村!
90年に一度の夏至祭が行われるらしい!
みんな笑顔だけど何だか怪しい雰囲気の祭……。
私これからどうなっちゃうの〜〜〜!?☆


感想

序盤はとにかく主人公がネチネチしてウザいです。
彼氏が友達と旅行に行くと知って「どうして言ってくれなかったの!?」「話して欲しかっただけなの!」とネチネチネチネチ……うるせー!
まぁこれは鬱陶しそうにしてた彼氏さんも悪い。

あと大麻やりすぎや!
旅行先(友達の地元)着いてソッコーで大麻をキメるな!
しかもフルオープンの原っぱで!
スウェーデンは大麻禁止です! オランダに行け!

なんつーか、アメリカでも仲間内の"ノリ"とか"雰囲気"みたいな同調圧力ってあるもんですなぁ、とこの手の映画を見る度に思います。

しかしトリップしてる最中の映像はキレイ!
大自然と一体……みたいな。僕はやろうとは思わないですけど。
主人公はその後バッドトリップしちゃうんですが結構つらそうです。
精神状態が元々かなり悪かったのもあるんですが、こんな感じになるなら大麻解禁はやっぱしないほうがいいんじゃないかなぁ。

あとキリスト教伝来以前の"古来からの異教"を信じるカルト村が舞台なんですが、そういう「キリスト教から見た異物」をモロに偏見丸出しで描いて大丈夫なんだろうか……とか思ったり。
今や現実には絶滅した信仰(北欧のサーガ)が題材なので誰も文句言わないけど、これがインディアンとかだったらバチくそアウトっすよねぇ……と思いながら見てました。

描写は悪魔信仰とか呪術信仰とかの人達、いかにもこんなことやりそう〜〜〜みたいな気持ち悪さが良かったです。

そんで姥捨山の超絶最悪バージョンとか。
(姥捨の前に葉っぱでトリップとかさせてやれよ、正気でやらせんなよ、とか思いましたが)
村の人たちはおじいちゃんおばあちゃんになると最終的に姥捨てられちゃうんですが、この風習って村からアメリカの大学に留学にしてる人も何の疑いもなく受け入れてんのがすごいですよね。
というか彼はこの祭り終わってアメリカに戻れるんだろうか。一緒に夏至祭に参加したお友達みんな死んでるけど……。

あと祭典の文書を書く巫女的な人が(おそらく)知的障害を持ってる(ので神懸りができる)のですが、村の偉い人が「意図的に近親婚をさせてワザとそういう子を産ませたんだ」とか言ってて、「おいおいおい、この映画コンプラ的に大丈夫〜〜〜!!???」とガチで心配になりました。
近親交配が良くないのって潜性遺伝子(劣勢遺伝子)の形質が顕在化して先天性の異常が発生しやすいかららしいですけど、それだと多分何世代も似たようなことを繰り返さないと形質が固定化しないんじゃないか?とか。
何世代もやってるとしたらグロテスクすぎでしょ、家畜の品種改良かよ、みたいな。
これは考えすぎると本気で気持ち悪くなるのでやめます。

主人公は彼氏が浮気セックスしてるのを目撃してしまって発狂する、というのは見る前から知ってたんですが、実際見てみると彼氏若干かわいそうです。薬盛られてるし。
しかし祭りの日はオープンセックスOKみたいな風習は昔の日本もあったとかなかったとか。
あとマレビト信仰で外部の血を入れるとかもね。
まぁそれをキリスト教的な倫理観でグロテスクに描くとああなるんでしょう。

全体としては映像が綺麗で不気味でキモくて非常に良かったです。

お気に入りは食事のシーンで、儀式の主役がナイフとフォーク持つまではみんなジッと待ってて、主役が持ったら隣の人も持ってさらにその隣の人も……という、なんかエグい同調圧力の儀式みたいなアレです。

それと最後の方で逃げ込んだ建物の中で友達が生贄的な感じで吊るされてるアレ。
グロすぎるので詳細は省きますが、アレってキリスト教伝来以前の北欧でホントに伝えられてたやり方らしいですね。
うーん蛮族。

総論としてはとにかく全体を通して最悪(褒め言葉)で良かったです。
同じ監督の「ヘレディタリー/継承」はまだ見てないのでそのうち見るかもしれません。

チャオ!


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