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【読書】魔よけ百科

魔よけ百科(岡田保造, 丸善, 2007)という本を読んだので備忘録がてらメモ。
それにしても色んな魔よけがあるものです。

目籠

東北地方や関東地方では、目籠を竿の先に被せて軒先に立てかける風習があった。目籠には目が多くあるため鬼が恐れをなして去るという。

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ウィーンの王宮宝物館で、聖槍という槍が展示されている。これはキリストを刺した槍といわれ、コンスタンティヌス帝・カール四世・ヒトラーなどがこれを求めた。この聖槍に触れた者には聖なる力が宿るといわれている。この槍身には×印が彫ってあった。×印には槍を聖なるものにする力があったのかもしれない。

鬼門よけ

敷地の東北の角の塀を引っ込めて、鬼門を無くすのが一般的。京都御所ではさらに屋根の下に比叡山の鎮守である猿の像を置いている。庭の東北側の隅にナンテンを植えることもある。

胞衣(えな)

胞衣とは出産後に出てくる胎盤や羊膜のこと。これを入口や階段下などに埋めることで、多くの人に踏んでもらい、人の精気をもらって子どもの長寿を願った。
奈良時代から既にこの風習が見られる。

蘇民将来

備後国風土記に、武塔神がある兄弟に一晩泊めてくれるようお願いしたところ、裕福な弟は断って貧しい兄はもてなした。その後武塔神は、自身をスサノオと名乗り、「流行病のときは『蘇民将来の子孫』といって茅の輪を腰につければよい」と言った。言う通りにすると蘇民将来の家以外の村人は皆死んでしまった、という話がある。
スサノオは仏教の武塔神(牛頭天王)に習合されたため、牛頭天王を祀る寺社では蘇民将来の札や置物がある。

反閇(へんばい)

中国・夏の禹の歩行法を禹歩といい、道教の呪術的歩行法となった。これが我が国では禹歩・反閇と呼ばれ、陰陽道・修験道の呪術となった。


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