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【更新】23/24 プレミアリーグ第37節 マンチェスターユナイテッド vs アーセナル Review


【お詫び】 体力的な面から前半しかお届けできておりません
      いずれ後半も投稿しようと思っております

【更新】6/3 お待た致しました
        後半部分を追加いたしました

★主に機能性の面から試合を振り返りたい


前半

ARSプレス 中盤の縦スライド(7:50)


10:20 にも同様のプレスARS



ARSプレス サイドバック上がり(9:10)



MUNプレス(9:50)

個人的に3-2-5に対して強いと思うプレス


MUNプレス 4-2-3-1(12:45)




プレスの局面を個で打開 MUN(13:20)



フリーで打たれる ARS(15:00)



継続性の部分ではっきりしない設定 MUN(16:00)




★ウイングにもライン間は存在する(17:00)

●よくサイドバックの『ピン止め』というが、
上の画像の立ち位置は自ら両手を縛っているような状態だ

守備側は
SB 1人を WG 1人の守備に取られて、
「残りで守備してください」と言われても当然それは可能だ

しかし、
攻撃側は
WG にボールが渡らず前進や攻撃をするということは
中央突破だけで解決することになり要求されるレベルが何倍も違う
不可能ではないがそれはもはやポジショナルプレーとは言えない


『ピン止め』と言って
サイドバックを開かせて押し下げた位置に留めることばかり優先し、
それを理由にウイングにボールが入らない・入りずらいとなるなら
それはトレードオフの関係どころかただの自縄自縛だ


内を使うことで外が空き、外を使うことで内が空く
セオリーで考えても SB を WG が引き付けることは確かに重要だ
しかしそれは、
ボールが入る形を整え維持していないと
そもそも入らない・入ったところで対処しやすい状況を生んでしまい
何の脅威にもならなくなってしまう
「試合から消える」との見方はこういった要因も一因と言えるだろう


補足

下がり過ぎても意味はない 
ライン間が肝心だ




引きつけたスペースへフリーラン ARS(17:50)

まさに成功したケースのように思う




中央で浮くトロサール ARS(22:50)

●①人数に余裕のあるCBが飛び出して捕まえる
  
  ⓶そもそもガルナチョが絞るなら最初から逆サイドを捨てて
      WGがスライドする(トロサールやベルナルド・シルバで見る形)




MUN プレス(27:00)

ARSは相手CBの開けたスペースに向けて
ウイングやインサイドハーフのランニングが見られれば、よりよかっただろう

●プレスを受けた際、
0トップの降りる動きに合わせてついていった相手CBのスペースへ
抜ける動きがあると相手を混乱させやすく有効な場面が多い



開くボランチ間に降りるハヴァ―ツ(29:05)

ここでもハヴァ―ツの動きに合わせて
インサイドハーフ二人のランニングがあればベストだ




ホイルンドへ直接通る(31:10)





後半

★人はボールより速くは動けない(47:00)

右からつくり、左から前進




マンマークプレス MUN(54:15)




プレスのズレ ARS(56:55)

運びからワンツーで突破
エリア内まで一気に侵入するがサリバのスーパーディフェンス




保持の配置 ARS(58:50)

欲しい動きはこのような形だ





疲労も感じるシーン ARS (59:30)

ARSではあまり見ないシーン
このあたりは単純な疲労の面も感じるところだ




アクションによってプレスを能動的に突破 ARS(77:50)

27:00の項で求められる動きと構造的に同じ
ARSは相手CBの開けたスペースに向けて
ウイングやインサイドハーフのランニングが見られれば、よりよかっただろう

マークにつかれていてもアクションで崩すことはできる




やや柔軟性を欠いたシーン ARS(83:40)

このように融通を利かせてもよかっただろう






ロドリのインタビューを考える

●他記事ではありますがシーズン終わりに合わせて書かせていただきたい

『違いはメンタリティだ』 
『彼らは勝ちたくないんだ、引き分けが欲しいだけなんだと思った』
『我々は同じことは選ばないと思う』

アーセナルがシティ戦でパークザバスを行ったことに対する言及だ
これに関して、
まず前提としてポイントリードしている側が引き分け想定で
試合に臨むのは当たり前と言えば当たり前である
相手が王者なら尚更といえよう


その上で、
アーセナルは今後の試合を落とさない戦い方を
この試合選んだことになる
 
落としてはいけない状況を自分たちで選び、そして、落としてしまった
 
こうなれば引き分けを選んだ戦いのアドバンテージは完全に水の泡だ


『我々は同じことは選ばないと思う』
確かにタイトルレースの真っ只中の直接対決
昨シーズンほどのリードも無い中で、シティに自らの手でトドメを刺すことも考えられた場面でもある
 
代表ウィーク前のリバプールはホームでのシティ戦でまさにそんな戦いぶりを見せた
踏み込んで言えば、
優勝争いを演じたシーズンのリバプールはシティとの試合を常に
自分たちのスタイルを貫く、真正面からのぶつかり合いで臨んだ
(相性の良さもあったが)
 
ロドリには
そういった長年のライバルとの姿勢の違いを比較して見て
物足りなさを感じる部分があったのかもしれない


昨シーズンの2敗も受けて、
優勝争いの一戦を引き分け狙いのパークザバスで乗り切る
アーセナルはクレバーな判断をした
これは間違いではなかったように見える
しかし
正しいと胸を張るには、その後負けてはならなかった
この部分は言い訳が効かない部分だろう

よく ARS の12月の連敗などを取り上げることがあるが、
私はこれはあまり適切ではないように思う
 
確かに敗戦の内容を振り返るのは重要であり、ここを勝っていれば3月時点でより優位な立場にいる
こういったところで落とさない者が優勝するというのはシーズンの振り返りとして理解できる
 
しかし、
ライバルが真後ろに迫るレース展開の最中では1敗の影響度が違いすぎる
この4月で首位を自ら明け渡すことになった敗戦を
他と同列の1敗と捉えるのは、状況を加味しない数字のマジックだ
 
 ※12月のツケと考えるのも間違いではないが、
  この時点首位であり
  シティに自力優勝の目がないのは確かだ
  負けてはならない重要度があまりにも違う


相手が転び、手中に収めた首位をマンチェスターシティが手放す筈がない
ARS戦ドロー決着の後、延期分を含めたリーグ戦9試合を
9連勝で一切の隙もなく走り抜けた
鬼門も乗り越え、4連覇を果たすに至ったシティのラストスパートは
驚異的という他ない

パークザバスの選択をしたアーセナルは
これと同じことをしなければならなかったことになる

『違いはメンタリティだ』

優勝争いで引き分けを意図的に狙うメンタリティで達成できた目標設定だったのだろうか
意地悪な言い方になるが、これがロドリのインタビューを見て感じたことだ 


もちろん、シティ戦をフルコミットでぶつかったとて勝てたかは分からない
だが一方で
シティをここで撃破していれば、当たり前ながら1敗しようが
4pt 差のシティに優勝の目は残っていない
 
シティを直接打ち破って優勝するというメンタリティが必要だったのか
選んだルートで失敗してしまったが故に、
そこは議論の余地がまだあるように思う


シティとの最終盤の連勝レースをすることを選んだアーセナル
そこで落としてしまった彼らに対して、
ロドリのインタビューは一理はある

が、間違いとは言い切れない選択でもあった為
ありがた迷惑なお言葉であるのも確かだ

そもそも論だが、シティには戦力差で取れるオプションが攻守において
アーセナルより多いという優位性はあった
真っ向勝負を望んだのは自力優勝の目を残したいのが一番ではあろうが、
その部分の有利さも考慮するべきだろう

願わくば、アーセナルの補強によって全力でぶつかる2チームを見たい
というのが1ファンの希望だ
(個人的には 右WG と 右CB or SB はターンオーバーの関係で優先度高だ)


最後に、
史上初の4連覇を果たしたマンチェスターシティ
プレミアリーグにおいて古今無双のペップシティは紛れもない伝説のチームだ
対戦してきた相手を見れば見るほど異常と言わざるを得ない成績に
改めて称賛を送りたい





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