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『食×脳×意識×心理学』:顧客にとって“真のおいしさ“とは?/サービス品質の定義と優位な満足度向上の結論

料理の味は、舌だけでなく心にも訴えます。

いえ、機序が逆かもしれませんね。心に訴えた料理が味に影響を与えるかもしれません。

最近の神経生理学と心理学の研究は、食事が「単なる物理的な味わい以上」のものであることを明らかにしています。たとえば、人々が食事に感じる喜びは以前の食体験との心理的連関に深く影響されることが示されています。

これは、「食のプラセボ効果」とも呼ばれ、期待する味が実際の感覚体験を強化する現象です。脳内の「味覚皮質」は、味だけでなく、食物の見た目、匂い、さらには食べる環境の情報までを統合して、味覚の感覚を形成しています。

このように、食を心理学で語ることもあれば、神経生理学としての分類にも当てはまる事があります。料理人もそれと同様にそれぞれ得意な分野を持っています。

学問でも心理学や神経生理学と様々に別れているように、フランス料理、イタリア料理、日本料理、中国料理と細分化されています。その中でも同じ国籍料理だけを毎日たべ続ける人は、そうそういないでしょう。

筆者もその一人で、先日は韓国料理を、先々日は日本料理を、その前はイタリア料理を...と様々な食文化に触れ、その文化毎に違った良い部分に触れることに感動を覚えます。

そういった、食事の文化的背景も重要な役割を果たしています。ロンドン大学の研究では、異なる文化の参加者に対して同じ料理を提供したところ、料理に対する評価が大きく異なることが確認されています。これは、食文化が個人の味覚認識に深く根差していることを示しているという趣旨の論文ではありますが、単純に慣れていない状況や新しい環境での食事体験が、影響を与えているだけかもしません。

言える事は、それぞれの文化をただ統合して取り入れる事が良い商品を作る結果に繋がるという訳ではなく、それぞれの文化を強調された異文化的なスタイルに、何かを感じ取っているのかも知れません。

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