静寂(世界と私45)
時の流れは早い。
私が働き始めて2年が過ぎた、
今度は下の娘の高校受験が迫って来た。
その年の8月の一週目、
祐一の出張、上の娘の部活の合宿、下に娘の塾合宿が重なり、
私は4日間も1人で過ごすことになった。
結婚して始めての主婦業の休暇。
たまに夜に出かけることもあったけど、
夜ごはんを作り外出して、
遅くに帰って来ても、キッチンを片付け、
次の日のお弁当の準備をしてから寝ていて、
私には365日お休みは無かった。
でも今回は完全なお休み。
24時間自由なのだ!
祐一は一週間、韓国。
上の子は5日間新潟。
下の子は4日間伊豆。
私は4日間自由。
そして休暇1日目。
私は仕事に向かった、
主婦業が休みでも仕事はあった。
いつも通り仕事をして3時に帰って来た。
夜ごはんは冷蔵の中の残り物を食べて、
お一人様を楽しむ為に、
ワインとチーズを買って来た。
子供がいると見れない、
少し大人な海外ドラマを見て、
気が付くともう11時を過ぎていた。
明日も仕事があるからそろそろ寝よう。
私は家の電気をすべて消して、
寝室に行った。
ベッドに座り静寂を感じていた、
耳が痛いぐらいの静寂。
世の中に私しかいないのかもしれないと、
思ってしまうほどの静寂だった。
つづく
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